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ブラジャーに捕らわれる(エッセイ)

買った当初はピッタリで、馴染んでいるブラジャーでも、それを着倒してしまえばゴムはユルユルになってくるし、ピッタリだったものは合わなくなってくる。

それでもまだ着れると思い着倒す私は、とても貧乏くさいのだろうと思うものの何だか変えたくない、このお金を別なものに使いたいと思ってしまうのだ。

……本当に嫌になってしまう……。

それでも、本当にくたびれてしまった時は買い変えるのだけど…。

そんな私は、ごく稀にブラジャーを着けるのを忘れてしまっていた時があった。

ごく稀というだけあって本当に数回。

つけ忘れた日はだいたい家に一日居るような時だけだ。
私自身おかしいと思うが、『あ、ブラジャー今日着けてない』と気づくまで、案外しら〜っと過ごしているし、そこに違和感を全く感じていなかった私の鈍感さ。

けれど、ブラジャーを着けてないならないで平気だったし、違和感は全くなかった。
けれど、着けてない!と一度気づいてしまうとそのままには出来なくなってくる。いわゆる、自覚するかしないかで、自分の気持ちが変わり、気付いてしまったら最後、ブラジャーをしていない事が気持ち悪く思えてくるのだ。

ブラジャーをしないと形が崩れる。
夜にも夜用のブラジャーを着けた方が良い。などなど。

女性という体を持って生まれた以上、いつかは着けなければいけない気がしているブラジャー。

着けてないと着けてないで平気だけれど、それに気が付いてしまうと気持ち悪くなってしまうブラジャー。

………ブラジャーは下着だけれど、どんなモノを身につけるかで自分自身の気持ちが変わるブラジャー。

………正直、面倒くさい。

けれど、着け続けているブラジャー。
着けないという選択肢が今の所はないブラジャー。

いざ着けなくて良いという時になった時には、きっと悲しく、苦しく思ってしまうブラジャー。

私は半永久的に、ブラジャーに捕らわれ続けていく。


もう、仕方のない事。

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