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軍都市川の面影

 歴史雑記052
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 いまやその面影はないが、僕の暮らす市川市は、かつて軍の街だった。
 僕の散歩コースのひとつに新田方面をぶらぶら歩くというのがある。この辺りは古代には真間の入江の南側で、市川砂州と呼ばれていた地域である。
 市川砂州にも首長がおり、古墳があったという話は以前に書いた。
 さて、新田には古い神社がいくつかあるが、そのうち、新田胡録神社の境内に建つ碑が軍都・市川のことを少しばかり伝えてくれる。

 新田胡録神社は神代七代のオモダル・アヤカシコネを祀り、創建については詳らかでない。佇まいは、村の小さな社である。
 その境内入り口付近に、このような立派な碑が建つ。

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 写真だと読みにくいが、「陸軍少将正五位勲三等功三級有田恕謹書」とあり、陸軍軍人である「有田恕」の揮毫であることが知れる。

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