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入院するまでの話 【病気発覚編】

私は5ヶ月くらい右下腹部の痛みを放置していた。もちろん、すでに「右下腹部 痛み」でスマホで検索済みだ。そうすると、盲腸などが一番上にヒットするが私はなんとなく原因がわかっていた。卵巣である。母、母方のおばあちゃん、父方のおばあちゃん、みんな婦人科系の病気を経験している。私もそうじゃないかとなんとなく悪い予感がしていたのだ。それに、右下腹部の位置的にも卵巣がありそうな場所だ。私は婦人科に通っていたので、今度行った時に聞いてみるかと思った。

そして、今年の4月、ようやく婦人科で痛みがあることを先生に打ち明けた。先生にじゃあエコーとってみます?と軽い感じで言われたので、「あ、はい」みたいな感じで検査台へ。エコーの画像を先生が見ながら、
「卵巣が腫れてますね。右側が5cmくらいで水が溜まっていて、左側が奇形腫みたいですね」
やっぱり卵巣に問題あったか。しかも両方問題があるのか。次に血液検査。看護師さんに手術しそうですかと聞いたら、それは検査の結果次第ですねみたいな答えだった。スマホで調べると卵巣嚢腫というものが出てきた。つまり、卵巣の良性の腫瘍である。中に水や脂肪が入っていたりする。奇形腫というのは髪の毛や歯や軟骨が入っているタイプで、原因はわかっていないんだとか。そんなものが卵巣の中にできることがあるのかと驚いた。

家に帰って有識者であるお母さんに報告した。お母さんが経験した病気は卵巣嚢腫の中でもチョコレート嚢胞というタイプで子宮内膜症に分類され、卵巣嚢腫の中で一番厄介なタイプである。チョコレート嚢胞を治すのに3回手術しており、お母さんはかなり苦労していたのだった。お母さんとエコーの画像を見ながら、議論した。右の卵巣は黒い画像だから、水で合ってそうだ。左の卵巣はよく見えないからなんだろう。卵巣がんの確率はかなり低いとされているらしいが、癌だったらどうしようと私が言うと、画像的にもそれはないんじゃないかとお母さんが答える。そしたら問題はチョコレート嚢胞かどうかになる。そうじゃないことを願った。

一週間後、病院で検査の結果を聞きに行った。チョコレート嚢胞かどうかがはっきりすることを期待して行った。お医者さんの第一声は
「まさかのことでしたね」と。
その後説明してくれたが、MRI検査とるまでわからないの一点張りではっきりとは教えてくれなかった。期待していたことが聞けなくて残念だった。「我々でMRIとることもできますが、手術はできません。別の病院でまとめてMRI検査と手術したほうがいいでしょう。どこの病院にしますか、もしなければ、私の方で近くの病院の紹介状書きます」
と言われた。とりあえず、お母さんが入院したことある有名なT病院にしとくのが無難かと思い、そこにしようと決めた。

家に帰ってきてから、また検査結果をお母さんと議論した。
あれやこれや話していたところ、お母さんはあることに気づいた。
「腫瘍マーカーを見ると、チョコレート嚢胞の可能性は低そうだよ」
調べると確かにそうだった。そこで少し希望が持てた。

もっと早くMRI検査したいと思っていろいろ調べていたところ、お母さんが思い出したのだ。お母さんは昔、内膜症協会から○○病院を紹介されて、そこで手術をした。○○病院はT病院から先生が派遣されており、いい先生がいるらしい。お母さんはT病院から派遣されていたゴッドハンドの先生に手術してもらったそうだ。そこの病院なら大学病院ではないから、検査や手術がスムーズに行える。また、T病院のような大学病院では手術する先生を病院側がランダムに決めてしまうが、○○病院ならある程度先生を指定することができる。そして母はこういった。
「○○病院の病院食が料亭の味だったわ」
この一言で私は○○病院にすることを決心したのだ。


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