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入院1日目

卵巣嚢腫の発覚とMRI検査の話は以下の記事で読めます。

とうとうこの日が来てしまった。そんな気持ちで私は家を出て、重いスーツケースを引きながら歩く。お母さんも一緒に来てくれている。そして、お昼の時間帯に病院に到着した。

最初、受付の看護師さんに個室と大部屋どちらが希望ですかと聞かれた。婦人科なので、急に妊婦さんが運ばれてくることがあり、部屋を選ぶことができないと説明されていたので、何も決めていなかった。個室は有料で1日2万円だ。お母さんの様子を伺ってみる。個室がいいと言うとちょっと嫌そうな顔をしたが、自分のお金で払えばいいんじゃないと言われた。それで個室を選んだ。社会人二年目になって、すでにお金にゆとりが出てきたから自分で好きなように選べることが嬉しい。

看護師さんに病院を案内される。談話室、自動販売機、シャワールーム。そして、部屋に案内された。すごく綺麗でホテルのような部屋だった。お母さんが入院してた頃の○○病院はまだ古かったようで、感動して
「ベッドのマットレスもいい素材だわね」
と話している。部屋の中にトイレもあり、テレビもついていた。これがナースコールかとまじまじと眺めた。お母さんと一緒に部屋の写真をとって楽しんだ。

看護師さんから入院時の説明を受ける。夜9時以降は禁飲食、ということは飲み物飲んでもダメなのか〜とか話した。
そして、署名を書く紙を見てお母さんがあることに気づいた。
「あら、入院日程が違っていますね」
腫瘍が大きいため腹腔鏡補助手術というものになること、そして、通常の腹腔鏡は5日だが、腹腔鏡補助は7日と説明されていた。紙には5日後の日程が書かれていた。看護師さんから先生に確認してもらうことになり、看護師さんは部屋を出て行った。

お母さんがジャスミン茶を何本か差し入れてくれた。明日の手術前にお母さんが来てくれることになり、それじゃ明日ねと帰って行った。私は最近インスタを始めたので、部屋の中のいろんな写真をとってみた。こうやってちょっとでも入院を楽しいものにしようと考えたのだ。

シャワーを浴びた後、部屋でくつろいでいると、病院食が来た。お母さんが料亭の味と言っていた病院食はいかほどに。目の前に置かれたのは和食だった。料亭の味かは料亭に行ったことがないのでわからないが、確かにおいしい。

今日の予定を確認すると21時にグリセリン浣腸と書いてある。浣腸ってお尻に手入れられるやつかと思っていた。そして21時に看護師さんが入ってくる。何も説明されずに、お尻に液体を流され、
「すぐにトイレ行きたくなると思うけど我慢してください。5分耐えてください。すぐにトイレ行くと浣腸液が流れるだけになってしまうので。」
何を言っているのか理解できなかったが、すぐにわかってきた。お腹がぐるぐる言い出したのだ。これを5分も我慢しろと言うのか。限界が来たので2分くらいで、トイレに駆け込んだ。下痢してる時と同じ状態になった。

トイレから出てきて、ナースコールで2分でトイレ行ってしまった旨を伝えると、それで大丈夫ですと答えが返ってきた。自分の想像していた浣腸とは違っていたので、びっくりしたが、とりあえず大丈夫なようだ。調べたところ下剤をお腹に入れているということがわかり、納得した。

そのまま布団に入り、やっぱり個室は快適だなと思いながらぐっすりと寝た。


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