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春と熊鈴

春が来た。山に行くと桜やツツジがとても綺麗だ。蝶や小さな蜂なんかも飛んでいる。道の脇の叢でガサゴソと音がする。トカゲが逃げたのだろう。賑やかになったものだ。
先日は猿とリスに出会った。野生のリスを見たのは人生初でテンションが爆上がりした。すばしっこくて写真を撮れなかったのが残念だ。

幸いスズメバチやマムシや熊とは遭遇していない。これから出てくるのだろうが、熊だけは絶対に勘弁してほしい。

そんなわけで熊鈴をリュックにぶら下げてみた。音で熊に人の存在を知らせる。熊は本来臆病なので近寄ってこない、という仕組みなのだが、これがとてもうるさい。
リンリンとかチリンチリンではなく、キンコンキンコンと高くて大きな音が出る。
まあこれくらいでないとクマ避けにはならないだろう。
けれども鬱病で敏感になった耳にはキツい。突き刺さって頭痛がしてくる。
仕方なく外したら静寂が戻ってきた。ああそうだ、これを楽しみに来たんだった。

山の静けさは無音ではなく自然の音だ。熊鈴を止めたとき理解した。耳で感じる自然の空気。CDには無いけどアナログレコードにはある、聞こえないけど存在を感じる音と似ている。鳥のさえずりやせせらぎの音と同じく、癒やしや幸福感を与えてくれる素晴らしいものだ。

やっぱ熊鈴はやめて撃退スプレーにしようっと。ちょい危険が増すけど、頭痛がしたら山に行く意味が無い。仕方ないよなあウンウン。

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