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ストレスと独り身とホテル暮らしとーセカンドシーズン【第1回・神奈川県川崎編】

 2022年2月19日の真昼間。現場は神奈川県川崎駅。生憎の小雨。

須藤マリ:「ファーストシーズンの最終回で再開は4月の上旬と言ったな」ユニバー猿:「そうだマリさん、た、助けて(観光業を)」
須藤マリ:「あれは嘘だ」
ユニバー猿:「うわああああああああッ!!」
 
 
ブログの再開自体は4月からなので、厳密には嘘ではない。ただ、2月にじゃらんでスペシャルウィークが開催され、千円引きのクーポンが手に入り、土曜なのに安いプランをたまたま発見したので急遽予約。

 まずは街中を身軽に散策するため荷物を預けに行く。その途中で出会った……セカンドシーズン最初の東横イン。

東横イン:「とんでもねえ。待ってたんだ」

 川崎駅から徒歩約8分。

 本日の愛人『ホテルサン・ロイヤル』である💛

 外観から察するに、安さを一番のウリにしている事が分かる。川崎のめぼしいホテルは宿泊料金が高い。アパホテルですら尖っていやがる。そんな中で発見した安宿……あからさまな格安ホテルは嫌いだが、たまに試して人生の経験とする。

 川崎の街はデカイ。街そのものが商店街の塊と言っていい。道幅がやたら広いアーケード、広大過ぎて迷子待った無しの地下商店街、林立するショッピングモール……買い物とグルメで一日が潰れる事間違いなしだ。

 川崎駅まで戻り、すぐ隣にドォ~ン! と建つ『川崎ルフロン』に向かう。本日のメインイベントがここの9階と10階のフロアで待っている。私程の紳士となれば、レベルの高い社交場に出入りするのが日常ー

 2020年7月にオープンした『川崎水族館(通称:カワスイ)』である🐠 
 大人一人¥2000を支払い、中へ。

 私は水族館が大好きだ。広い屋内に築かれた独特の空間……分厚いアクリル板一枚隔てた向こう側には、地上とは全く別種の世界が広がっており、それを安全にじっくりと眺めていられる。動く宝石のような煌びやかな水生生物もいれば、荘厳でおどろおどろしい巨大魚もいる。

 鮎だ。多摩川の鮎。多摩川……多摩川といえば、初代バイオハザードの実写OP動画は多摩川の河川敷で撮影されたのを御存知だろうか(ムダな豆知識)。鮎は川底の苔や海苔ばっか食ってるから身が旨い。

 昔、ミドリガメを2匹飼っていたが、いつまで経ってもエサと主人の指の区別がつかず、噛みついてくるバカだったのを思い出した。

 この水族館、非常に珍しい淡水魚専門の水族館なのだ。

 噴出する泡とひたすら戯れるスッポンモドキ。死ぬ前に一度は専門店でスッポンを鍋にして食べたい。

 説明とは裏腹に、とっても不愛想な鳥さんもいるでよ。

 バレンタイン仕様の特別水槽。この時期になると毎年ゴディバのチョコが欲しくなる。

 巨大淡水魚の代表。コイツを飼ってる家庭は間違いなく金持ちと認定される。

 大型のフグがザリガニをバリバリ食い散らかす動画を観たことがあるが、あんな硬い外骨格をよく消化できるものだ。

 要するに、スーパーの御惣菜コーナーに並ぶ「白身魚のフライ(魚種不明)」だ。この水槽で泳ぐのはフライになる運命から逃れられた幸運な連中。

 水槽の片隅で《動きたくない》を体現している巨大ナマズ。たまに水面からその厳つい顔面を出して、直接空気を吸い込む様子を見せていた肺魚。どちらも存在感がパねぇ。

 動かざること山の如し。たまにプラスティック製が代行を務めてそう。

 こういう施設には必ず設置されてるガチャ。その場のテンションに負けると回してしまい、後で冷静になって後悔する系。

 微動だにせずただ一点を見つめ続けるイグアナ。こいつも樹脂製が代行していても気づきそうにない。で、同じ空間の中には動き回る子猿が2匹。毛づくろいしてて愛らしい。

 B級パニック映画の主人公。ピラニアの生息地では食用にもされているらしいが、小骨が多く、身が少なくて食べづらいらしい。

 放電すると自分も感電しているドM。ウナ重は年に一度食えればよし(中国産は除く)。

 丁度ランチの御時間で、飼育係の成人男性がブツ切りにした魚を放り込んでいた。そこに4歳くらいの男の子がやって来て、巨大な飼育水槽の中でエサをやってる様子を見て一言……
「人がいるよ」
 
水槽の内側に人間が居た事が微妙にショッキングだったような声。良い反応だ。

 この水族館のアイドル、カピバラさんだ。ネット予約でエサやり体験ができ、大勢の家族連れが列をなしていた。エサを十分食って満腹になると土の上でゴロンと横になる。その様は昼間から立ち飲み屋で酔っ払ってるオッサンを彷彿とさせる。

9階・10階のフロアを隅々まで堪能し、出口のゲートを通過した先には御決まりの土産物売り場が。しゃくれたピラニアに木材のように積まれた電気ウナギ。
 私以外にも2,3人の孤独な撮影者がいた。お互いが撮影待ちをして変な連帯感が生まれてた。

 魚類のお昼御飯の次は人類のお昼御飯である。駅前に建つ『川崎モアーズ』。そのレストラン街の一角、昭和59年創業・ステーキ&ハンバーグの店『いわたき』。イイ感じの店構え。

 注文したのはハラミカットステーキ200ℊ¥1890。噛み応え有り、肉汁十分、ガーリックソースがよく合って旨ッ。サラダとコーンスープとデザートは食べ放題。ライスは無料で大盛にできるので躊躇なく盛ってもらった。デザートは杏仁豆腐とコーヒーゼリーのコラボ。たまにはガッツリ食べる甘味も悪くない。

 ランチを終えてホテルへ帰還する。フロントマンがインド系のオッサンで日本語上手。チェックイン完了。今回はじゃらんで配布されていたクーポンを利用し、朝食付きプランで¥3560という非人道的安さ!!

須藤マリ:「一番気に入ってるのは……」
フロントマン:「何です?」
須藤マリ:「値段だ」

 一世代どころか二世代は昔のエレベーター。現代、エレベーターが複数ある場合、上下のボタンを押すとより近い階に停まっているのが起動するが、コイツはそのシステムが共有されていない。

 清潔感は申し分ないし、設備自体に不備は無いが、全体的に古めかしさが拭えない内装。

 私史上最狭の湯舟。釣鐘のような形状でアパホテルの卵型とイイ勝負。トイレタリー一式はPOLA。

 最上階客室(7階)からの眺望。いつものコンクリートジャングル。

 雨が少し強くなる中、様々な食の誘惑を醸し出す商店街へ。

 夕食の現場はこちら『川崎ダイス』。TOHOシネマズ も入っているショッピングモール。

 6階のレストラン街の一角、旬の魚と創作料理・『茅ヶ崎海ぶねダイニング』。春の魚介産卵時期が来て瘦せ細る前に、脂がのった魚が食べたくて。

 五種の刺身御膳¥1540。鯵、鮪、サーモン、赤海老、シマアジの刺身。ちりめんじゃこがタップリのった冷奴。白飯と味噌汁と漬物。
 鮪は赤身なのにイイ脂がのってる。サーモンは大トロみたい。赤海老は臭みが無く仄かに甘い。
 旨いッ……否、旨過ぎる!!
 
東京都内では中々口にできない逸品だ。

 ホテルに戻って晩酌の御時間。川崎駅の『アトレ川崎』地下にある不二家で購入。御馴染みのペコちゃん人形が立っていた。彼女は365日24時間常に舌を出している。私は思った……犬と一緒で体温調節をしているのではないのかと
 右が窯焼きダブルシュークリーム¥280、左が苺のトゥンカロンタルト¥540。シュークリームは見かけよりアッサリ系。糖分控え目な味わい。タルトは肝心の苺の甘酸っぱさが弱い。値段に見合ったインパクトは無かった。

 昼間に散策しまくった日は早い時間に眠くなる。狭過ぎる湯舟に入浴剤を入れて癒された後は、気持ち良くおやすみなさい。

須藤マリ:「私を起こさないでくれ。死ぬほど疲れてる」

 おはよう、川崎。昨日と同様に午前中はまだ天気がよくない。1階の朝食会場は7時から。行ってみると、既に土方のオッサン達がモリモリ食ってた。明らかにホテルの宿泊者ではない様子。どうも外部の客も利用できるっぽい。
 麻婆茄子、つくね団子と野菜の煮物、牛蒡のかき揚げ、サラダ。朝食用に優しい味付けになっていたのが嬉しい。ただ、オレンジジュースがやたら甘かった。

 ロシアのウクライナ侵攻ニュースを聞きながら朝風呂。ゆっくりブルーレイ鑑賞する。雨がほとんど止んだタイミングでチェックアウトの御時間。カードキーをフロントにポンッと渡してホテルを出る。次の機会があれば、広大な地下街でグルメと買い物を楽しみたいものだ。
 さらばッ、川崎!

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