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愛しの上海 de ロックダウン 回顧録 #6

ぽつぽつと上海市内でマンション封鎖のニュースはあったが、中国経済を支える上海市全域をロックダウンするはずがないと誰もが疑わず、政府もそう公言していた。しかし2022年2月から3月、入境者を集めた上海市内のとある隔離ホテルの空調に不備がありそこから感染拡大が始まった。後にそのホテルがある区の当局者が解任された。
 
3月3日のひな祭り。子供達の為に夕食にひなまつり料理をこしらた。夕方子供達が帰宅後、食事中に学校から1本の通知。日付が変わらないうちに今日中に学校関係者と生徒全員PCRテストを受けるようにと。陽性疑惑があった商店にたまたま学校関係者も入店したのが理由。もうこの時間は外国人用のクリニックの受付は終了していて、その当時はまだPCR検査を毎日のように受けられる施設もわずかで、同区内のローカル総合病院へ家族総出で慌てて向かった。途中子供達がママがせっかく作ってくれたひなまつりのご飯を味わって食べれなくてごめんねと泣いた。ローカル病院には同じくPCR待ちの長蛇の列が出来ていた。皆学校や職場から検査要請があったのだろう。
 
中国語が不自由な我々は右往左往しながら受付を終えて列に並べたのは既に夜8時30分。小さな子供は親に抱っこされて寝ている。我が子達も本来なら就寝時間だ。これから何時間並ぶのだろうか。今日中に帰宅出来るのであろうか。夜の自由であるはずの時間もこうして緊迫し強制に従わなければならないお国柄。だが思いのほかスムーズに検査は進み、22時には終了した。PCRは日常化しているという事であろう。翌日出た結果は家族全員陰性。
 
物々しい雰囲気が漂う上海で、2年弱続いた対面授業が終わり、上海市は3月12月からオンライン授業に切り替えた。そして数日後初の自宅マンション封鎖。マンション敷地外には1歩も外出禁止。マンション敷地内にPCR検査ブースが設置された。当初封鎖は48時間と聞いていたが延長され7日目に解除された。幸い備蓄はあり丸6日過ごせたが、この間マンション保安員、管理人、その他スタッフの方々は自宅に戻れずどれだけ不安だったであろうか。解除されてもまだ他の数多くのマンションが封鎖中とも聞いた。
 
そして3月27日未明、上海市は翌日から上海を東と西に分けた段階的ロックダウンを行うと発表した。予定では上海東側の浦東を3月28日から4日間、西側の浦西を4月1日から4日間。我々が住む浦西ではこの通達があった翌日朝から商店に人々が押し寄せた。
つづく

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