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新NISAを機に個人投資家の金融リテラシーが上がっているのかどうかは下落相場が来た時に判明する

日経平均が最高値更新をする中投資を始める人が増えているが、それは金融リテラシーが向上したことを意味するかは下落相場が訪れるまで分からないという記事

世界各国の国民性を表した『沈没船ジョーク』というものがある。
豪華客船が沈没しかかって脱出ボートの数が足りない中、船長は乗客を海に飛び込ませようと以下の言葉をかけると言うものだ。
(これ以外にも所説あり)

アメリカ人には「飛び込めばヒーローになれます」
イギリス人には「紳士なら飛び込むものです」
ドイツ人には「規則ですので飛び込んでください」
イタリア人には「飛び込んだらモテますよ」
日本人には「みなさん飛び込んでいますよ」

日本経済新聞の記事によればeMAXIS Slim全世界株式(通称オルカン)の1/9付け資金流入量が1,000億円を超え、昨年12月の月間流入量に匹敵したとのこと。

これは今年から始まった新NISAの影響だそうだ。オルカンは全世界の株式に分散投資する低コストのインデックスファンドであり、多くの評論家、FP、ブロガー、You Tuberが推奨する数少ない優良投資信託とされている。

そのオルカンに大量の資金流入。
このことは個人投資家の金融リテラシーの向上を意味しているのだろうか?

新NISAの積立枠では、手数料の高く取れる高リスクのレバレッジファンドやアクティブファンド、毎月分配の元本取り崩し型タコ足ファインドなどが認められていない。

そうなると、販売する金融機関やその広告宣伝を担うFPやマスコミにはオルカンのような商品を薦める以外の選択肢があまりない。

そのため手堅くリターンが得られるオルカンを薦めて、それを足掛かりに成長投資枠で上記のような高い手数料の商品を販売する戦略を取らざるを得ない。そこでまずはオルカンを薦めるのだ。
(参考までに以下は成長投資枠でアクティブファンドを薦めるFPの一例)

そんな状況から多くの投資初心者がオルカンを選択している可能性が高い。

TVや新聞、FPに著名なブロガー、You Tuberに加えて窓口で販売する銀行や証券会社も推奨しているのであれば、デジタル世代、アナログ世代関係なく買う人が増える。

みんな薦めてみんな買っている・・

冒頭のジョークのとおり「みんなやっている」「自分だけが取り残されたくない」の流れが出来上がって一丁あがり状態だ。

あたり前だが、オルカンもリスク商品であり、株式市場と為替リスクにさらされている。

それをどれだけの個人投資家が頭と身体で理解し覚悟しているか?

以下は全世界株式に投資するETFのVTの簡易チャート。オルカンとほぼ同じ動きだ。

長期は右肩あがりだが、設定後まもなく半値まで下がりコロナショックでは30%も急落シテイル。

「みんなが薦めて」「みんながやっている」から投資を始めた個人投資家はこの局面に耐えられるのだろうか?

「その時」が来た時は、画像の天使のように上空からウォッチして君に結果を伝えたい(天使が生暖かい目をしているように見えるのは気のせいか・・)

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