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【製造業勤務9年目】男性育休を3ヶ月間取得してみた
前書き
世間的に男性の育休取得率は低く、また製造業における取得率は他業界と比較しても少ない状況です。
身近に取得事例がなかったために育休取得に踏み出せず、後悔している男性社員も多いと思います。
私の実体験が少しでも皆様の参考になれば幸いです。
1.簡単に自己紹介
・製造業入社9年目(2015年4月入社)
・勤務形態:普通勤
・業務内容:機械部品設計、EA(エンタープライズアーキテクチャー)
・育休取得期間:3ヶ月間
・子どもの情報:
育休取得対象のこども:第3子の長女
育休取得時の年齢:生後1ヶ月〜4ヶ月
育休対象以外のこどもたち:長男:5歳(年長)、次男2歳
2.育休を取得しようと思ったきっかけ
・長男と次男だけでも育児はかなり大変な状況で、3人目が加わること(特に出産直後)に対策の必要性を感じていました。
・妻もフルタイムで勤務なのにもかかわらず、妻だけが長期で仕事を離脱しなければならないことに違和感がありました。
・男性育休取得推奨の潮流があることは認識していたが、我々の会社では前例ないとのことで取得の意向を会社に伝えるのは恐怖でした。
・育休を取得したことのある他の企業の同期や先輩方に話を伺い、メリットデメリットを整理した上で取得の決断をしました。
3.育休を取得してよかったこと
取得前後での意識の変化や、家族の反応など
・育休期間中は職場とは別の意味で目まぐるしい日々だったが、3ヶ月間という短い期間ではあるが仕事から離れ、妻・子供3人と長く一緒に過ごした日々は自分の中でかけがえのない体験となりました。
・妻や子供との距離は縮まったような気がしました。また、家庭の運営に対する当事者意識は向上したような気がしました。むしろ今までの距離間や、当事者意識の低さに反省せざるを得ませんでした。
・職場では私が不在の時に仕事をフォローしてくれ、また復帰を温かく迎え入れてくれ技術部の職制方、メンバーの方、また関係部署の方々に深く感謝しています。復帰後は、会社で仕事に集中できる時間にありがたみを感じるようになりました。
4.育休を取得するための準備や、会社との調整で苦労したこと
・育休取得を決意したものの、事業場では前例がなかったため社内に相談できる人が誰もおらず、いつ何をどう準備すればいいのか全く分かりませんでした。
・休業予定期間の半年ほど前に取得の意向を会社へ伝えました。
当時は育児休業の取得意向確認義務化前かつ仕事は超多忙だったため、この瞬間が最も勇気が必要でした(逆に準備はほぼ「なるべく早く会社に意向を伝える」に尽きるとも言えます。伝えさえすれば人事部門の方が親切・速やかに対応してくださいました)。
・職場の方々は皆一杯いっぱいの中、仕事を分担して引き継いでいただきました。上司、先輩・後輩の心強さを痛感したとともに感謝の念しかありません。
・とにかく育休の3ヶ月間、自分の不在が原因による重大なトラブルが起きないよう先に手を打っておくことを心がけました。
5. 育児に積極的に参加し、家族と過ごす時間が増えたことによる気付きや感じたこと
・子供が凄まじいスピードで成長していることに気づきました。
知的好奇心が大人と比べ物にならず毎日大量の知識を吸収していました。どんどん変わっていく子供たち(長男と次男)の言動を近くで見ているのはシンプルに面白いと思いました。
・育児や家庭に対する他人事感、やはりどこかで「妻がやってくれるだろう」と思っている自分に気づきました。今までの家庭との距離間や、当事者意識の低さに反省せざるを得ませんでした。
・子供を子供扱いしていました(そしてそれは絶対に相手に伝わっている)が、知識はまだしも「3つ子の魂100まで」と言うように3歳ならもう人格は形成されている事に気づきました。1人の人間として大人と同じように接する必要性を感じました。
・自分1人で出来ることは想像以上に限られていることに気づきました。1日は24時間しか無いので、全てをやろうとするのではなく自分がやるべきことに集中すべきと痛感しました。職場やプライベートでの時間の使い方を見直そうという気持ちは強くなったように感じます。
・この日常は当たり前ではないと気づかされました。妻はこんなにも家庭の事を考えていてくれていたのかと思い知らされました。そして子供たち。彼らは私が与えた以上のものを私に与えてくれていました。家族への感謝の念は言葉では言い表せません。
6. パパ友、ママ友とのエピソードなど
・パパ友、ママ友の存在は本当に心強いです。積極的に一緒に公園に行ったり食事をしたりなど行動を共にするようにしていました。
・たたまた私の場合は同じ時期に育休を取得したパパ友が近くにいたのでかなりラッキーだったと思います。
・他愛のない会話は楽しく気分転換にもなるし、同年齢くらいの子供を育てるリアルな情報を交換できる場は貴重です。
・なにより子供たち同士がとても楽しそうに遊んでくれるので素晴らしいです(その日の夜はよく寝てくれることが多い)。
・また、子どもを一緒に遊ばせるという理由が、ご無沙汰している友人に声をかけるきっかけにもなります。
※「子守の大変さは子供の人数に比例して増幅するが、大人の人数には指数関数的に減衰する説」は論文に纏めて発表したい。
7. 育休取得にあたり職場(上司・同僚)の反応
予想に反して職場の方々から頂いたコメントは総じて温かく、本当に涙が出そうになりました(というか出た)。
・「育休は会社制度ですので、しっかりと使い人生・子育て悔いの残らない様対応ください。頑張って!パパ!」
・「偉い!!!よくぞ先駆者になってくれた。1ヵ月と短い期間だけど、子育て楽しみながら頑張ってね。」
・「個人的には男性の育休は賛成です。開拓者には何かと風当たりが強いものですので、めげずに頑張ってください。応援しています。」
・「第2子誕生おめでとうございます!これをきっかけに他の人も取りやすくなりそうで大変助かります。」
などなど。
また、他県の事業場にいる同期からも何件か相談があり、その後実際に育休を取得た方もいました。正直、1人では心細かったのでその連絡は非常にありがたかったです。
8.育休取得について妻からのコメント
里帰りから戻ったタイミングでパパが3ヶ月育休を取得し、長男、赤ちゃん、パパの5人で日中過ごすことになりました。
1人目、2人目の育児はパパの帰りが毎日遅く、赤ちゃんとの2人きりの生活は楽しい反面不安やストレスがありました。3人目の産後も同じようになるのかと身構えていましたが、育休を取るという協力の姿勢を見せてくれたことが精神的な安定につながったと思います。
ちょうど幼稚園の申請時期だったので一緒に園を見て回れたのはとても助かりましたし良い思い出です。
復職後はお風呂に間に合う時間に帰ってくるようになり、子供との関わりが増えました。パパと子供だけでのお出かけもよくしてもらっています。
いろいろなスタイルがあると思いますが、私はパパに育休を取ってもらって良かったです。
9. 今後、育休取得を考えている人へ
いろいろありましたが、育児休業の取得は自分にとって本当に貴重な経験となりました。
もちろん給料が減るなどのデメリットはあるため育休を取得するのが必ずしも正ではないですが、個人的には今振り返っても実行して良かったなと思っています。
休業前の不安はかなりのもので、1ヶ月もの途方もない期間を不在にしたら仕事はどうなってしまうんだろう?復職後はもはや「浦島太郎」状態だな?と覚悟しましたが、いざ取得してみるとそれは本当にあっという間で、復職後に「玉手箱が爆発する」という心配は杞憂に終わりました。
自分なんていなくても世界って全然普通に回っていくんだなぁと(もちろん関係各位の大変なご協力のおかげですが)。良い意味で自分の内面に大きな変化があったと感じます。
それとは対照的に育児のリアルは想像以上に過酷で、ある意味会社生活よりもハードでしたが、それらも踏まえて家族みんなで過ごせた3ヶ月間は楽しかった!
気持ちよく育児休業に送り出して下さった関係各位に感謝するとともに、皆様にとって私の経験が少しでも参考になれば幸いです。
以上、最後までご覧いただきありがとうございました。
素敵な1日をお過ごしください💡
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