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ティーン娯楽と老練サスペンス | 今週の映画ニュース

かたや「アニメーションの新風」と評されている一作が最高潮の盛り上がりを見せる中、業界の大御所が主演・監督するスリラーが2位に登場。師走は驚きが多い。(掲載:mofi 第232号 2018/12/17)

【興収:12月第3週】ソニーの『スパイダーマン』新作が1位発進 イーストウッド翁が大人層引き込み2位追随

フランチャイズものでは「スパイダーマン」頼みのソニーだが、『スパイダーマン:スパイダーバース』は批評家受けも良く映画賞レースでも有力候補になる模様。2位も初登場の一作ながら、打って変わって老練の技で熟年層を引き込んでいる『The Mule(原題)』が滑り込んだ。ピーター・ジャクソン製作のファンタジー・アクション『移動都市/モータル・エンジン』は$7.7Mに止まっており、モーターの駆動音がなかなか聞こえてこない。(O)


【興行:総集編】2018年のヒットと凡打、Varietyによるまとめは

2018年も師走となり、各紙の総括がはじまっている。Variety紙のまとめでは、興行的ヒット作には当然ながら馴染みのタイトルが多く含まれており(『ブラックパンサー』『インクレディブル・ファミリー』『クワイエット・プレイス』など)、セオリー通りホラーやスリラー作品の強さに触れていることが特徴。ハズレ作品には、一見は好調と思われがちなディズニー作品が複数並んでいることに注目。マーベル作品に助けられている同社は、その他のラインを活かすのに苦心している。(O)


【配信】史上初 配信勢がTVを抜いて生産数一位 コンテンツ製作割合

アメリカのテレビシリーズの総製作本数は今年、495本と最多を更新。2002年の182本と比べると圧倒的な差で、2014年と比べても385%増という驚異的な盛況ぶり。面白いのは、かつてはテレビ関連の雇用を牛耳っていた全国ネット局(”Broadcast”)の本数はほぼ同じ数字で推移していること。ケーブルテレビの基本局群(”Basic Cable”)はエッジの効いた作品を量産するようになり、それに輪をかけて配信勢が急激に幅を利かせるに至った。時代は確実に転換期を迎えたと言って良いだろう。(O)


【ビジネス】アップル、LAはカルバー・シティで1,000人規模のオフィス開設予定 2022年までに

オフィスはコンテンツ製作のハブにもなる。HBOが入居する予定だった広大なオフィス・スペースを、アップルが借り受けることを決めたとのこと。近所にはアマゾンのコンテンツ部門が事務所を構えており、ストリーミング勢がひしめくエリアとなる模様。ハリウッド進出を目指すエグゼクティブの卵の諸氏よ、この1,000人に潜り込むのも夢ではない。(O)


【ライセンス】「ウルトラマン」北米展開へ再出発 リブート企画も始動か

https://www.hollywoodreporter.com/news/japanese-superhero-ultraman-reboot-works-1168258

「ウルトラマン」が海外展開の仕切り直しへ踏み出すようだ。ハリウッド・フランチャイズのデジタル戦略に寄与してきたとされる「スターライト・ランナー・エンターテイメント」とのパートナーシップが基軸。ストリーミング系で新たなシリーズを製作するとの見通しもある。伝統的ヒーローの飛躍なるか。(O)


【ビジネス】レディー・ガガ、『メアリー・ポピンズ』、そして『Vox Lux』 ミュージカルや音楽系映画が活況

ナタリー・ポートマン主演の映画『Vox Lux』はミュージカルではないが、フィーチャーされているSiaのオリジナル曲たちが光る特殊な一本。レディー・ガガの『アリー/スター誕生』、『ボヘミアン・ラプソディ』、そして公開迫る『メアリー・ポピンズ リターンズ』と、音楽系の映画が目白押しの近年。そんな人気ぶりの源泉を掘り下げた記事も、フォーブスで展開されているので下記リンクを参照のこと。(O)

編纂小原康平 / 初出:2018/12/17 第232号
有料メールマガジン「Ministry of Film - ゼロからのスタジオシステム」より

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