見出し画像

温泉・銭湯・サウナをやりたくなった方へ、経営のポイント

みなさまこんにちは。

最近ちょくちょく「温泉 or 銭湯 or サウナの経営に興味がある」という連絡をいただきます。

デザイナーズ銭湯、サウナブームの影響が大きいと思います。こんなにも業界に興味をもってくれて、本当に嬉しい。。。

この業界は、多くの人がユーザーとして利用したことがある一方で、ビジネスとしてはニッチで、あまり運営側の情報が出てきません。せっかくこんなに業界に注目が高まってるのに「経営に興味を持ったけど、情報が少なすぎて諦める」という人がいるのはもったいない。

ということで、よく質問をいただく内容をまとめてみました。お役に立てると幸いです。


1.「銭湯」「スーパー銭湯」「サウナ」「健康ランド」の違い

画像1

最初の質問は「銭湯をやりたい。どうやったらできるか。銭湯は公的補助的なのがあって経営が楽なはず」的なことです。銭湯やりたい人、一番多い!! 最近はその次にサウナが人気!!!!

まず、法的な位置付け。

銭湯 = 一般公衆浴場
スーパー銭湯、サウナ、健康ランド = その他の公衆浴場

昔は、今ほど各家庭に「お風呂」がなかったんですよね。

なので、国民全員がお風呂にはいって、清潔な環境で生活を送れるようにしましょう。ということで「銭湯」=「一般公衆浴場」ができました。ライフラインの一部ですね。

で、それ以外のものは「その他の公衆浴場」というくくりになります。

こういう成り立ちから、

・銭湯は国民のライフラインの一部だから、値上げをせず安価な公定価格で営業をする、その代わりに税金や下水道代を一部公金で負担する。

・「スーパー銭湯」「サウナ」「健康ランド」はルールの定めはない。

ということになります。

まれに「銭湯=行政施設=経営が安定」というイメージをもっている方がいます。これ間違い。一部費用の減免はあるものの、あくまで民間事業者です。経営が安定ということはないと思います。

「スーパー銭湯」「サウナ」「健康ランド」に明確な定義はありません。業界にいる身として、ざっくり区切るとこんな感じ。

●スーパー銭湯
 路面にあったりSCに入っていたり。ジェットバスとか炭酸泉とかサウナとか、浴槽にいろんなアイテムがある。別ゾーンで岩盤浴ついてたりもする。レストラン・ボディケア・床屋とか付帯設備もあったりする。最近はフィットネス併設も多い。

サウナ
 主要駅や繁華街近くに多い。
24時間営業が多い。男性専用やカプセルホテル併設が多く、ビジネスマンの天国的な感じ。泊まる前提で行ってダラダラすることも多い。多いのは名古屋〜関西か。

●健康ランド
 
郊外立地に多い。24時間営業の店も。おふろよりも共用部が広く、レジャー施設要素が多い。床がカーペットだったり、シャンデリアがあったり、大広間でカラオケやってたり、バブルっぽい。なぜか動物のロゴマークが多い。関西人は某奈良のCMはみんな知ってる。


2.5大費用と修繕費が重要、事業外収入があるケースも。

画像2

「どういう立地でやれば成り立ちそうか、自分の田舎でやったら成功するか、うまくいくポイント教えて」的なことです。

費用で大きくかかるのは「家賃」「水道代」「電気代」「燃料代」「人件費」の5つです。この固定費を賄えるだけの売上が出せるのかどうかがポイントです。

またこれらの上に、機械設備の定期的な入れ替えや保守・不定期な故障による入れ替えなどで、10〜100万円単位のお金が出て行きます。

また、お風呂やさんは、風呂事業以外と組み合わせているケースも多い。ということも知っておいた方が良いです。

例えば、

・自店舗の土地はもちろん、周りにマンションを所有していて、そっちの収入もある。
・ホテル・SC・飲食・レジャーなどを敷地内に併設していて、そちらの事業の売上も関連してあがるため、単体では見ていない。
・親会社や協力会社にエネルギー関係の会社があり、あまりコストがかからないようになっている。

おふろ単体の事業で収益を出せている店舗は、思っているよりも少ないです。自分でチャレンジするときは、こういう条件面を最初によく考えた方が良いですね。


3.運営の楽しみとやりがい、大変なこと

画像3

やってて楽しいのは、毎日の常連さんから「この店があることが楽しみ」「毎日元気なのを見て、こっちも元気になるよ」とか、すげー徹夜明けの疲れがふっとぶようなことを言っていただけます!!!

また、お店に置いてある無料アイテムを変えてみたり、SNSを更新したりも密かな楽しみです。最近は銭湯・サウナブームで、SNSへのリアクションが増えたように思ってます。色々な方にこの業界に興味を持ってもらえて本当に嬉しいです。

僕がこの業界に入った7年前は、こういうブームはなくて、どちらかというと3K業種(きつい・きたない・きけん)みたいに言われてました。給料安いし。温泉・サウナ好き=マニアみたいに思われていたのが、だいぶ変わってきています。

働いていて大変なことは、浴室・機械トラブル、シフト管理と調整、清掃等の肉体業務です。業務的に結構きついこともある。この辺りは、メンバーで、励ましあって頑張ります!

あと何と言っても、働いた後に入る風呂はサイコーです。毎日風呂とサウナに入れるんやで。


4.運営や経営に興味が出た時にはどうすれば? 僕らも説明会やってるよ!

画像4

温泉・銭湯・サウナを経営するには、だいたい下記のように分類されます。

1 家業に入る(親族に入る)
 自分の家がそうだった、ないしは婿入り嫁入りして経営に参画する。
2 運営している会社に入社する
 僕たちみたいな会社とか、運営会社で検索すると出る会社に就職する。
3 既存の方から事業を引き継ぐ
 「廃業したい」という人と仲良くなって跡を継ぐ。
4 今いる会社の新規事業として投資する
 今の会社の新規事業で「温浴事業」に参入するという流れに乗ってリーダーやる。
5 スポンサーを見つけて自分で作る
 今までにないものつくりたいとプレゼンし、出資者捕まえる・募る。

僕は2でしたが、最近は3のパターンも増えてきているように思います。いずれにせよ、業界内に知り合い作るの大事!


僕たちも採用活動やっていますので、興味あれば応募してくださいー!! 自分たちでイベントやったり、外部イベントへの出展もちょくちょくしてますので、気軽に声かけてください!

画像5

これを読んでいただいて、業界に関わる人が少しでも増えていただければ嬉しいです。もし気に入っていただいたら、ぜひシェアをお願いします。

サポートいただけると嬉しいです! これからも地方創生・温泉・サウナ・人事などをコツコツ書いていきますので、書籍の購入費用に充てさせていただきます。