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効く人には、効く薬

あの日私は
一筋の光が差したような希望と

気づかぬうちに深い樹海に入っていたような
不安と恐怖心が
一度に来たような感覚でした。

どんどん不調になっていく娘に 
不安を抱きながらも
「飲めば治ります」
「効かなかったから増やしましょう」
その言葉を飲み込んで

薬は病気を治してくれるものと
信じて無知だった私

学校が休みの日
仕事の昼休憩に家に戻り
眠り続ける娘をゆり起こして
薬の服用間隔がズレないよう必死でした。

身体を起こしても
目を閉じていく娘を抱きかかえながら
「なんでもいいから食べて!
薬をちゃんと飲んで!
飲まないと良くならないよ!」と

大好きなトマトと薬を
しんどそうな娘の口に
無理やり運んだこともありました。

その光景を
まるで姉も母も変わってしまったと
言っているような表情で
悲しそうに見ていた
次女の顔が今でも忘れられません。

そんな日の事を思い出しながら
心の中で嘆きました。

私は一体
何をしていたのだろう…

治ってほしい一心だったのに
ただただそれだけだったのに

効く人には効く薬
でも17歳には使いたくないと言う医師がいる薬

それは…娘が飲んでいる薬

どうしてあの時不安を深掘りせず
進んでしまったのだろう…

考えても堂々巡りの無限ループ

どれだけ考えても過去は変わらない 
どれだけ悔やんでも昨日はやり直せない
現実は歩く気力も奪うほど
私には厳しいものでした。

でも、私は歩くしかありません。
歩いていくには薬と向き合うしかないと
私は娘が服用しているすべての薬を
調べ始めました。

そして胃腸薬や風邪薬にはない 
『薬の抜き方』や聞いたことのない言葉を
たくさん知ることになるのです。
 


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