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タイムカプセルのように本を味わう。

眠れないので、改めて『13歳からのアート思考』を読んでみる。

本は、おもしろい。
前に自分がハイライトしておいた箇所で
当時自分が何に悩んで、どんなことに心が動いたのかがわかる。
過去の自分が自分なりに模索していた軌跡なのだと思うと愛おしい。

前とは違った箇所に、感銘を受けることで
自分が変化していることがわかる。
この期間に色々あったな、と振り返ると切ない気持ちになる。

タイムカプセルのように『13歳からのアート思考』を味わう。

以前の私は"正解"を求めていた。
わかりやすく上手な"正解"。

Instagramに投稿する絵はとにかくリアルに。
noteには基本の形式に則った、誰かの役に立ちそうな情報を。
誰にも嫌われないように、当たり障りのない発言を。

そのためにひたすら知識を蓄え、練習した。
ある程度、形になるまでは人前には出さず
さも「さっとやってこんな感じです」みたいな顔をした。

表現することが好きなはずなのに、苦しかった。
そんな時、この本に出会った。

カメラが登場した、ルネサンス以降のアーティストは
以下のようなことを模索したらしい。

「カメラが誕生したいま、アートの意義とはなんなのか?」
「自分たちアーティストはいったいなにをしていけばいいのか?」
「アートでしか実現できないことはあるだろうか?」

「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考

そう、私のずっと鍛錬してきた只上手に描くなんてことは
とうの昔にカメラに取って代わられていた。

私は衝撃を受けた。ただのリアルは写真には勝てない。
写実的であっても描く人のフィルターを通すから人は感動する。
探求の根がない私の作品は、どれも薄っぺらかった。

"正解"を求めていた自分に気づいてからは、暫く創作ができなかった。
「私なりの答え」を模索した。

月日は流れて、今再び『13歳からのアート思考』を読んでいる。
過去と違って、不完全だけど今の最善である
「私なりの答え」を出せるようになった。
それをさらけ出すことへの恐怖も薄れている。

「私なりの答え」が"正解"でないことで批判を受けることもあるけれど、
それも「相手なりの答え」なのだろうと受け止められるようになった。
(勿論、ショックではあるけれど)

…とても息がしやすい。

「私なりの答え」を温かく聞いてくれる人が居ることも知った。
そう、これを読んでくださっているあなたのことです。

時々訳の分からない事を言いだしたり、
ナニコレ?というものを子供のように「みてみて!」と見せびらかしてくる
私を受け止めてくれる人が居ることが何よりうれしい。

「私なりの答え」を出せる勇気をくれてありがとうございます。
…やだ、泣いちゃう。

タイムカプセルを開けながら、深夜の読書。
温かい気持ちになり眠りにつく。
明日は、この出来事をnoteに書くんだから。


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