保護活動は無料ではない
前回の記事がありがたいことに、なんだかたくさんの方に読んでいただけたようで・・・今回の記事も読んでもらえるかな・・・とちょっとプレッシャー・・・
まぁ、それはさておき、今回の記事は「保護ボランティア」について、記してみようと思う。
「ボランティア」の一人歩き
さて、ボランティアという言葉。誰しもがわかる言葉だろう。私としてはこの言葉がまず良くないと思っている。その為、私は保護ボランティアさんではなく「保護活動者さん」と呼んでいる。
wikiさんによると「ボランティア(英: volunteer)は、自らの意志により(公共性の高い活動へ)参加する人のこと、またはその活動のこと。特に日本語としてのボランティアは一般的に、社会への奉仕(チャリティー)に際して用いられることもあるが、奉仕活動は何らかの権威に「仕へ奉る」活動であり、また戦前の勤労奉仕のように強制性を伴う活動も含まれる点で、自発的でない活動は含めないボランティア活動とは異なる点は注意を要する。ただし、自発的に他者へのサービス提供を行う場合も多く、両者が重なる部分もある。なお文部省の定めるボランティア活動の基本理念は、公共性、自発性、先駆性である 。」とある。
これを見ると、一言も「無償で」とは書いてないわけだが、一般的なイメージとしては「無償で動く人」というイメージだろう。これがいけないところである。
例えば、当店では基本的には直接の保護はしていない。それは外にいた子達はどんな病気を持っているかわからない為、別の場所で最低でも2週間は隔離期間設けている。いきなりお店に入れるということは絶対にしない。その為、保護はしていないと記載しているのだが、それでも依頼をしてくる方はいる。だが、聞いたらやはり気になってしまうわけで・・・保護猫カフェを始めたばかりの頃、そうして依頼が来たものは市内の保護活動者さんにお願いをしていた。状況確認に保護活動者さんが電話をしてもらい、保護をするなら最低限の医療費(ワクチン、検便、駆虫、血液検査、不妊手術等で一匹数万)が必要な旨を話すと「うちの子じゃ無いからお金は出せない」ならまだ可愛い方。「お金を取るなんてあり得ない!」「詐欺だ!」「あなた達は好きでボランティアしてるんでしょう!?こっちは違うから!」あまつさえ捕獲を進めていたら「こんな大事にされて近所にどう思われるか・・・ここに住めなくなったらどうしてくれるんだ!責任をとれ!!」などと言われたという報告を受けたので、その後は依頼がきた時点で、先にお金がかかるという話をして、それを了承する方にしか保護活動者さんは紹介しないことにしている。それもこれも「ボランティアは無償奉仕が当たり前」というイメージが一人歩きしている為だと思う。
依頼をして無償なんて話はないだろう、そもそもこちとら一応「お店」である。スーパー行って「これタダにして❤︎」なんてしないでしょうに。
「他人を自分の都合で動かして無償なんてもんはあり得ない」ハイ、これテストに出るからね〜。
譲渡費用
世の中には何故か「無償で当たり前」と考える人が一定数いるわけで・・・いや〜世界の七不思議ですかね〜
保護界隈でよく聞くのが「譲渡費用の話をしたらタダじゃないのかと断られた」という話。先日とあるSNSで見かけたのは「猫の所有権は保護団体にある。所有されている間の経費は所有者に支払い義務があるので所有していない時期に発生した費用を里親に請求するのはいかがなものか」「飼ってくださる里親さんのご負担を少しでも軽くする努力も重要な活動の1つではないか」と言われたという投稿。
確かに所有権は保護団体かもしれない。だが、多くの団体が個人の保護活動者さんが集まっているだけで、補助金や助成金も無く、身銭を切って保護活動をしているのだ。かかった分の一部でも回収しないと、次の子を助ける費用が捻出できない。それに「飼ってくださる里親さんのご負担を少しでも軽くする」・・・この言い方をご本人がされたのならいかがなものかと思うが、それは置いておいて、里親さんのご負担を軽くする・・・えぇ、わかりますとも。だから、かかった費用の「一部しかいただいていない」わけである。なんなら同じことをご自身でやるより安いはずだ。(※保護活動者さんによる)また、譲渡費用をしっかりもらうというのは虐待犯から守るためでもある。
先の話に通じるものがあるが、なぜ無償と思えるのか。無償が当たり前派の方はおそらく「捨て犬、捨て猫なんかタダで手に入れてるじゃないか!」とお考えなのかもしれないが、それならご自身で保護すればいいんじゃないかと。街中歩き回って、気に入る野良ちゃんを探してみてはいかがだろうか。きっとそうじゃないだろう、欲しいのは風邪とか治っててキャリアでもない綺麗である程度人慣れしている子じゃないだろうか?
そうした子になるまでにかかった手間も費用もいただいている以上にかかっていることをご理解いただきたい。
こうしたことがもっと周知されることを願いつつ、今回はこれで終わりにしようと思う。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!戴いたサポートは猫のために使わせていただきます🐈