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看護師が、患者に言いたくても言えないこと

Business Insiderに、看護師が、患者に言いたくても言えない10のことという記事が掲載されていました。アメリカの看護師にインタビューした記事なのですが、なかなか本質をついているなと思う部分が多くありました。

看護師たちは、患者に言いたくても言えないことがいくつかあるとBusiness Insiderに語った。
医者の中には病歴や投薬情報を3分しか見ていない医者もいる。全員を信頼しないようにと言いたいと看護師は考えている。
またホテルのメイドのように扱って欲しくない、看護師にも具合が悪い日があると言いたいと述べた。
看護師は来る日も来る日も患者と接している。
ほとんどの看護師は人と接することが大好きだが、仕事について本当のことを患者にもっと伝えたいと思っている看護師もいる。
例えば、病院をホテルのように考えることや、いつでもすぐに対応してもらうことを望むことは止めるよう患者に言いたいと看護師たちはBusiness insiderに語った。
また、医師に用心することや子どもに予防接種を受けさせて欲しいと語った看護師もいた。

翻訳の仕方もありますが、医師に全幅の信頼を置いているわけではない。というのは、セカンドオピニオンを聞く権利があるという時は、私だったらその医者には診てほしくないという意味だそうです。確かに。。医師にも病院にも得意不得意分野があるのは事実です。その病気だったら、この病院じゃなくて、別の病院に行った方がいいよなぁ。自分だったらそうするんだけど。と心の中で思うことはあります。患者様やご家族に、「セカンドオピニオンを受けてみたいって、先生に言ったら、嫌な顔されるかしら。」と言われることはありますが、今の時代はそんなことはありません。以下の週刊朝日の記事に、医師へのセカンドオピニオンに関するアンケートが掲載されています。

アンケートでは、患者に「セカンドオピニオンを受けたい」と言われたときの心証を聞いた。すると、187人(60%)が「何とも思わない」と回答し、「歓迎する」の109人(35%)と合わせると、ほとんどの医師がセカンドオピニオンに対し、ネガティブな印象を持っていなかった。「主治医との関係は悪くなるか」という質問にも、「悪くならない」と回答したのは244人(78%)で、「悪くなる」と答えた39人(12%)と比べて圧倒的に多かった。

少しでも、他の医師の意見を聞きたいと思ったら、セカンドオピニオンを受けた方が良いです。

患者に言いたくても言えないことの中で、病院をホテルのように考えることや、いつでもすぐに対応してもらうことを望むことは止めるよう患者に言いたい。というのも、とてもよくわかります。

本当は、自分の担当する患者様一人一人に、十分な対応をしたいと看護師は思っています。しかし、1日に受け持つ患者様は複数名おり、夜勤などでは、十数名以上の方を受け持っています。

正直なところ、受け持ち患者様に命の優先順位をつけて、毎日の看護の仕事を行なっています。重症な方の状態が悪化すれば、他の方のナースコールが鳴っても、ナースコール越しに要件を伺って、緊急性がなければ、重症の方の対応がひと段落するまで、待っていただくことになります。数十分後になって伺い、平謝り。ということは日常茶飯事です。

多くの患者様は、「看護師さんたちが忙しいのはわかっているから。あっちのおばあちゃんが体調悪くなっちゃったんでしょ。そんな中ごめんね。」などとおっしゃってくださり、救われる思いで働いています。

子供に予防接種を受けさせて欲しい。というのは、アメリカならではだなと思いますが、日本でも予防接種は昔のように強制ではないものも多く、親の判断にゆだねられる部分も多くなりました。子供の予防接種や、大人も、健康診断や、ある程度の年齢になったら人間ドック等の予防や、早期発見のための行動をしていただきたい。というのが、私が患者に一番言いたいことかもしれません。

入院病棟で働いていると、どうしてこんな症状になる前に、外来に来てくれなかったのか。と思うことがとても多いです。変だなと思った時に、個人のクリニックでもどこでも良いから、医療機関を受診してくれればこんな状態になる前に対処できたのに。と。私にそんなこと思われなくても、入院された患者様自身が一番後悔されており、その姿を見るのは正直辛いものです。


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