アイデンティティ
外出自粛中に、ご縁があり英会話を始めました。
先生は日本に留学中の現役大学生です。
文法を勉強するだけの受け身の勉強だと、いつまで経っても話せるようにならないからと、
『英語で自分の意見を言えるようになる』
というコンセプトで、内容はオリジナルで作成して下さっています。ディスカッションや会話メインで、市販のテキストは使っていません。
最初は英会話だけを習うつもりでした。
というのも、英会話はもちろんのこと、生きていく上で大切な姿勢を沢山教えていただいています。
例えば、今までの学生生活で、
『あなたはどう思う?』
と聞かれることは、ほとんどありませんでした。
そこには必ず正解があって、正解か不正解か。
どう思うかは関係ない。
最初英会話をしているとき、日本語でも答えるのが難しい質問ばかりでした。
・良いリーダーになるには何が必要?
・初めて会う人と、どうやったら楽しく話せる?
・日本の伝統的な文化を外国人に話してみよう
後から考えるとそんなに難しい質問じゃないのに、どう思う?と聞かれると、ぱっとは答えられない。
『あなたはどう思う?』に慣れるのに、かなり時間がかかりました。
そして、気が付いたことがあります。
今まで私は、『正解を言わないといけない』『素晴らしい意見を言わないといけない』と勘違いしていたことを。
世の中にはたった一つの正解がある問題の方が少ない。
だからこそ意見を交わし、お互いの違いを受け入れることで、多様性が生まれるんだということを。
特にアイデンティティの話しになったとき、如実に感じました。
そもそもアイデンティティとは、『他の人よりも優れているもの』となぜか思っていて。
自分の中の素晴らしい何かを探して、素晴らしい意見で話さなくちゃと必死で頭をフル回転させて、
『私は感受性が豊かで、例えば汽笛の音を聞いただけで、涙が出たことがあります』と答えました。(ちなみにこれは、本当です)
でも先生曰く、アイデンティティとは、例えば『私は大学生で、日本に留学していて、クッキーが好き。』
それを知っている周りの人が、クッキーを見かけたらお土産で買ってきてくれるような、そういうもの。
なんだそうです。
旦那も同じ先生の英会話レッスンを受けているのですが、
旦那が理解していたアイデンティティも、私とほとんど変わらず、
アイデンティティの意味を先生から聞かれた際、『例えばマイケルジャクソンみたいに、他の人と違う、スペシャルなもの』と話したら、
「欲張りですねぇ。」と言われたと笑っていました。
それから趣味についての話しになったとき、
今趣味といえるものってあんまりないなぁなんて思っていたら、
先生が『緑茶を飲むのが最近の趣味』と、話し始めたんです。
え、待って、緑茶が好きなのも、趣味でいいの???
それだったら、私も玄米茶が好きで毎朝飲んでるし!
凝り固まったものの見方が、ぱっと明るくなって違う部分が照らされるようなそんな感覚。
こういう考えや、感じ方、
そして自分を理解し、意見を持つこと、それを誰かと共有して、違いを受け入れることが人生にはとっても大切だなと、
いつもレッスンを受けながら思っています。