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この世はやる気のある人が勝てる世界だった

なぜみんなやる気がないのかと感じてしまう日々

塾で毎日いろんな子を見ていると、受験生らしく必死に勉強している子は2割にも満たないように感じる。塾生で2割?それって少なすぎない?どんな塾なの?と思うかもしれないが、特段やる気のない人が集まっている塾でもないし、レベルも人それぞれだ。みんなある程度勉強はしている。ただ、受験生で塾に通わせてもらっているにも関わらず、その熱量なのかと感じて、日々疑問に思っていた。

本人曰くやる気があるらしい

あまりにも態度がひどい子は呼び出して話をしたことがある。そうすると、次の日からその子はしばらく塾に来られなくなってしまった。保護者からの信頼があったため保護者の働きかけによりしばらくたって戻ってきてくれたのは不幸中の幸いだったが、その経験がある以上、やる気について問いただすことができなくなってしまっていた。その子や他の子に軽く聞くと、どうやら本人たちはやる気があるらしい。私から見れば微塵もそれを感じないのだ。

両親が幸福の科学信者だった山田君(仮名)

講師の山田君に、担当生徒のやる気のなさについてどう思っているのか?やりにくくないか?ふと聞いてみたことがあった。そうすると、「あー確かに全体的にやる気ないなって思ってました。でも普通の人ってこんなもんなんだろうなと思います」と言った。意外な答えに度肝を抜かれた。山田君のご両親は幸福の科学の信者で、中学高校と信者の学校に通っていた。山田君は幼い頃からご両親や周りの友達の違和感に気づいていたという。つまり、普通ではないバックグラウンドを持っている。

努力家の山田君

山田君はとにかく家から抜け出したくて死ぬ気で勉強したらしい。「幸運なことに勉強ができたからよかった」と言っていた。山田君は現役で医学部に合格していて確かに勉強ができる。でも話を聞くと裏では弛まぬ努力があることも知っている。同じ参考書を10周以上勉強したりなど、普通の人にはできない努力であることに間違いない。ただ、山田君自身は自分は運が良くてたまたま勉強ができるタイプでよかったと思っている。接しているとわかるが、山田君は決して器用ではない。つまり山田君は運が良くて努力ができるタイプ、努力の天才なのだ。

「普通の家庭で育った人はこんなもんじゃないですか?」

そんな山田君からの迷いのないこの答えを聞いた時、正直頭の中がはてなマークで埋め尽くされた。「え、どういうこと?!」とすぐに返した。山田君はこう続けた。「普通の家庭は、今のままがずっと続けば別にそれでいいっ思うはずだからです。まあ塾に通えてる時点で恵まれてるとは思いますけど、恵まれた中でそれを自分のものにできるかどうかは自分次第なので。」

恵まれている家庭・普通の家庭・厳しい家庭の3種類

山田君はこうも言っていた。「医学部に入って周りに恵まれている人が多いなって感じます。苦労や挫折を知らない人が多いです。」と。しかしそれは山田君の偏見であるとも私は思う。私からすれば山田君だって、苦労も挫折も知らないだろうと感じることが多いからだ。恵まれている子は、苦労や挫折を知らないだろうと思われることがまたコンプレックスであるに違いない。

「普通(の家庭の子)は自分次第でどっちにでも転がれるから1番難しいんじゃないですか?」

山田君論は、普通の人が1番難しいのでは?と言っていた。自分次第でなんとでもなるから難しいと。果たしてそうなのだろうか?そんな研究や統計があればぜひ誰か教えて欲しい。確かに成功者は、元々恵まれている人だったか、子供の頃貧乏だったかの2パターンではないかと言われるとそんな気もする。絶対に応援したくなるのは後者なのでそう言った意味では何が"恵まれている"なのかよくわからない。

やる気の有無は、現状の満足度による

今回山田君と話していて気づいたことは、やる気がある人は今を変えたいと思っている人だということ。そう言った意味では、確かに、恵まれている子と家庭環境にやや問題がある子の方が、やる気が出ると言える。大人である自分ができることは、人生を楽しむことではないか。こっちの世界はこんなに楽しいんだよという姿を見せることで、理想像を作ってあげる。なんて難しい仕事なんだと気づいた。

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