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黄門ちゃいまの世直し旅/第9話[神回?未来へとつなぐ贈り物]

ナレーター/御老公一行は、コンビニトイレから二郎君の家にまっしぐら、そして、二郎君が慌てて母に声をかけた。

二郎/ママー、ママー!居るー?ママー!
母/なによー、そんなに慌てた声で、何かあるの
       ー

ナレーター/慌てて声をかける二郎君、ママの声はドアを挟んで音量が半分になっています。どうやら、ママはトイレから返事をしているようで……
ご隠居さん、またもやピンチ、二重苦を背負ってしまったようだ。
こんな時に限って重なるのよねー、
人生って〜え…ええ不思議~なものでぇ~すね~~
美空ひばりの愛燦燦のメロディーに乗って……
冗談はさておき…

母/ママは今トイレよ~、何かようなの~
二郎/ママー、早く出ておじいちゃんにトイレ貸
          してあげてー
母/はいはい今出るからねー
二郎/おじいちゃん、こっちこっち

ナレーター/ママは、トイレから出た瞬間、御老公一行を直視、一瞬身動きが取れず、目が点になりました。口もどことなく力が抜けポカーンと開き、間をおいて出てきた言葉が心なしか、ゆっくりめの[どうぞ]のひと言。
御老公は母と玄関口で目を合わせ、有り難き幸せにございますと声をかけ、二郎くんの招きでトイレに入ります。
……っと何やら困っている御老公、落ち着きの無いセリフ、余裕などあるはずも無い。[わかっております御老公、早くしたいのですね]

ご隠居/ぅん~これが未来の厠(かわや)の姿なの
              ですか、ぅ~二郎君どこにうんちをぅ
              ん~、すれば良いのですか、はぅ~

二郎/ここに座って、うんちすればいいよ、それ
          で、このボタンを押せばお湯でおしりを
          洗って貰えるよ、それでこの紙でおしり
          を拭けば、おしまい
ご隠居/かたじけない二郎君、心配なのでそばに
              居てくれまいか

ナレーター/さすがの御老公も、どうして良いのやら、見る物が斬新過ぎて不安がつのります。
江戸のぼっとん便所から考えると飛び級ものの存在感、目がくらむぐらいでございます。

二郎君/いいよ
ご隠居/かたじけない

ナレーター/御老公、人生で1番照れくさくもあり恥ずかしい、ひと時の始まりでございます。
むりもない事と察しえます。
そして、御老公、排泄の最中の様子は割愛割愛南無阿弥陀仏……失礼

ナレーター/時は数分たち……ここまで来れば御老公も落ち着いた様子…

ナレーター/そして御老公、ひと通り用を済まし、日本発祥の大発明、ウォシュレットへ向けていざ出陣となります。

ご隠居/二郎君、お湯で洗うとやらを試したいの
             じゃが…
二郎/おっけー
二郎/行くよ
ご隠居/うっ

ナレーター/流石の御老公、日本で初めてラーメンを食べただけの事はありまする(鎌倉時代にはもう既に食べられていたみたい)好奇心旺盛この上ない。
そして、いよいよ御老公、至福の始まりでございます。
ここの描写は詳しく言いたい[個人的に…w]
 始まりますよ~皆んな~寄って~見て~買って~[買っては今のところ無いなw失礼しました]
本題に戻って…

御老公、何やら便器の奥から、動くのを感じます。そう、ノズルが少しの摩擦音を伴って、くくくぅーと出てくる音、この音おそらく初めて聞く音でございましょう。
御老公にとってはカラクリ人形でさえ最先端の技術であったはず、それがボタンひとつで自動で動き、さらに温水までとなると、
想像をはるかに超えているはず。
そして、最初の温水がそこに触れた瞬間、御老公、[ビクッ]っと、腰が浮き、それはまさに目の玉に爽快感MAXの疲れ目対応の目薬をポタリっと落とした瞬間に他ならない感覚でしょう。
さらに数秒後、温水の暖かさがじわりじわりと銀河の渦が外へ外へと広がるがごとく、周囲に広がっていく感覚がまさに黄門様の初体験![よー上手い]……っとお声が……いえいえいえいえ南無阿弥陀仏!
わたくし調子に乗って参りました。
そして、御老公の皮膚感覚は頂点へと登り詰めます。それはエベレストよりも高く、大気圏を抜けるがごとく[おーい息が出来ないぞー]失礼致しました。御老公様きっと心の中で[江戸時代には帰りたくないー]っと思っているに[絶対絶対]違いありません。
そして御老公最後に何食わぬ顔でひと言[極楽浄土とはこの事ですな…]これぞ天下の副将軍!
発する言葉も副将軍!
あーしんど(わたくしの小声でございます)
話は元にもどりまして……

二郎/おじいちゃん、この紙で拭いてねー
ご隠居/はい

ナレーター/またもや御老公、味わったことの無い紙の感触に出くわします。江戸時代には竹べらか布か濡れた手でしか拭いていないはず。[黄門様は手では拭かない…ごもっとも]
さすればこの柔らかいトイレットペーパーは貴重品そのもの、御老公なら1巻1両支払っても構わないと思うやもしれません。
御老公、ここでも極楽浄土入り確定でございます。
御老公、有り難き(ありがたき)を唱え、トイレから出るのであった。

続いて助さんも、トイレタイム!ここは割愛失礼!

二郎/おじいちゃんたち、ここで休んでて

ナレーター/二郎君が居間に案内するとひとまず御一行は3人揃って正座をするのでした。
すると家の奥から母の声が聞こえます。

母/二郎ーちょっと来てー話があるの
二郎/なにー
母/いいからー来てー
二郎/はいー

ナレーター/何やら母と二郎君、奥の部屋に入り、コソコソ話を始めた模様。

母/二郎、なによあの人たち、おかしな格好し    
                て、仮装大会にでも出るつもり、ど
                こで知り合ったの、もう嫌だわー、
                ちょっと休んだら帰ってもらいます  
                からね、いいわね!
二郎/ママ、信じてよ、あの人たち悪い人じゃ無
            いよ、車に轢かれそうになった時、助
            けてくれたんだ。話を聞いてよー
母/えっ車に轢かれそうになったの、もう嫌だわ
        気をつけてよー、それだったらお礼くらい  
        はしなくっちゃだけど……
二郎/あの人たちの話、聞いてくれる?僕のお願
          いも聞いてくれる
母/はい・はい、分かりました。でも少しだけ
       よ、用が済めばすぐに帰ってもらいますか
        らね!
母/とりあえず、居間でお話しましょう

ナレーター/居間では二郎君と御老公と格さん    
                    助さんが神妙な面持ちで待ってい
                    ます。そこへお茶の準備をし終え  
                    た母がやって参りました。
母/お茶をどうぞ…

ご隠居/母上殿、トイレ拝借有り難きご好意感謝
             致します。
母/いえいえ、困り事はお互い様ですから、

ナレーター/母は御老公の丁寧な言葉に戸惑って
                   しまったようである。
母/こちらからもお礼を言わないと…息子が車に
       轢かれそうになったところを助けてもらっ
       てありがとうございます
御老公/いえいえ、隣にいます、助さんがとっさ
              に行ったこと、お礼など恐縮至極、身
              に余るお言葉でございます。そうです
              な助さん
助/お言葉の通りでございます

母/ところでどうして、そのような格好をしてる
        のですか?
ご隠居/これには、深く事情があり申して……
二郎/ママー、聞いて、絶対に怒らないで聞いて      
           お願いだから…ね
母/はい・はい、分かりました
二郎/実はね、この人たち過去から来たんだ
母/えっなに言ってんのよ、過去から来れる訳な
        いじゃないの
二郎/だから信じてって言ってるんだよ
母/信じれるはずないでしょ
ご隠居/そうですな、私共の姿を見ては、ごもっ
             ともなお気持ち、異を唱える事もでき
             ますまい、何しろ私どもにて信じてお
             らぬのですから……

ご隠居/二郎君、もうこれ以上母上にご迷惑をか
             ける訳にはいきませぬ、
             私達はこれでお暇(いとま)しましょう
             か
母/そうですね、あなた方には恨みはないです
       が、見ず知らずの方で、訳の分からない事
       を言い出す始末、私もどうしていいやら分
       かりませんので……
ご隠居/助さん、格さん、参りましょうか

二郎/ママー、聞いてよー、ママー 

ナレーター/二郎君は何度も何度も泣きながら、ママに訴えかけます

二郎/この人たち、泊まる所も無いんだよー
          ママー、この人たちこれからどうしたら
           いいんだよーママー

ナレーター/何度も何度も、二郎君は泣きなが
                   ら、叫んでいます

ご隠居/さぁー、助さん・格さん、参りましょう    
              二郎君、二郎君には感謝しきりません
              な、ありがとう

出て行く御老公(イメージ)


ナレーター/二郎君は御老公が発した、ありがとうの言葉にチラッと振り向き、そしてママに目線を合わせ…

二郎/ママー、この人は水戸の御老公さんなん
           だよー[泣きながら]
           知ってるでしょー、ねー、パパが好きだ
           った、あの時代劇の御老公さんなんだよ
            ー[泣きながら
母/なに馬鹿な事、言ってるんですか
二郎/ママのばかー

ナレーター/御老公一行は玄関を出て[とぼとぼ]
                   と寂しげな足音を鳴らし歩き出し
                   ました。
二郎/待ってー、おじいちゃん、

ナレーター/二郎君は嗚咽(おえつ)が癒えないまま、残念さと無念さを涙に染み込ませ、肩を落とし、申し訳なさしげに、こう言いました。
……おじいちゃんごめんね、ママはきっと信じてくれると思ったんだ……
でも…でも……

御老公がその言葉に応えました。
………ママはキット信じれる人ですよ………
………二郎君のママじゃないですか………
………私は二郎君を信じてますよ………
………こうして私たちが今、二郎君の家に居ない事が信用に値するママと思いませぬか………
きっとママは、二郎君の事をしっかり守ってくれますよ、そして、そんな母をしっかり守って行くのがこれからの二郎君の役目ですぞ………

二郎/おじいちゃん、ありがとう[泣きながら]

ご隠居/ここでお別れにしましょうか

二郎/そうだね[クスン]

ご隠居/もう、元気を出しましょうぞ、
二郎/はい

ご隠居/そうじゃ、二郎君とは何かの縁、助さ
              ん、あれを……これは私どもが作った
              手拭い(てぬぐい)じゃ、思い出にしな
              されよ



二郎/わぁー、すげーこれ、綺麗、ありがとう、
    おじいちゃんー

ご隠居/それでは…の
格さん/達者でな……
助さん/元気でな……

二郎/元気でねーさようならー

ナレーター/御老公一行は、こうして新たな旅に出るのであった……が……

二郎/ただいまーママー
母/おかえりー
母/二郎?その手拭いどうしたの…
二郎/あっこれ、おじいちゃんにもらったの
母/ちょっと見してくれる…
母/これ、どこかで見たような?

ナレーター/母はいったい、何を思ったのか、何を感じたのか……続きが気になるところで今日はおしまい……

続く……


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