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君は不動産投資をしてみたいか?

このnoteは投資をテーマに書いているが、そのほとんどが投資信託やETFを含む株式などペーパーアセットについてだ。しかし自分の資産の半分弱は自宅を含む不動産である。

なので今回は不動産投資について伝えておこうと思う。とは言っても10棟200室とか家賃収入●千万とかの本気で取り組んでいる投資家のレベルにはほど遠いので「なんちゃって不動産投資」レベルだ。

不動産は投資というより事業に近い。

経費の考え方、減価償却、保険などの知識、確定申告などの手続きが必須にナル。給与収入だけだと縁のないこういった面倒なことをやると、サラリーマンがいかに世間知らずかよく分かる。

そういった面では非常に勉強になるしよい経験になる。社会人として成長するだろう。

ただ、自分の基本的な考えは以下の通りだ。

不動産投資は君自身が不動産業界あるいはその業界に関連した仕事をして知識・経験・人脈がある、また不動産が好きで好きで仕事にしても良いというのでなければ手を出さない方がヨイ。

ワンルームマンションの業者などが、さもお手軽にできる投資のようにセンデンしているが難易度の高い投資だと認識しておいてほしい。

理由は後述するが、その前に今回の記事では君の父親はなぜそんな不動産投資に手を出して資産を構築できたのかについて話しておく。

不動産で資産構築できたのは以下理由による。
① 運あるいはマグレ
② 仕事である程度業界の実情含め知識があった
③ ある特定の不動産相場に詳しかった

① 運あるいはマグレ
自分が不動産を購入したタイミングは今世紀の初めと東日本大震災の少し後のタイミングだった。

今世紀初めはバブルの不良債権処理の最終フェーズで日本の地価がバブル後の最安値の頃だ。東京都民憧れの港区表参道や白金のマンションは今の半分とか三割くらいのバーゲンプライスで売りに出され、それでも売れ残るような時代だった。

また、リーマンショックの余韻が残り東日本大震災で消費者心理が冷え込んでいた時期も全体として不動産が安い時期だった。

これは運以外のナニモノでもない。当時が最安値だなんて後で振り返ってみて分かることで、当時のマスコミは「不動産はまだ下がる」「マンションはオワコン」「分譲より賃貸」的なことを言っていたのだ。

不動産の価格変動は株価より長いスパンをかけて変化するのでタイミングを計るのは難しく、運による要素が大きいのだ。

② 業界と接点があり実情含め知識があった
自分のいる金融関係の仕事は不動産業界とは縁の深い業界である。不動産は高額のため取引には融資がつきものだからだが、おかげでこの業界が一般消費者の感覚とどれだけズレているかがよく分かった。

某公共放送で放送されていた「正直不動産」というドラマがあったが、あればフィクションでもなんでもない。不動産の世界は海千山千なのだ。

言い方を選ばずに言うと、(仕事抜きのプライベートは別にして)自分は(特に投資用)不動産業界は信用も信頼もしていない。それくらい用心しないとババを掴まされる世界だ。

宅地建物取引士やFPの資格をとって知識を習得し、実際の取引で経験を積み、業界のニンゲンと付き合うことでどんな人達なのかを知ることが出来て投資するための準備ができた。

これが知識も経験もないモノホンのトーシロ(本物の  素人)がいきなり首を突っ込んでいたら資産構築どころか資産も収入もマイナスになった可能性が高い。

要は価値以上の儲からない物件を掴まされるリスクが高いのだ。

③ ある特定の不動産相場に詳しかった
不動産投資と一口に言っても色々な方法がある。
ざっと挙げると
・新築ワンルームマンション投資
・中古ワンルームマンション投資
・築古戸建てを修繕しての投資
・一棟アパートやマンション、シェアハウス投資
・商業施設など住居以外への投資
・海外不動産への投資

などなど

これに対象地域やターゲット層、物件が木造かコンクリなのかなど組み合わせが無数にある。成功している投資家はたいてい自分の得意分野がある。得意分野でないとベテラン投資家でも思わぬ損を出すことがアル世界だ。

自分が投資したのは他の投資家があまり手を出さない領域だった。それはファミリー層向けの新築分譲マンションへの投資だ。

通常は自宅として購入する部屋を投資用として購入するものだ(長く売れ残ってイル部屋を狙う)

これは仕事柄マンションを見るのが好きだったからと言うのが大きい。いろいろなマンションを見て回り間取りや内装、つくりや機能をみて回るのが楽しかったのだ。

今でこそ値上がりを目的にした購入が問題になっている「晴海フラッグ」のようなニュースが話題だが、自分が購入した頃は「儲からない」「やってはいけない」投資方法と言われていた。

しかし自分は特定の地域の新築分譲マンションについて100件近く物件を見て相場に熟知していた。

賃貸や売却の採算ラインを自分なりに算出して物件を探した。そして見つけ出した物件をさらに価格交渉でディスカウントすることで貸しても売っても損しない物件を購入シタ。

もちろん購入するのには金融機関の融資が必要だったので自らの足で銀行をまわり金利を交渉して1%そこそこの金利で融資をしてもらった。

そして家賃を決めて賃貸不動産屋を自分でまわり借り手を紹介してもらうことも自分でやった。

自主管理だったので何か問題があると自分で調べて対応した(ほとんどなかったが)

退去の際の立会業者手配やクリーニングの手配や精算もやった。

結果として手に入れた物件は
表面利回りで8%以上、税金や管理費を引いた実質的な利回りは7%、10年間の入居率は100%

そして現在少なくとも3割以上は値上がりしている(自宅を貸した時の利回りはもう少し低いが値上がり率は200%だ)

さらっと書いたがネット証券でPCをポチってオルカンを購入するのに比べると数万倍の労力をかけている。あまり手のかからない新築マンション投資でさえ結構な手間がかかるノダ。

融資を受けることで自分の投資金額が少なくて済むこと以外は割に合わないし、好きで好奇心がないとなかなかハードルが高いと思う。

不動産投資である程度成功している人たちは多かれ少なかれ不動産が好きで頭と足を使い、何かしらの強みを持ってオリジナルの投資手法を組み立てている人が多い。

不動産投資のコラムやブログを見ていると簡単そうに書かれているが、多くの人はとてもクレバーでコミュニケーション力が高く行動力もあることが分かる。

新築ワンルームマンションのように物件も融資する銀行も利率も決まっていて、なんなら借り手の募集から入居まですべてお任せでサインとハンコを押すだけの投資は儲かることは少ない。

儲かるのは君の労力を肩代わりした業者と金融機関だけだ。

楽して儲けるのが投資と考えるニンゲンは株式の世界と同じくカモになる。

それでもどうしてもやりたいのであれば、次の記事を見て決めればよい。

ススメない理由を書いておいた。

※掲載する情報は投資勧誘を目的としたものではありません。株式などの金融商品や不動産の取引は損失を出す恐れがあります。

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