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コロナ禍で、ドイツからの一時帰国が大変だった話〜その2. PCR検査編〜

ドイツから日本への一時帰国の為に、出国72時間前までのPCR検査が必要でした。

ドイツでは、至る所にPCR検査を受けられる検査場が出来ています。街に出れば、2〜3ヶ所は直ぐに見つかります。では、何が大変だったかと言うと、「日本政府指定の、陰性証明用紙に記入してもらう事」です。

PCR検査場では大抵、出国する人用に英語での陰性証明書の発行に対応してくれます。それらはその検査場(またはラボ)が独自に用意した形式で発行してくれるものです。それで有効な国が殆どなところ、日本政府指定の「その国だけの指定用紙」に捺印・記入してくれる検査場探しに苦戦しました。

インターネットで調べると、フランクフルト空港近くでは、日本のこの指定用紙への記入が可能というところがあったのですが、検査は出国72時間前までという制限があります。その72時間以内に収まっていなければいけません。
また、PCR検査は検査結果が出るまで、早いもので6時間(お値段割高)、大抵のものは24時間程で結果が出るとありますが、24〜36時間で結果が出るとうたっているものも。24〜36時間って…その振り幅よ!最大時間を考慮して、出国との72時間以内計算をしなくてはいけません。
私が暮らすのは、フランクフルトまで車で高速を飛ばして片道2時間半の場所です。私の飛行機は夕方発でしたが、国際線は出発2時間前にチェックインが基本。更に空港までの移動時間を考えると、出発当日の朝に検査を受けるのでは6時間の検査にしても結果が間に合わない可能性(しかも、万が一陽性だった場合には飛ぶことができないのに飛行機の日程変更やキャンセルが間に合うのか、というリスク)がありました。
知り合いの日本人ご家族は、旦那さんのドイツ勤務が終わって子供さん含むご家族での日本への永住帰国だったのですが、これらを踏まえ、前日にフランクフルトへ移動して空港で6時間検査を受け、ホテルに宿泊し、夜に検査結果をもらい、翌日また空港で検査場を訪ねて日本指定用紙に記入してもらい、飛び立つという方法をとりました。
私も前日宿泊しか方法はないかと思いましたが、コロナ禍で、コロナを日本に持ち込まないようにPCR検査が必要なのに、そのPCR検査の為に普段は田舎暮らしで感染リスクの低い人間が、フランクフルトという感染リスクの高い街へわざわざ早くに行き、PCR検査の為に出歩き、夕食は外食となり、ホテルに泊まり、翌日また検査場へ行かなければならないという、日本への帰国前に感染リスクをあげる手順を踏むことになるのです。

私はインターネットで更に探して、私の住む村に近い街にも支店が2ヶ所出ているという検査場に、メールで「日本政府指定の陰性証明書に記入してもらえるのか」を問い合わせました。すると「可能です」というお返事だったのです。

https://covid-testzentrum.de
↑こちら

喜んで、近くの街のその支店に出発2日前の検査予約を入れました。これで出発前日には結果が出て、その翌日空港へ行けばいい。
このPCR検査なのですが、72時間という時間制限の為に事前に準備してスッキリ!という事が出来ず、不安な気持ちがずっとつきまといました。
夫に「予約がとれた。」と伝えたら、それまでにも問い合わせた何件かの検査場に「うちではやっていない。」と断られていた不安から、「念の為にその支店へ事前に出向いて、本当に記入してもらえるのか確認しておこう。」となりました。それで、土曜日に夫と一緒に街へ出て、予約した支店の受付でプリントアウトした日本指定用紙を見せながら「ここに検査結果を記入し、スタンプとサインをもらえるのは本当?」と聞きましたところ、「こんなの見たことない。やったことないからここでは出来ないよ。」との返事なのです。
可能だともらったメールの返事を見せると、何処かへ電話を掛けて問い合わせてくれましたが、「ここでは出来ない。検査の結果が出てから、この用紙を直接ラボまで持っていけばそこで記入してくれるって。」というのです。「ラボはどこなの?」と聞くと「ここから車で片道5時間くらいのところ。」というのです。片道5時間!!!
「えぇぇ?!」となって同じ検査場の同じ街の支店違いも訪ねて、同じ質問をしたところ、「いいよ、検査結果が出てから、持ってきてくれればこれに書いてスタンプ押せばいいんでしょ。」と、こちらの受付のお嬢さんは言ってくれたのですが、なんせ心許ない…。このお嬢さんが当日居なかったら?他の人も果たして書いてくれるのか…?この人お医者さんではないから「医師名」にサインは入らないよね…? 因みに、どちらの支店にも1、2人しかスタッフはおらず、全員が外国人さん(イスラム系)で、しかも若いのです。学生さん?もしくは、研修生さん?のような…。支店では、綿棒のようなものを使って検体を採る作業だけで、後はラボに送るだけだからだと思いますが。
もう何を信じたら良いのかわからず、不安しかない…という事で、もう一度メールで問い合わせし直したところ、「支店では対応しませんが、用紙を事前にこちらにメールで送って貰えれば、ラボで検査結果が出た時に通常の英語での検査結果と合わせてメールで送ります。」との事でした。でもね、メールでこの本店(?)に用紙を事前に送ったとして、支店で受け付けてくれた私の検体と、何処でラボが「この人には専用の用紙があったね」とか巡り合わせてくれるというのでしょうか? …やっぱり不安しかない。。。
他の方のブログで、検体を採ってもらった時に、申し込み用紙と一緒にこの日本の指定用紙を渡したけれど、ラボから送られてきた結果は英語でもなくドイツ語の証明で(よく見ると英語での一文が小さく添えられていたらしいですけど)日本のものは添付されてもおらず、慌てて検体を採ってもらった先へ再度訪ねて渡した用紙の行方を聞いたところ、何処に行ったかわからない…という返事で、念の為にと新しくプリントアウトしていった用紙に直接そこで頼んで目の前で書いてもらった、という方がいらっしゃったし…。
ここは辞めておこう、と、一旦予約はキャンセルしました。やってみてダメだったらもう間に合わないので、「書いてくれるかもね…届くかもね…」のような賭けには出られません。

もうこうなったら、やはりフランクフルト空港の近くでPCR検査を受けるしかないかと、空港内の検査場で6時間で結果が出るものを出発前日の日程で予約しました。

https://www.fraport.com/de/geschaeftsfelder/betrieb/medical-center/corona-testmoeglichkeiten.html
↑こちら (因みに、この検査場と私は、後にキャンセルの返金を巡って揉める事となります。別記事で書きます。)

フランクフルトまで、出発前日にPCR検査を受ける為に往復して、夜に結果をメールで受け取り、更に当日早めに空港へ行き、その検査場を再訪問して指定用紙に記入してもらう。もしくは、もう前日ホテル泊でこのスケジュールをこなす、しかないか、と。

ですが、これは最終手段。本当にフランクフルトへ行く以外になにか方法はないものかと引き続きインターネットで情報を探していました。「日本指定の用紙に記入します」というPCR検査場も、大きな街ではあるのだなあ、と、自分のように田舎暮らしは困るなあとポチポチ見ていましたら、デュッセルドルフという街には日本企業が多く、日本人も沢山住んでいるのですが、そこにある日本人のお医者さんがいる町医者さんの案内に、「他のラボの検査結果持ち込みでも日本指定用紙に記入が可能です」とあったのです!
えっ!!
これが出来るなら、街でどこでも良いのでPCR検査を受けたら、その結果を元に、私のかかりつけの町医者さん(ドイツ人)でも書いてくれるかも?!!!
…という事で、夫とかかりつけの町医者さんを訪ねて日本指定用紙を見せて、結果をこれに記入(転記)して欲しいだけなのです、困っています、と話をしたら「いいですよ。」とのお返事が!
本当ですか!!!!!
早速、近くの街の新たなPCR検査場を探して、予約を取りました。ああ、これでフランクフルト往復(又は宿泊)しなくて済む。フランクフルト空港内のPCR検査予約はキャンセルしました。

という事で、結果としましては、
『街のPCR検査を受けて、陰性証明が出たら(メールで送られてきます)、それをプリントアウトして町医者さんへ持参し、日本指定用紙に記入&サイン&スタンプを頂く』
と、なりました。
陰性証明が出発の前日に出るようにして(私が受けたところは、英語とドイツ語の証明書2枚をメール添付で送ってくれました)、当日の朝に町医者さんに予約をとっておき、町医者さんへ寄ってから空港へ行きました。

ラボの陰性証明と、日本指定用紙に記入されるサインが別になってしまいますが、町医者さんでPCR検査を受け付けてくれたとしても、結局はその検体を何処かのラボへ送って検査する訳ですから。サインも、検査場の受付の人が書いてくれるものでもなく、お医者さんですしね。

実際、私はこれらの書類(ラボからの英語の陰性証明と、町医者さんに記入頂いた日本指定用紙を日本の空港で両方提出しました)で無事に日本へ入国する事が出来ました。

以上が私の経験ですが、コロナ禍では状況は日々変わりますので、帰国されるという方は、ご自身で確認の上、自己責任でお願いします。私がこうだったのでこれで大丈夫ですという保証はありません。お気をつけください。

また、PCR検査でも、日本政府は検体の採り方にも制限をかけていました。(鼻の奥、又は鼻の奥&喉の奥、又は唾液)
喉の奥だけからの検体採取方法は認められていませんでしたので、各PCR検査場の検体採取方法にもくれぐれもご注意ください。
↑こちらもずっと同じ制限とは限りませんから、ご自身でご確認願います。


上記以外に、「フランクフルトの検査場と、キャンセル後の返金について揉めた話」「日本指定用紙に記入してもらう際に、信じられないミスが続いた話」も、また書きたいと思います。


2021年11月27日



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