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渋谷文泉閣の製本工場見学おぼえがき

こんにちは。友田もえです。
エディトリアルデザインや組版を仕事にしています。

4月23日に渋谷文泉閣さん(長野)のオンライン工場見学を拝見する機会があったのでいただいた資料とともに内容をまとめてみました。上製本の制作工程のおおまかな流れです。
工場見学後自分で追加で調べたりして記載している内容もあるので、間違いがあればご指摘ください。

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上製本に対応している製本会社って結構限られているのですが、その中でも渋谷文泉閣さんはかなり充実した設備、確かな腕をもって製本に携わられている会社です。
動画での製本工程の配信などもたくさんされていておもしろいので、ぜひFacebookページなどご覧になってみてください。
工場でのおおまかな流れをお聞きしていて気になったポイントをいくつか。


・箔押し
仕事では使ったことがない憧れの存在。
実際に箔押しされているところをちゃんと見たのは初めてだったのですが
ロール状に巻かれた箔に表紙が流れていき、圧着され、必要な部分だけが剥がれて表紙に定着していきます。
「箔は面積で金額が変わる」というのがよくわかる工程です。

名称未設定のアートワーク 20

極端な例ですが。
Dは贅沢なデザイン…!
箔押し、いざ使えるとなるともったいない精神でCみたいにしそうで怖い。

版の作成方法についても詳しくお話が聞けて勉強になりました!
版を彫刻する技法と腐食で凹凸をつくる技法があり、
小さい文字だとかなり仕上がりに差が出るのです。
こちらのページが参考になります!


・束見本は手製本
束見本は、中身は印刷せず本番と同じ用紙を用いて製本された、厚みを確認する為の見本のことです。
手で製本されているのは知らなかった!
確かに、1冊製本するためにラインをとめるのは大変そうだしな…
製本する手順を動画で拝見しました。
職人さんの手さばきがきもちいい。



・トライオートが一番好き
ちなみに私が好きな工程はトライオートです。
最後の最後に本にカバーとオビをかけたり、スリップやはがきをはさんだりを一気にできる機械です。
またこの流れていくさまが爽快でずっと見てられます…。

大判に面付けされた紙だったものがさまざまな工程を経て表紙と一緒になり、ついに私達が書店で見る本の顔になるところが好き。
感動のクライマックスですね。


今回オンラインという形で視聴したのですが、zoomでやる工場見学よかったです。声も聞こえやすいし、近くまでカメラが寄ってくれるので見やすいし。
また、5月からオンラインセミナー開催されるようなので気になる方はぜひぜひ! 

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