新人ディレクター向け「何がわからないかがわからない」を突破するAI独学法
TAMという制作会社で働いているディレクターの中村です。
5月から就職される新しいディレクターさんのお世話係になったので、何を伝えるのが良いかを考えてみた結果「独学方法」なのでは?と思いメモを書いてみました。
口語文になっていないので、少しだけ読みずらい部分もあると思いますが、どなたかの参考になればと思い公開してみます。
それでは早速
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ディレクターとしてはじめに学ぶべきは「AI」との独学法
ディレクターとして、押さえておかなくてはいけない知識はある
一方で、技術や道具の進歩はどんどん早くなるし、それらによって仕事の仕方は柔軟になり、扱う知識も広くなってる気がしている
研修として、枯れた知識を学ぶことももちろん大切だけど、「必要な時に必要な分だけさっと学び、それを仕事に活かせること」が大切だと思う
その点、AIは独学にめちゃくちゃ役に立つ
僕自身、ここ1年くらいで
地図APIを活用した位置検索
ブラウザでフラグ管理を行うゲーム
ベクトル検索を活用した検索システム
ARを活用した、空間シミュレーションWEBアプリ
など、これまで経験のない企画やプロジェクトを進めてきた
それらは全てAIを使って独学した
これからWebの業界で働く上で、AIと独学出来るか出来ないかで多く差が開く気がしている
この記事では、現状僕が行っているAIとの独学方法を、具体例を交えながら紹介してみる
独学がうまく進まない時は「どのように検索すれば良いかわからない」時
独学が上手い人に、「どうやってそんなに勉強しているのですか?」と聞くと、「Googleで検索したらなんでもあるんだから調べればいいじゃん」と言われた事がある
でも、その度に「いや、なんて検査すれば良いかわからないから困ってんじゃん」って心の中で思ってたし、同じように思ってる人も多いと思う
「わからない」にはおそらく2種類ある
何がわかっていないか自体がわかっていない状態
何がわかっていないかはわかっている状態
おなじ「わからない」でも、それぞれ違う状態を指している気がしている
2の状態になればは「あとは検索すればいいじゃん」となるが、1の場合は「いやそもそも何て検索すればいいんや?」ってなる
例えば、多くの人にとっては夜ご飯の作り方は2で、レシピ調べればできるやんって思えるけど、ノーベル化学賞を受賞するための論文の書き方については1で、何から始めたらいいんや?状態な気がする
そこで、独学する上でまずやるべきことは「わかっていないことは何か」を知ること
で、ここにAIが大活躍する
AIを使えば「自分が”何がわからないか”を知ることができる」
「何がわかっていないかを知る」
これは、検索方法がGoogleしかなかった時は難しかった
なぜなら、「知らないことは検索できない」から
そのため、僕の場合は詳しそうな先輩に話を聞くか、たまたま良い本に出会うか、無作為に勉強してたどり着くしかなかった
でも、AIをうまく使うとこれを突破することができる
具体的に紹介してみる
「Chatbotを作りたい」をお題に考えてみる
結論を先に伝えると
・学習のゴール
・AIと自分の知識スコープ
の設定を行ったうえで、AIに「僕の知らないそうな事を教えてと」聞く
これで、「自分がわかっていないこと」を知ることができる
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イマイチピンと来ないと思うので、具体例を通じて考えてみる
例えば、「AIを活用したChatbotを作りたい」とする
今回は Perplexity 先生と考えてみるので、読んでいる方もぜひ開いてやってみて欲しい
(以下をコピペでもいいし、自分の知りたい事にスライドして使ってもOK)
まずはこんな感じで
・AIの知識範囲を「その分野のプロ」と指示して
・自分のレベルを伝えて
・ゴールを伝えて
・どのように進めるかの手順を伝える
とする
ここまでで既に結構めんどくさいけど、やるかやからないかで出力全然違うので、できるだけ詳しくやってみると良いと思う
別のエディターとか開いて文章書いて、その後にコピペするのがおすすめ(書きながら考えることになるので、できるだけまっさらなエディターを推す)
すると、こんな感じで帰ってくる
と指示が伝わったことを確認できる
次に、自分の知識レベルを具体的に伝える
「仮説」や「わからないこと」はできる限り出すと良いと思う
自分が何かをわからないときは「何がわからないかわからない」に加えて「前提が間違っているが、それに気がついていない」がある
仮説はそれを洗い出し、後ほど指摘・修正してもらうために明確にしておく作業
今回は例なので適当に書きましたが(ダメやん)、めんどくさくても、ここで出せば出すほど最終的な出力の精度を上げることができる
こんな感じで
自分が誤って理解していた知識
疑問点の回答
知らなかったけど、ゴール達成のために学習すべき知識
が返ってくる
具体的には、自分がChatbotを作る際に理解しておくべきこととして「自然言語処理(NLP)」や「API」について学ぶと良さそうということがわかった
はたまた既存サービスから始めると良さそう的なことも書いていたので、それを1つ使ってみるのも良いかも?
最後は学習計画について考えてもらった
すると、指示したフォーマットで学習計画を提案してくれた
・・・
今回はChatbotの作り方で考えてやってみましたが、他にも応用できると思う
ポイントは「めんどくさがらずにしっかり書く、書き込む」こと
良い出力は、良い入力からしか出ないし、しっかり言語化する事が大切で、案外その作業を行う過程で、自分で解決したりすることもある
思考の整理という意味でもしっかりやる事をオススメしたい
図解で説明
重ね重ねになるが、AIを上手く使うと「何がわかっていないかを明確にできる」
それを先ほどの例で、どのような考え方で明確にしてきたかを、今度は簡単な図で説明してみる
ポイントは以下
① 全ての知識のうち、AIに解答してほしい立場を明確にする
② 知識を持っていない自分の立場を明確にし、現状自分が持っている前提を明確にする
③ AI側から見て、自分が不足していそうなポイントを指摘してもらう
何かがわかるということは、「わかるための知識を持っている」から
つまりMEの範囲のことは「わかる(厳密には仮説が立ってシミュレーションできる)」けど、MEの外側のことは「わからない」
高級フレンチを食べて、作り方や素材、調味料の仮説が立てられるのは、その人に知識や経験があるから。(ちなみに僕は「うま!なにこれ!?うま!」で終わると思う)
同様にChatbotの作り方がわからないのは「AIのエリアの知識が不足しているから」
その自分の外側の膨大な知識に対して「AIに〇〇の専門家になって」と伝えることで、意図的に柵を立て、範囲を絞ることができる
その状態で
「私が知らなそうな事を教えて!」
と聞けば、自分が目的に達成するために必要な知識を、本来であれば難しい自分の知識の外側から得ることができる
独学は手段、やってみたいことをどんどんやってほしい
AI独学の良いところは、「何かをやってみたい」のハードルをぐんと下げたことだと思っている
これから一緒に働いていくディレクターとして、個々人の「やりたい」をどんどん形にしてお互い刺激し合える関係になれると嬉しい
冒頭にも書いたけど、日々道具は進化してる
ディレクターこれまで上手くいっていた方法は伝えることはできるかもしれないけど、それがこれからも上手くいくかはわからない(し、おそらく新しい方法がたくさん出てくる)
一緒に探求していけると嬉しい
ぜひ、一緒に楽しく仕事をしていきましょう〜
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追記1
と、長々と偉そうに独学方を書いてみましたのですが、僕もまだまだ勉強中ですので、
・「もっと良い方法あるよ!」
・「もう少し工夫すれば、もっと独学捗るよ!」
みたいなアドバイスがありましたら、ぜひXなどで絡んでいただけると嬉しいです!
追記2
プロンプトの雛形貼っておくので、もしよかったら使ってください!
🙋♂️ 初めに送るやつ
(いきなりAIツールに書き込まずに、別でエディター開いて書くことをオススメします)
🙋♂️次に送るやつ
(ここ、できるだけ詳しく書き出してみてください)
🙋♂️学習計画聞くやつ
(お好みで表の列は増やしてください)
追記3
第2弾記事も公開したので、もしよければぜひ!
こちらはAIに「先生」ではなく「優秀な後輩になってもらって、良い質問をしてもらう」というアプローチになってます!