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#032:なぜか、どうしても『父の日』が盛り上がらない件

『父の日』にムカつくお父さんはけっして読まないでください

お花屋さんをはじめとして、お店が盛り上がるのは『母の日』。
先日の5月14日(日曜日)、近所のスーパーで買い物ついでにお茶をしていたら、目の前のお花屋さんがなんだか大賑わい。それを見ながら娘が、
「あの子たち、みんな「母の日」のプレゼントで並んでるんだね。可愛いね~」
10代の真ん中あたりの男子たちがワチャワチャと、「どれにする~?」と相談しながら、お母さんへ贈る花を選んでいるようです。思春期真っ最中で親と口をきくのも面倒くさがりそうな男子たちが、馴れない花屋でプレゼントを選んでいる姿を微笑ましく眺めていました。
『母の日』はいまや廃れつつあるバレンタインよりもビッグイベントになっている気がします。

が!!!!!!!

どうしてでしょう?!
同じ近所のスーパーで、昨日(6月18日)も買い物の休憩で娘とお茶をしたのですが、店内は通常営業。いつもどおり、幼い子連れのファミリーや、一人でお茶をする高齢者や、おしゃべりに花を咲かせる学生さんたち…で賑わっていて、あのお花屋さんに貼られているポスターには『父の日フェア 6月18日』と書かれているのですが、お客さんは仏花を買うおばあさん以外だーれもいません。

「あれ?今日ってもしかして・・・父の日だっけ?」
と、フラペチーノを飲みながら娘がつぶやきました。
「あら、そうね。そうだったね」
「ヤバッ!すっかり忘れてた!ちょっとママ!今日、パパになんかしないとヘソを曲げるよ~!」
「え?それって何?ママにとっての父の日は、おじいじゃんじゃん!私、関係ないわよ~」
「えー!やだ~。パパになんてお金使いたくないっ!ママ、ほら、肉!なんか美味しい肉でも食べさせておけばいいよ。帰りにお肉屋に行こっ!」

…我が家のお見苦しい家族関係をお見せして失礼しました。
残念ながら、街を見ても、店内を見ても、『父の日』のまったく盛り上がらない感は『ブラックフライデー』に近いものがあります。

毎日、精神的にも肉体的にもキツイ仕事を頑張っているのは家族のため…と思っている殿方のことを思うと『父の日』の、『母の日』のついで感が気の毒でなりません。
とはいえ、これはまぎれもない事実。
なぜ、それほどまでに父親って感謝されない立場に置かれるだろうか?と、ソフトクリームをほおばりながら私は考えました。

『父の日』が盛り上がらない理由

我が家の場合、娘が思春期に入ったころから夫、つまり父親とはバッチバチの紛争が始まり、冷戦期を経て、最近ようやく、表面上はうまく交流するようになりました。落ち着いた理由は、停戦や平和条約を結んだわけではなく、娘が単に(精神的に)大人に成ったから。
自分の話を言いたい放題する父親に対して長期間の完全無視を経て、「ハイハイ…」「そうだね~」と適当な相槌を打てるようになったからです。

すべてのお父さんに共通するものではありませんが、友人のご家庭の話を聞いても似たり寄ったりで『娘バーサス父親』になるパターンは、
父親が親視点に立てずに、自分の主張を子どもに強いすぎる
ということが、私には見えます。

例①:みんなが大好物の美味しいケーキが2個目の前に置かれたとします。
母親は自分の分はいいから我が子に「食べなさい」と素直に言えます。
が、父親は必ず「オレの分は?」と言い出してめんどくさい。

例②:子どもがなんだか元気が無くて、家でダラダラ過ごしているとします。母親は「学校で何かあったのかな?」と思いながら、そーっと様子を見守り、子ども本人から話が出るのを待ちます。
が、父親は「何かあったのか?」「ダラダラ過ごすなんてダメだ!」「オレが子どもの頃は…」と、一方的に自分の話を強制します。

例③:休日に家族全員が家にいる時、とりあえず、それぞれの生活リズムがあるので、本人たちのペースに合わせるのが母親。が、父親は、「朝だ!起きろ!ご飯作ったから食べろ!なんだ、せっかく作ったのに食べないなんて(とプンプン)」。とにかく自分の考えやペースを家族に強要します。

…そんなことはありませんか?
我が家の場合は、夫(娘にとって父親)が自分の考えや価値観に固執して周りに強要しようとしたがるので、自立を始めた思春期からバッチバチにぶつかり合いました。
(ちなみに妻である私に対しては長年を費やして確立した核の脅威を感じているようで、やたらに攻める(自己主張する)ことは我慢しているようです…)

主張して大損。家族は最小コミュニティー。互いの理解と譲り合い

せっかく家族のために汗水流して頑張っているのに。
本当は誰よりも我が子のことを愛しているのに。
若者言葉で、完全に「ウザがられている」気の毒なお父さんが、我が家にひとりおります。

私はいつも思います。
「人は、好きな人の話は素直に聞けるけれど、嫌いな人・苦手な人からはどんなに正論を出されても初めから耳を塞ぐもの」と。

残念なんですよ。自分を主張しすぎて結局、嫌われてしまうから距離を置かれてしまうのです。ひとつ大人に成って「好きになってもらう」「愛される」努力をちょっとするだけで、結果として自分のことを受け入れてもらえるのに…。

さて、今年の父の日。
通例だと、家族で焼き肉屋に行くのですが、今年は娘が風邪をひいていたので翌週に延期し、代わりに、いつもよりグレードアップさせた持ち帰り寿司と黒毛和牛肉と好物のメロン味のアイスとビールを購入し「父の日だから」と渡しました。
これで、すっかり上機嫌。
「単純なんだからさ、、、もっと、周りから愛されるように努力しましょうよ‥」と、私は心の中でつぶやきます。
結局、娘は父の日にビタ一文も出しませんでした。

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