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【イギリス美大留学】海外大受験用ポートフォリオの作り方 ※合格ポートフォリオ掲載

※末尾にロンドン芸術大学に合格したポートフォリオを有料記事として公開しています。作り方の経緯は無料で掲載しています。

ここでは海外大学受験用のポートフォリオの特徴と作成の流れを記載していきます。

ポートフォリオは海外美大受験において重要な評価対象となります。

特に以下の方達には参考になるかと思います。

・ポートフォリオ作り関して1から知りたい方
・デザイン未経験で海外美大を受験する方
・海外のアート・デザインの美大コースを志望する方

他にも以下を書いているので、もし興味がありましたら見ていただけますと幸いです。

▼ロンドン芸術大学(英語: University of the Arts London 通称:UAL)に合格した道のり:https://note.com/moesunday/n/n5e44dd298a12
▼パーソナルステートメントの書き方:https://note.com/moesunday/n/nf8a0c3eabd91

海外美大を受験するにあたって、ポートフォリオ提出がほぼ必須です。

私は「なんとなく海外の美大行ってみたいな」、と思いながらも、「制作経験がない」といった状態からのスタートでした。

期間としては、本格的に制作を始めたのが2月、ポートフォリオ完成したのが10月。

約8ヶ月かかりました。


作品数0からのポートフォリオ準備


2月時点での作品数は0でした。

作品作りに関しては全く知識がなくどこから始めていいかわからない状況だったので、海外美術大学向けの予備校に2月から通い始めました。

都内で何件か海外美大受験のコースがあり、
その中で学費・働きながらの通いやすさの要素から、1つの予備校に決めました。

選んだ学校は月謝制だったので、
自分がそもそも制作に向いてるか確認をして、もし向いていなかったら美大留学を考えるのは辞めよう。と思っていました。
(向いているかは今もわかりませんが、もっと学びたい。と思うようになりました。)

コースは土日コース・日曜コースの二種類あり、私は土日コースを受講しました。

・日曜日
朝から夕方まで、毎週異なる課題が与えられそれについて制作を行います。
基本月1でデッサン・人物ドローイング・立体・色彩構成をそれぞれ行っていました。
(基本なので内容変動有。)

・土曜日
夕方から夜まで。
日曜のコースを補うようなクラスで
個別の相談だったり、初心者に向けた基礎的な課題と講義だったり、日曜に終わらなかった課題の制作を行えます。

通い始めの2月は鉛筆の持ち方もわからない。影の書き方?人物クロッキー?絵の具の使い方とは?というところから始まりました。

ロンドンに留学した今、改めてここの予備校にしてかなりよかったと思います。

コースでは、リサーチの基礎、エクスペリメントの手法例などの講義をしてくれます。
ここで基本的な手法等を知識として身に付けたので、引き出しが増え、今の大学でもかなり役立っています。


初日のデッサン。よくわからないまま書いた。


2月から7月までの間、
私は基礎が何もできていなかったので、とにかく毎週の課題をこなして経験と作品を増やす、という日々でした。

だいたい予備校時は、以下のスケジュールで過ごしていました。

平日の夜:クラス課題のリサーチ
土曜昼:終わっていない個人課題を進める
土曜夜:個人課題
日曜終日:クラス課題

加えてこの頃は毎日30分の人物クロッキーを行なっていました。

7,8月頃には、地道に続けた甲斐があって、作品の数が10点ほど揃うようになりました。

10月頃には新たな作品の追加等を行い、ポートフォリオが整うところまで行きました。

週末のこのコースを利用すれば、大学から求められる作品数を満たすポートフォリオは完成できると思います。

2、3分で描く人物クロッキー。多分4ヶ月目とか。描くのが楽しくなってきた時期。


5ヶ月目とかかな?楽しいと思えてきた時期。


海外美大用のポートフォリオの特徴


海外大学受験にあたって要求されるポートフォリオは、日本の就活用のポートフォリオとは全く違います。

日本は成果物重視とされる一方、
イギリスの美大はプロセス重視で、スケッチや思考の過程を多く見せる必要があります。

私はとにかく事例を見ることが大事だ。
と思い、PinterestやYoutube、各美大のポートフォリオからスケッチブックの書き方・ポートフォリオの書き方を参考にしました。

以下おすすめのリンクを紹介します。

・The Glasgow School of Art

BA向けのポートフォリオ例ですが、
イギリスで有名な美大なだけあってかなりクオリティが高いです。
グラフィックだけではなく、建築やプロダクト、ファッションデザインの例もあるので、そっちに興味がある方は参考になるかと思います。

・Youtube
Youtubeでも”graphic design portfolio accepted”と検索すると合格者の事例が見られます。
特にこの子のスケッチブックは参考になったし、見ててすごい楽しい気持ちになります。


また、予備校に過去生徒のポートフォリオがあったので、自分の近い分野の方のポートフォリオを参考にしました。

上記で紹介したものはどうしても一部に限られてしまい、ポートフォリオの順序など参考にしにくかったのですが、予備校の資料は提出した形式のものがそのまま掲載されていたので参考になりました。

ポートフォリオ制作開始

作品精査

8月頃の作品数が10点ほど揃うようになった時に、ポートフォリオ制作を本格的に始めました。

①作品の順番を精査する→②スライドに写真と文章を挿入してまとめる→③足りない作品を増やしていく→①に戻る。の繰り返し続けました。

私は①、②の段階でブランディングに興味があるのにブランディングに関するプロジェクトが1つもない!と9月に気づき(致命的w)1ヶ月ほどかけて作品を増やしました。結局8月に候補として挙げていた10点から4点削り、2点追加する形となりました。

最終的にポートフォリオには8作品+大学時のプロジェクト紹介2件を載せています。

作品数ですが、イギリスの大学の多くは10〜15点程度を要求されるかと思います。
ですが大学によってポートフォリオで要求される作品数やページ数は異なるので必ずチェックすることをお勧めします。
UALは30ページまでオンラインで共有できました。
(※ちなみに私はGraduate Diplomaだったので10作品程度を30ページに収める形でしたが、MA応募のポートフォリオはもっと作品数少なくてもいいと思います。5点くらいで、リサーチとプロセスに力を入れて30ページほどに収めるのがいいかと)

気をつけたこと

また、作品を載せる際に以下を心がけました。

・自分が興味のある分野に関連する作品を最初に載せる
・スケッチで飽きさせない
・幅広い表現方法ができることを示す(立体作品が得意だったのでさりげなく入れておいた)
・MAやPre-master出願の場合は作品としてデッサン・人物ドローイングは1作品として出さない(レベルが高い場合は1作品として出しても問題なさそう)
・↑だけど、基本的なドローイングの技術を持っていることはスケッチの中にチラ見せさせる

フォーマット

フォーマットについては、基本的に、大学のポートフォリオの形式は白か黒のシンプルなものがいいかと思います。
(白か黒を指定していた学校もありました)

私的にはポートフォリオのフォーマットの主張が強すぎると、見せたい作品がおざなりになると思っています。

制作形式については自分がやりやすい方でいいと思います。

私はGoogle Slideで作成しました。

基本的なポートフォリオが完成したら、出願大学別にポートフォリオを編集しました。

ポートフォリオレビュー

ある程度基本的なポートフォリオの形式ができたら、色々な方に見せて意見をもらいました。

大学のポートフォリオレビューは緊張しますが、行うことを強くお勧めします。

私は9月頃にCSVPAのPre-Masterコースに連絡を取り、ポートフォリオレビューをお願いしました。

作品紹介15分ほど、レビュー30分ほどといった濃密な時間でした。

スケッチの足りない部分の指摘、作品が発展できる可能性のアドバイスなどのアドバイスをもらい、それを元にポートフォリオをブラッシュアップできたのでおすすめです。

ちなみにポートフォリオレビュー時点でCSVPAさんから口頭で合格をいただきました。こういう棚ぼた?的なこともあるので、レビューは行って損はないかと思います。

作品例

作品・スケッチの一部を紹介します。

これはイッセイミヤケのpleats pleaseからインスパイアされたタイポの過程(一部)です。私はブランドのロゴに興味があったので、ブランドロゴに関しても事前リサーチを行ったうえで、以下のプロセスに落とし込みました。


今見ると直したいところが多くあるのですが、これくらいの材料があれば受かるといった基準を意識していただければと思います。


ポートフォリオ

合格したポートフォリオを有料枠で掲載します。
出願校によって作品数を削ったりしましたが基本の型は添付のものとなります。

※少々高いお値段設定となりますが、時間とお金をかけて作成し、オファーを獲得したものとなるのでご了承していただけますと幸いです。

合格校は以下のプレマスターコースです。

University of Arts London(UAL)
CSVPA
Arts University Bournemouth
Kingston University

ご質問があるかたはTwitterの@_moesundayにお問い合わせください。
ではでは。

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