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め
2015年12月8日 07:37
欲しいモノがある。「私と付き合ってよ」 そう言うと、タケオはたじろいだ。体育倉庫の薄暗い蛍光灯が、彼の栗色の髪の毛を照らしている。もう8月だというのに、中学校で指定されている長袖長ズボンのジャージを履いていた。暑くないのだろうか。 「え、なに。えっと・・・なんで・・・」 あぶくが消えるような声。 彼は口を少しだけ開けて、息を吐いた。そこからどんな言葉が出てくるのかと、私は待っ