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TVアニメ1話の制作費内訳

◉週刊東洋経済のアニメ特集「アニメ 熱狂のカラクリ」が、なかなか興味深いのですが。自分はアニメ業界の内側には居たことないので、やはり詳細はわからないことが多いので。中の人のツイートは、興味深く読ませていただいています。やはり、制作会社の体制とか規模とかによって、違和感を持ったり、そのとおりだと思うズレは起きているようです。1話あたりの制作費となっているのですが、どうも高すぎるとか妥当だという部分で、いろんな意見が流れてきます。

画像も転載しますね。

添付画像の転載

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、アニメで検索したら、素敵な絵が出てきたので使用させていただきました。

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個人的には、原作料の安さに、驚きますね。まぁ、小説や漫画が原作の場合、宣伝になるので割り切ってこの値段なんでしょうけれど。3000万の予算の1%にさえならないとは。3%ぐらい払っても、バチは当たらんと思うのですが。アニメ化されるような作品はすでに儲けが出てるので、原作者も気にしないのでしょうかね? この特集には、こういうツイートも。

ううむ、10年ぐらい前の感覚とは、かなり変わりつつあるのでしょうか? 10年前といえば、スタジオジブリが『風立ちぬ』と『かぐや姫の物語』を発表した歳。その後、ジブリは映画制作部門を解体し、一時アニメ制作から撤退したのが2014年ですから。あの前後の感覚とは違う、もうアニメ業界は違う、ということでしょうか?

この指摘は、大きいですね。アニメ制作会社は60再定年制のところもありますが、基本はフリーランスの個人事業主が、作品ごとに契約するしタイルですから、70歳でも80歳でも現役のアニメーターはいますし。経験と技量が良いバランスの30代から40代のベテランは、原画や動画の単価以外に高速費という形で、割増してるんですかね。

年間報酬500万円。これが額面なのか手取りなのかはわかりませんが、鈴木みそ先生の『銭』の中に、作画監督が月の報酬が40~50万円とあったので、年間だと480~600万円ですから、そんなものなのでしょうね。フリーランスならボーナスなんて出ませんし。個人的には、動画原画の中からさらに生き残った上手い人が作画監督なので、もっともらっていいと思うんですよね。

ブラックな体質から、改善されつつあるようですが。ただ、繰り返しますが環境によって違うので。地方のスタジオなら、生活費が住居費から食費まで、ずいぶん違うでしょうし。30代からは、イメージほどブラックではないとうのは、以前も書きましたが。

アニメの主要な絵を描く原画ですが、その中にも第一原画(一原)と第二原画(二原)がいるそうで。第一原画ではレイアウトやラフな原画を作り、それに作画監督や演出家による修正指示が入り。第二原画では、それを元に清書するような感じだそうです。一見すると第二原画のほうが大変そうですが、ラフでも上手い人が第一原画をやったほうが再修正も少ないので、新人は二原からのようですね。

けっきょく、下手でも第一原画をからやって、修正を受けて自分の問題点や技術の不足した部分を学び、第二原画で修正して完成させるまで、一貫してやったほうが、時間はかかっても成長するのは疑いないですが。効率化のため、分業化が進みすぎて、そういう機会がなく成長のチャンスを失っている人は、多いのかもしれません。

ここでも、製作委員会の問題が語られていますが。けっきょくは、人材を育成しようと思ったら、正社員として雇用して時間を掛けて育て、リスク回避の製作委員会方式での貧乏体質を脱却し、リスクを取ってリターンを得ないといけないという、当たり前の部分が見直されつつあるのでしょう。

宮崎駿監督が、10年ぶりに新作アニメをこの夏に公開し、スタジオジブリの番頭役の鈴木プロデューサーの醜聞が表に出るなど、アニメ業界も確実に変わりつつあるようです。ツイッターを見ていると、アニメ関係者のつぶやきで、自分が憧れた先人が、この業界を歪めていたと知って愕然とする云々の内容もたまに見かけます。

ひょっとしたら、共産趣味に走った東映動画の関係者が、全員鬼籍に入るころには、日本のアニメは新しい時代を迎えるのかもしれませんね。東洋経済新報社の特集号は、Kindle版も出ていますので、興味がある方は下記リンクからどうぞ。

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