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ラロックとハイカラあんこ

すっかり気温も春めいてきた頃、東京からお花が送られてきた。
なぜ送られてきたかというと、送ってほしいと頼んだからである。
注文先は、友人が働くお花屋さん。

その友人は前職の同期で、わたしが関西へ引っ越すために会社を辞めた後、すぐに彼女も辞めてお花屋さんで働き始めたのだった。

部署は違ったけれど、入社時からたまたま同じマンションで、一緒に帰ったり夜な夜なおしゃべりしたりした日がなつかしい。

めっきり連絡を取らなくなってしまっていたが、最近、久しぶりに連絡を取った時のこと。

「オンラインの注文が殺到してて、今とても忙しいよ」

と、近況を教えてくれた。
お家でお花を楽しめるようなアソートがあり、それがとても好評だそう。

ずっとお花に携わりたいと言っていた彼女が夢を叶え、大変な時だけれど全国へお花を届けるために日々働く話が聞けて、なんだかとても嬉しかった。

「関西でも送ってくれるの?」
「全国どこへでも送るよ」

ずっとお店に行きたいと思っていたけれど、なかなか行ける機会がなかったわたしにとって、この上ない朗報。すぐにお店のホームページから注文した。

嬉しいことに、お花と一緒に、後日お店でお花や植物がもらえるチケット付き。またお店に行く楽しみもできた。

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届いたお花。ピンクのお花メインで、グリーンや小花がバランスよく混じっている。かわいい。

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そのまますぐ花瓶にさして窓際へ置く。うん、かわいい。

ラロックという絶妙カラーのバラが特にお気に入り。今はピンクだけど、育つと緑になるそう(!)

注文した時、届くまでの間、飾る瞬間。のっぺりしていた日常が、少し色めき立ったのがわかった。

お花を育てた人、仕入れた人、選んだ人、運んできた人。他にもたくさんの人の手でここまで来たのだなあと、いつもなら考えないであろうことまで考えたりした。

近ごろは、好きなお花屋さんには行けなくなり、家にいる時間は長いのに、なぜか気持ちに余裕がなくなっていたことに気付く。

少しだけ先のたのしみがあることが、どれだけ大切か。
先日、星野源さんのラジオで、そんなようなことを言ってたな…と思い出して、その言葉が腑に落ちた瞬間だった。

お花がない部屋は気付けば大荒れだったけれど、お花を飾ると部屋をきれいにしようという気になるから不思議。

そして掃除して綺麗になった部屋は、おやつをおいしく食べるためにある。(?)

あんこ好きのはしくれとして、あんこの追っかけをしているわたしは、この機会に初めて、お取り寄せというものをしてみた。

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梅園さんの「あんがさね」。自由でかわいいハイカラあんこ。

しっとりしたクッキー生地で餡がサンドされている。抹茶と柚子とか、みたらしとしょう油とか、組み合わせがおもしろい。餡は透き通っていて、琥珀糖みたいにきれいな透明だった。

しばらくは行きたいお店にも行けないので、お店を応援するという口実で、自分をたくさん甘やかそうと思う。


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