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たくさんの動物たちが暮らすアドベンチャーワールドが、全員で未来の森づくりを行う理由〜戻り苗導入事例〜

和歌山県で「アドベンチャーワールド」を運営する株式会社アワーズ様(以下、アワーズ様)。この度、パーク開園45周年を記念して、スタッフ1人1人へ「MODRINAE」を贈られ、会社一丸となっての未来の森づくりをスタートされました。アワーズ様は「MODRINAE」以外にも、様々なサステナビリティへの取り組みを行われています。今回はソマノベース代表 奥川が、山本社長へ、「MODRINAE」導入の背景や、サステナビリティ推進にあたってのお考えを伺いました。

奥川:
サステナビリティに取り組むきっかけをお聞かせください。

山本社長:
サステナビリティに向けた取り組みは5年ほど前に開始しました。当時は、まだSDGsという言葉も浸透していない時代。

まずは情報を集め、勉強をしながら取り組みを考えていたのですが、アワーズが目指す「笑顔が溢れる明るい豊かな社会」を実現するためには、社会そのものが持続可能であることが必要だと感じました。

目標の途中にサステナビリティがあるだけ。それならば、経営の軸に据えてしまおう。そう思い、活動としてではなく、会社の事業として継続的な取り組みを決めました。

この地球には、美しい自然や豊かな環境があり、さまざまな生き物が暮らし、そして多様な人々が生活しています。私たちアワーズは、「こころでときを創るSmileカンパニー」の理念のもとにSDGsが目指すWell-being(よりよく生きる)を世界中の仲間たちとともに追求し、Smile(=しあわせ)が溢れる明るい豊かな社会を創造していきます。そして、私たちのSmileが動物、自然、関わるすべての人々、社会、未来へと循環し、この地球に生きるだれもが輝く存在(キラボシ)となれるよう、太陽のような存在であり続けます。私たちはこれからも、世代を超え、知恵を紡ぎ、手を取り合い、あらゆる生命の多様性・持続性に満ちた循環型社会を創り、100年先の未来へ向かって、Smileを贈り継いでいきます。

株式会社アワーズ SDGs宣言

奥川:
スタッフの皆様の反応はどのようなものだったのでしょうか。

山本社長:
私たちが運営する「アドベンチャーワールド」は、たくさんの動物たちが暮らすテーマパークです。そのため、動物や自然が好きで、環境へ興味関心を抱くスタッフが多くいます。そのため、あまり違和感や反発は大きくなかったように思います。

また、会社は自己実現の場でもあるので、スタッフ1人1人の「やりたい」という気持ちを大事にしていきたいと考えています。その気持ちと、サステナビリティへの取り組みを重ねていくために、SDGsを自分ごと化するためのワークショップなども取り入れて、みんなで一緒に考えることを大事にしています。

アワーズ様が実施されているパンダバンブープロジェクト

奥川:
45周年の記念式典の際、私が講演させていただいた後、スタッフのみなさんから色々なアイディアを頂戴してびっくりしたことを思い出しました。その重なりの結果なのですね。

山本社長:
そうですね。今もスタッフ主導で様々な取り組みが生まれています。そのような動きは加速していきたいですし、より根本的な課題を解決できるよう発展させていきたいと思っています。

奥川:
サステナビリティの取り組みを加速・発展させる中で何か意識されていることはありますか?

山本社長:
よく「SDGsウォッシュ」という言葉を耳にします。

SDGsウォッシュ(SDGsウォッシング)とは、国連が定める17の持続可能な開発目標(SDGs)に取り組んでいるように見えて、実態が伴っていないビジネスのことを揶揄する言葉。実際はそうでないにも関わらず、広告などで環境に良いように思いこませる「グリーンウォッシュ」が元になっている。

IDEAS FOR GOOD「SDGsウォッシュとは・意味」

もちろん実態が伴うことは重要ですが、手探りで取り組みが進むケースがあるのも事実です。私は「何もわからないからウォッシュでもいいからやろう」という気持ちを持つようにしています。

何より大切なのはやりたいという想い。その上で、なぜ必要なのか・何が求められているのか等を考えることが大事だと思っています。

森林課題においても、ぱっと見は緑が豊かで課題がないように見えます。でも、学びながら取り組みを進めるとそうではないと気付かされます。森に足を運べば放置された山林や、ひょろっと細長い樹木が目に入るようになるものです。

とにかくやってみる、その上でより本質に近づけて根本課題の解決ができるようアップデートしていければと考えています。

奥川:
アワーズさんのサステナビリティの取り組みがまとまった冊子をみてびっくりしました。本当にたくさんの取り組みがありますよね。

山本社長:
そうですね。これだけ「やってみる」ことが増えていることは誇らしいことだと思っています。

一方で、1つ1つが根本解決につながるものでは無い点には課題を感じています。目の前の課題解決ももちろん必要ですが、世界の未来に繋げていくことも重要です。そのためには自分たちの力だけでどうにかするのではなく、仕組み化することも視野に入れて発展させていこうと思います。

奥川:
続いて「MODRINAE」について、お伺いします。参加を決めていただいた背景はどのようなところにあったのでしょうか。

山本社長:
パーク開園45周年を記念して、スタッフに贈るものを考えていました。

「みんなが喜んでくれるものってなんだろう...」と悩む中で、ふと「みんなで1つのことに取り組めたらいいな」と思いつきました。ものではなく、アクションを贈ろうと。

その時に、「MODRINAE」と繋がったんです。元々奥川さんのことも戻り苗のことも知っていたので、「これだ」と思い参加に向けて準備をはじめました。

動物と名前が彫刻されたオリジナルの木鉢

奥川:
お話をいただいた時、とっても嬉しく思いました。アドベンチャーワールドは私たちからしても馴染みのあるテーマパーク。同じ和歌山という地で、未来の森づくりができることはとても心強く感じています。

山本社長:
そうですね。また、「未来のために今アクションする」という点も共感したポイントでした。

私たちは「未来のSmile創造企業」を目指しています。戻り苗は、まず2年後植林をして、その後山で育ち立派な樹木になるのが20年後...さらにもっと先かもしれないですよね。そんな風に未来に繋がるアクションを今とれること、そこに大きな価値を感じています。

100年後に生きる子供達に「100年前の大人たちは何をしていたんだ」ではなく、「100年前の大人が頑張ってくれたおかげで今がある」と思って欲しいですからね。そんなかっこいい大人でいたい、戻り苗はそのための1つのアクションだと考えています。

さらにスタッフとともに皆でそのアクションをとれるので、より大きなエネルギーになりますね。

スタッフ様からは、戻り苗を通した森づくりを楽しむ声も。

奥川:
少し視点を変えて、未来についてお話しさせてください。アワーズ様が描いている未来図はどのようなところになるのでしょうか。

山本社長:
私たちは、2030年までに社会課題を解決する会社に転換させることを目指しています。

奥川:
これまでの話から、アワーズ様は「動物園を運営している会社」ではなく「社会課題を解決していく会社」を目指されていると感じました。

山本社長:
そうあるべきだと思っています。

ビジネスは、身近な人を幸せにすることから始まります。昔は「身近」な範囲が村や町でした。それが今では、もっと大きな範囲が「身近」になっています。だからこそ、世界の課題を解決できる会社になっていきたいと思っています。

そのためには、グローバル視点で物事を捉えることに加えて、自分自身の価値観で考えすぎないことも欠かせません。

自分自身の価値観で考えたら「大丈夫」と思ってしまうことも、次の世代から考えたらそうは思わないかもしれない。先にお話ししたように、100年後を見据えて今何をやるかを考え続けたいです。

奥川:
私たちも、戻り苗の仕組みを一箇所ではなく全国各地の課題解決に繋げていきたいと思っています。そのモデルケースとしても、ぜひアワーズさんとの取り組みを拡大していきたいです。戻り苗を活用した今後の発展として、すでにお考えいただいていることはありますか?

山本社長:
今はスタッフとともに未来の森づくりを進めていますが、パークのお客様とも取り組みを進めていきたいですね。そうすることで、関係人口も増えます。

パーク内は自然も多く、もっと緑化を進めていきたいところなので、その観点でご一緒できることがあったら嬉しいです。

贈呈されたMODRINAEとスタッフさん

奥川:
パークの中に小さな森をつくって育てる...なんてどうでしょう?笑

山本社長:
そんなことできるのですか笑

奥川:
苗木を植えて小さな山を作ることもできそうですが、プランターで苗木を育ててパークのお客様と一緒に山に植えにいく...なんてことができたらいいなと思いました。

山本社長:
そうですね。ぜひ作戦会議をしましょう!

奥川:
本日はお時間いただきありがとうございました。今後のお取り組みの発展が楽しみです...!引き続きよろしくお願いします。



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