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「書きたい」と思ったきっかけ


昔から本を読むのが好きだった。


中学~高校生の時は休み時間に図書室に行くことが日課で、司書の先生にも顔を覚えてもらって仲良くなったりもした。
テレビや漫画ももちろん好きだったけど、活字を読んで登場人物の顔や声、情景を自分の好きなように想像するのが大好きだった。


頭の中での想像は無限で自由。誰にも支配されず、邪魔されない自分だけの想像の世界が好きだったのだと思う。
今考えると、少し内向的で変わった子供だったのかもしれない。




小学校高学年の時に読んだ本だと記憶しているが、私の本好きを加速させた大事な一冊がある。王道かもしれないが、森絵都さんの「カラフル」だ。

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(右側は読書中や後に、感想や印象に残ったフレーズを書く読書ノート)

最近文庫本を買って読み直して気付いたのだが、帯に「高校生が選んだ読みたい文庫 No.1」と書いてある(やはり王道だった・・・)。


あらすじは以下の通り。

生前の罪により輪廻のサイクルから外されたぼくの魂が天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。自殺を図った少年、真の身体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならないのだ。真として過ごすうち、ぼくは人の欠点や美点が見えてくるようになる・・・。老若男女に読み継がれる不朽の名作。


小学生の自分には設定も斬新だったし、一度読み始めたら続きが気になって時間を忘れて読んでしまう、小説の素晴らしさ、真骨頂が分かりやすく詰まっている作品だと思う。
起承転結の流れが非常に分かりやすく、伏線の回収も綺麗。



作者が一番伝えたかったのは、どんなに絶望しても「絶対に自ら命を絶ってはいけない」ということだろうと思う。
それを直接的な言葉ではなく、主人公である「ぼく」が真として過ごすうちに、物事や人には色々な側面がある、「世界はカラフルである」と気付いていく過程で伝えているのだ。
一側面から見ると絶望的な状況でも、違う側面から見ると、案外悪くない状況かもしれないし、ちょっとの工夫で状況は劇的に変えられるかもしれない、ということを。


以下「カラフル」の根本部分であると共に、好きなフレーズ。

ぼくの中にあった小林家のイメージが少しずつ色合いを変えていく。それは、黒だと思っていたものが白だった、なんて単純なことではなく、たった一色だと思っていたものがよく見るとじつにいろんな色を秘めていた、という感じに近いかもしれない。黒もあれば白もある。赤も青も黄色もある。明るい色も暗い色も。きれいな色もみにくい色も。角度次第ではどんな色だって見えてくる。



学生の時は家族、学校、あとはせいぜい部活や塾など、コミュニティが狭く、経験も浅いため視野が狭くなりがちである。
学校や家の中でうまくいかない事があると、「それが全て」で、人生終わり、逃げ場がない、という考えに陥ってしまいがちだ。



世界は広い、世の中はカラフルだ、という事を知ってもらうために、この「カラフル」を是非学生時代に読んで欲しい。
想像力を掻き立ててくれる小説の素晴らしさにも気付いてもらえる作品だと思う。



学生時代の自分に大いに影響を与えた「カラフル」。自分もいつか、誰かに影響を与える「読み物」を書きたい、そんな風に思うようになった。

ネットが発達し、動画コンテンツが充実したことで、より一層活字離れが進む現代だからこそ。
無限の想像力を掻き立てられる、本の素晴らしさを若い人に伝えられるものを、いつか書いてみたい。
随分大げさだけど、言葉にしたり、口に出したりした方が願いが叶う確率は高まると思っているので、とりあえず言ってみた。



今回、noteを始めたきっかけは、今までは読む専門で好き勝手に想像しまくっていた、自分の頭の中の事を表現してみたいと思ったからだ。


想像から創造。
かといってドンドン頭の中からアイデアが沸いてくるほど、クリエイティビティに溢れた人物ではないと思うので、今回みたいにまずは本を読んだ感想やドラマや映画を観た感想などから、文章を書く練習を始めて行こうと思う。

拙い文章ではありますが、よろしくお願いいたします。





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