《土木文学》「戊辰鳥 後を濁さず」第46話
四月三十日(火)
「社会通念上どうですか。という話です。
それに、水質汚濁防止法施行令の一部を改正する政令の施行についてでは
なお、本通知は、地方自治法第 245 条の4第1項 の規定に基づく技術的な助言であることを申し添える。
と、いう一文が書いてあるとおり、これは助言であり、それぞれの普通地方公共団体において、その地方の実情に応じて、別段の規制を施すことを容認すると読み取れます。
そもそもラクダさん。あなたが初期対応を誤らなければ、こんな一大塩害は起こらなかったはずです。その自覚はお有りですか。」
県のデスクでラクダと共に怒られている。
ラクダは悪くない。
調査結果をラクダに報告すれば良かった。
あれだけ気にしてくれていたのだから。
ラクダに相談し、調査結果に基づいて処理をすればよかった。
そうすれば、定期的な観測が行われるなどの正しい対処がなされただろう。
目先の損得に囚われてしまった。
私が悪い。
「よって、今回の件は条例違反となり、罰金については今後、金額を決定致します。」
今までの民泊での収益は50万円くらいで、それは簡単に消し飛びそうだ。
「その決定内容と今後の方針については後日連絡致します。今日はお引き取りください。」
ラクダと部屋を後にしようとする。
「あ、あと、これはあくまで条例違反としての金額となりますので、公害を引き起こした原因者として、被害を訴える方からどんな民事的訴訟を起こされるかは分かりません。それだけは念の為申し上げておきます。」
「あなたは悪くない。助言という通知の意図について環境省に照会する方法もあるとは思う。」と、ラクダは言ってくれた。
ただそれで、塩害がなくなるわけではない。
私がこれからなすべきことはなんなんだろう。
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