マガジンのカバー画像

単体

51
単体もののまとめ 小説、感想文など
運営しているクリエイター

2024年1月の記事一覧

世界の船

暗い港に電気を消して休んでる船が何隻か
あそこを出る前十二時頃だったから、
今は一時前後くらいだろう
船着場にただ突っ立って風と共に波を待つ
私の他に数人やってきて、
一緒に黒い波を待つ
海からふっと船が現れる
どこかの名作映画で見たような光景で、
それよりは小さな船だけど明るい
半透明の数人が降りようとしているのが見える
やがて数分かけてゆっくり近づいた船から、
半透明のそれが降りてきて足を得る

もっとみる

世界と人の橋

僕には橋が見える。
どうやらこれは僕だけが見えるらしい。
細い橋は人々の繋がり。
赤い糸みたいな感じ。
大切な関係であればあるほど橋は綺麗で、劣悪な関係であれば汚かったり崩壊しかけたりしている。
特に関わりのない人とは橋が繋がっていない。
細い橋はそんな感じ。
とてもとても人は渡れやしない。
僕には大きな橋も見える。
人間の大人が手を広げて五人は並べそうな太さの道の橋。
それは、別の世界への橋。

もっとみる

ふとスイミー思い出したんです

黒く塗りつぶされた虹彩に映った景色を伝えて非難される目の役目
疑われるのが仕事

周りの魚赤だったかな
なんか人間みたいだなって
黒くなった血には景色が映る
赤い血には映っても赤く見える
少数派だな
何言ってるかわかんないな
すみません

雪の花

シロクマ文芸部の書き初め20字小説の続きを書きました
なんだかちょっと無理矢理感
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

   雪の花

ーーー初めましての雪の色は赤く、
   そして黒かったーーー

窓から見る雪は日光の反射が眩しくて、真っ白で真っさらでそこに飛び込む子供たちが羨ましかった
私はただ腰から下を布団におさめて本を読むしかなかった
『長くない命を大切にしなさい
そうしたらあの綺

もっとみる

雪化粧 詩

久しぶりに詩を書く気がする
学校にも行けてないし、創作もすすまない
仮の未完成品ということにして出させていただきます
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

   椿化粧

 雪化粧をした椿を手折って
 そのまま瓶に閉じ込めて
 透明な冷蔵庫に保存した
 両手で持てる小さな箱の中に
 さらに小さな瓶の中に
 ガラス人形のように座ってる

 春になっても真っ赤な花びらを
 溶けない雪に隠してる

もっとみる

シロクマ文芸部初参加

滑り込み失礼します #書き初め20字小説
今日(1/8)見てちょっと気になったのでやってみようと思います
以下本文です(ーに囲われている二十文字)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めましての雪の色は赤く、そして黒かった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今度これを書き出しに小説を書いてみたいと思ってます
追加で思いついたものもおまけで↓
これらもいずれ小説化できたらなと思っ

もっとみる

本を書く神様

本を書く神様がいる
私はその神様の元へ送られた
神様はいつもペンを持っている
箸を持つか寝ている時以外ほとんどペンでなにかを書いている
数日に一冊、本として紙がまとめられる
決して読んではいけないよと言われてる
読んだら倒れてしまうからと言われてる
私は神様の家の家事をしてる
神様が散歩に出掛ける時はついていく
神様なのに私を食べない
神様なのに贄を食べない
「私だけは特別なんだ」って神様は言う

もっとみる

愛読書で自己紹介 おまけ

自己満感想文
メインが表紙が文ストシリーズになってしまったので文ストじゃないシリーズ作ります(表紙になってないものから選んだver)
今回はメインほど長くない(多分)
おまけなので記事の貼り付け、#はしません

1、地獄変(芥川龍之介)
羅生門の二次創作にも仄めかすようなことを書きました
「いかに一芸一能にひいでようとも、人として五常をわきまえねば、地獄に落ちるほかはない」
これがものすごく胸を打

もっとみる

愛読書で自己紹介?

いろいろ見漁ってます
いろんな企画に参加してみたいです
あおいじゃなくてごめんなさい
あおいほど上手く書けないです
一つ一つ長文です
そして割と脱線&自分語りが入ります

愛読書三冊と読んだ、好きになった理由など

1、人間失格(太宰治)
手に取った理由は不純なもので表紙が文ストの太宰さんだったこととその時のお財布に溶け込むように優しいお値段だったから(三百ちょっと)
好きになった理由は人生を変え

もっとみる