私的ジャズ論:オーディオフォーマット聴き比べ<その1>フォーマットの種類
みなさん、お元気ですか?前回お話した通り、今回からオーディオフォーマットの違いについて記事にしたいなと思っています。
オーディオフォーマットとして現在流通しているのは、大きく分けてレコードとCDになります。昔はこれにカセットテープとMDもありました。この中で特にCDにおいて最近いくつかのフォーマットが出てきています。一方で、ブームもあるとは思いますがアナログ盤(レコードのこと)も音が良いと支持を得て多数再発されている今日この頃。一体どれが良いのかよくわからない。しかも、名盤と呼ばれるような作品は再発の連続で複数フォーマットが乱立してる状態。じゃぁ、一度聴き比べてみましょうというのが今回の記事の趣旨です。
聴き比べる作品はジョン・コルトレーンの名作の一つ「ブルー・トレイン」です。私はこの作品が大好きで、ジャズの聴き初めでまだあまり理解できていなかった頃から「お、これはいいかも?」と思った思い出の作品でもあります。もちろんジャズ作品の中でも大名盤。レコードコレクターズのベスト100でも2位の作品です。
CDショップ(やウェブ)で再発が目に留まるたびに購入し、今手元に4種類の媒体があります。今回はこれを聴き比べます。
まずレコードですが、いわゆるファーストプレスではなく、年代物の中古でもありません。最近再発された新品のアナログ盤です(タワレコ渋谷店で買った気がします)。なので、ジャズのアナログマニア諸氏からすればそもそも比較することは邪道なのかもしれませんが、個人的にそこまでアナログ盤に心酔しているわけでもないので、お許しいただきたく。アナログで聴くとどんな感じかな、ぐらいの気持ちで買ったものです。
CDですが、3種類あります。
まず、ブルーノート創立時からのサウンドエンジニアであるルディ・ヴァン・ゲルター(RVG)自身がリマスターした24bit盤です。これはブルーノートが60周年当時、たくさんのアルバムが紙ジャケでリイシュー(再発売)された時の1枚です。当時はそんなにジャズを知っていたわけでもないのですが、紙ジャケがまだ新しかったこともあり、何枚か買って聴いてみようということでCDショップで手に入れたと思います。ちなみにブルーノートは今年85周年なので、25年前の媒体です(歳は取りたくないものです笑)。
24bitというのはそれまでのCDが16bitで記録していた所を8bit多い情報を記録したもの。8bitとは2の8乗なので、256倍の細かさで音を記録できるということ(らしい)。よりきめ細かな音の諧調や色彩を期待できるはずです。いわゆる「ハイレゾ」と同じ情報量がこれです。
2つめのCDの「UHQ」はUltimate Hi Qualityの略です。原盤の音を正確にCDプレーヤーに読み取らせることで良い音を再生することに特化している、いわばハードウェア(CD媒体)側の工夫です。UHQはHQよりも(光の)反射率が高くより正確に音を読み取ることが可能だそうです。
CDの帯を読んでみますと、このCDに収められている音は音の詩人と呼ばれるプロデューサーのジョン・ハーレイ監修のもと、ケヴィン・グレイ(KG)がリマスターしたものだそう(私はどちらも知りません。ちなみに2022年のリマスター)。あと、CDは2枚組なのですが、2枚目の方には別テイク7曲(うち完全未発表4曲)が収められています。
最後のタワレコ企画のCDに行きます。こちらSuper Audio CDと言うフォーマットで、再生の際にSA-CD対応のCDプレーヤーが必要です。ただし、CDの情報量が多く通常のCD層もある2層構造なので、一般的なCDプレーヤーでも聴くことができます。が、その場合はSA-CDフォーマットの音源ではありません。
Super Audio CDは、そもそもアナログ音源(当時のマスターテープ)からデジタルにサンプリング(再記録)する周波数が2.8224MHzで、一般的なアナログからデジタルへのサンプリング周波数が44.1KHzだそうなので(理論的には64倍)、かなりの細かさ(音の諧調がその分なめらか)で記録されていますし(Direct Stream Digitalという技術だそう)、ダイナミックレンジも従来の96dBから120dB以上とかなり広い音域再生が可能らしいです。
こちらは2024年のリマスター盤になっています。ただし、2022年版のようなケヴィン・グレイがリマスターしたとはどこにも書いていない。「ルディ・ヴァン・ゲルターの音を再現」とは謳っていますが、どうなんでしょうか?(ルディは2016年に没)ちなみに、この12月にいくつか発売が予定されているブルーノートのSA-CD盤企画ですが(そちらはタワレコ企画ではない)、ウェブサイトで確認するとケヴィン・グレイがリマスターと書いてあります。この作品も本当はケヴィン・グレイがリマスターなんだけど契約など大人の事情でそうは書けなかったということなのかもしれません(が実際のところはわかりません)。
ちょっとまとめます。
再生環境はオーディオマニアの方から見れば大したことがないはずなんですが、それでも一般的に見たらそこそこ良いものを揃えています(道楽で一式そろえました)。
これで違いが分からなければ、普通のオーディオセットや小型の再生機ではもっと違いがわからないということではないかと思われます。1つお伝えしますと個人的にヘッドホンで聴くのは好きではないので今回も確かめませんが、ヘッドホンで聴いた方が違いが分かりやすい可能性はあるかもしれません(ヘッドホン性能の話が出てきてしまうかもですが)。
次回この組み合わせで「聴き比べ」やります。
では、また次回お会いしましょう!
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