蜃気楼

わたしはいつも揺らいでいる

なんのカタチにもなれない

真っ直ぐに進んでいるつもりで

大きな回り道をしていたり

正解がない答えを

延々と探してしまったり

単純な話を

複雑にしてしまったりする

目の前の煌めく世界の鮮やかさは

ある日突然色彩を失って見え

物事への探求は真髄を極める前に飽き

欲しいものは手が届くまでに諦めてしまう

いまになって益々

自分の所在なさを憂うが

何にも交われず

混ざることもせず

何事も為さず

ただ蜃気楼のように

揺らぎ佇む



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