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働かないアリに意義がある

みなさんこんにちは。温泉道場グループの宮本です。

僕たちは、地域活性化をミッションに、日帰り温泉・健康ランド・グランピングの開発や運営をしています。また、ローカル企業向けに経営・開発・人事・採用などのサポートも展開しています。最近、プロ野球チームの運営もはじめました。

このnoteは、温泉道場グループ社内で配信しているコラムから、一部を抜粋・編集公開しています。経営者としてどのようなことを考えているのか、何を感じているのかをみんなと共有したり、ビジネスのノウハウをシェアしています。


おはようございます!宮本です。

チームで働いてるときに「自分は頑張ってるのに、なんでこの人は頑張らないんだ?」とか「そこまで頑張らなくてもいいのに、細かいことを言う人だなー」とか、モヤモヤしたことってみんなあるよね、という話です。

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『働かないアリに意義がある』という本があります。

アリの社会を研究している著者が、アリの社会の仕組みから、ヒトの労働環境について考える本です。漫画の挿絵もかわいくて、読みやすいです。

挿絵の漫画は いずもり・よう さん(長谷川英祐『働かないアリに意義がある』)

ここで書かれている「閾値」というのは、化学の分野で使う単語です。

「水は100度になると沸騰する」というのは、100度が「閾値」ということです。「水が0度になると凍る」というのは、0度が「閾値」ということです。

何かしらの変化・行動が起こるラインのことを指しています。
職場でもこの「閾値」の考え方って大事だと思っています。

(「閾値」の説明が、専門家の方からみるとあっているか分かりません。大体そんな風に理解しています。)

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例えば、僕たちお風呂やさんの職場でよくあるこういうシーンは、「閾値」の違いから起きる現象です。

「フロントで手が空く時間があったら、売店の品出しをしておいて」と指示した場合の反応

Aさん 目の前にお客様がいない時
Bさん 目の前にお客様がいない時で、今後のためのリネン補充やフロント周りの整頓が終わった時
Cさん 目の前にお客様がいない時で、今後のためのリネン補充やフロント周りの整頓が終わった時で、レジ点検などの定時業務を先に終わらせた時

など、人によって「手が空く」の閾値が違うため、それぞれの人で「売店の品出しをしだす」タイミングがずれます。

で、この時、Cさんが「Aさんは自分の仕事をせずに売店の仕事にいってしまった」と感じることもあるし、Aさんが「Cさんは売店の品出しをしない」と感じることもあります。

「いつも綺麗に片付けましょう」と指示した場合の反応

Aさん 「綺麗に片付ける」というのは、物を使ったら所定の位置にすぐ戻すこと
Bさん 「綺麗に片付ける」というのは、床に物が置いていない状態
Cさん 「綺麗に片付ける」というのは、業務をこなす時に、物がどこにあればいいのかがわかる状態

こうやって書いてみると、人によって仕事に対する「閾値」が異なるから、トラブルが起きるのだなーと思ったりします。

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アリ社会では、普段働かないアリがいることで、こういうメリットもあるそうです。

・巣と餌を往復して運ぶ時に「目の前のアリを丁寧に追いかけるアリ」以外に「ショートカットしようとするアリ」がいることで巣と餌のラインが最適化されていく。
・「本当にやばい」「巣の存続の危機だ」となった時に、役割を超えて柔軟に対応しだすアリがいる。

などです。

「普段働かないアリは、みんなそうやって役割がある」という話になると美しいのですが、そうではなく、巣の存続の危機でも全く働かないアリもいるそうです。

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チームで働く時に、マネジメントとか、組織論とか、いろいろ理論はありますし、学ぶべきことはたくさんあります。

ただ、学び出す前に、まず

・人は「閾値」が異なるから、「手が空いた時に」とか「いつも綺麗に」とかいう指示はトラブルの元になるかも。
・普段はあまり働かないかもしれないけど、ピンチに超絶力を発揮する人もいるかも
・みんなが本当に「指示通り」「ルール通り」に働くと、改善活動が行われない。適度に「楽をしたい」と思う人がいると業務が改善するかも。

など、人は一人一人感覚が違うので、感覚が違う人同士で働く職場で起きる原理原則を理解しておくと、見方がすこし変わるかもしれません。

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