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め
2016年2月23日 22:12
つむっている僕のまぶたを、夜が優しくノックする。 そんな日は何度寝返りを打っても、星の瞬きにそっと耳を傾けても、意識は冴えたままだった。 時折こんなふうに眠れない夜が僕の元を訪れる。身を縮込ませながら両肩をさすり深く呼吸をすると、乾いた空気が喉に入り込んできた。もうタオルケットだけで眠るのは心もとない。 夏なんていつの間にか消滅してしまった。ひっきりなしに鳴いていた蝉の声も、触れ合え