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「スペインのイメージ 版画を通じて写し伝わるすがた」展 in 西洋美術館

先月、マティス展に行った後、時間に余裕があったので、西洋美術館で開催中の「スペインのイメージ 版画を通じて写し伝わるすがた」展にも寄ってみた。

9月3日(日)まで!(月曜日休館)

あまり宣伝されていないし、展示作品の多くは、上野の西洋美術館もしくは、国内の他の美術館所有の版画、ということで、地味なんだろうな~と予想。
確かに地味だし、マニアックな感じなので、誰にでもおすすめというわけではないが、スペインに興味があるとか、版画に興味があるとか、何か変わったものが見たいとか、何かしらの理由でツボにはまると、かなり貴重な展覧会でもある。

日にちが立ってしまったので、だいぶ記憶が怪しいけど、とにかく展覧会が終わらないうちにまとめておこう。

スペインは、今でこそ世界中の観光客から高い人気を誇る国ですが、歴史的には「ピレネーの向こうはアフリカである」と揶揄されたほど、他のヨーロッパ諸国にとって未知の、馴染みの薄い異国でした。
しかしナポレオンの侵略とスペイン独立戦争(1808-14)を契機にヒトとモノの本格的な往来が始まり、ロマン主義の時代にスペインは他のヨーロッパ諸国からそのエキゾチックな魅力を本格的に「発見」されてゆきます。
フラメンコ、闘牛、アルハンブラ、ベラスケス、そしてドン・キホーテ…我々が思い浮かべるスペインの典型的な「イメージ」の多くは、19世紀にこの国を訪れた外国人旅行者たちによって確立されたものでした。そしてそうしたイメージの形成、流通に大きな役割を果たした媒体が、大量に刷ることができ、簡単に持ち運びができた版画でした。

―サイトより

この説明だけでも、へぇ~と3回くらいつぶやきたくなった。
スペインは、アメリカ大陸などを「発見した」立場だと思っていたが、「発見された」のか!
スペインはずっと独立国だと思っていたけど、そうか、ナポレオンに侵略されたんだった。
誰もが知るスペインのイメージを広めたのは版画だった!

スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた」展は、スペインに関わる版画制作の史的展開を 17世紀初頭から 20 世紀後半までの長大な時間軸で概観し、写し伝えることのできる版画が、スペインの文化・美術に関するイメージの形成や流布にどのように貢献したか、約240 点の作品から探るこれまでにない企画です。
リベーラからゴヤ、フォルトゥーニ、ピカソ、ミロ、ダリら巨匠たちの仕事を含んだスペイン版画の系譜を辿ることに加え、ドラクロワやマネなど19世紀の英仏で制作されたスペイン趣味の作品を多数紹介します。
また、本展は国立西洋美術館の収蔵品を中心に、国内約40箇所から作品を拝借し、今日までの日本におけるスペイン美術の受容と豊かなコレクション形成の様相を浮き彫りにすることも試みます。

―サイトより

膨大な展示数、膨大な説明。
オーディオガイドの貸し出しはないが、会期中、サイトにアクセスすると説明が聞ける。
会場でもスマートホンとイヤホンがあれば、聞くことが出来る。https://www.nmwa.go.jp/qrcode/2023spain/index.html

会場の説明書きも結構新鮮だった。
といってもすぐ忘れるし(笑)、説明文を写真に撮って、後で文字に起こそうと思ったけど、面倒になり、というわけで、作品の紹介と関連した話にとどめておこう。

1.黄金世紀への照射:ドン・キホーテとベラスケス

1-ⅰ 「ドン・キホーテ」

ドン・キホーテは、昨年本を読んだので、どの場面なのかわかるものが多く、結構楽しめた。

<エル・トポソのドゥルシネーア(ドン・キホーテより)by アンヘル・リスカーノ

1-ⅱ ベラスケス

以前、ベラスケスの作品自体を見ているものばかりなので、そのオマージュ的版画は、懐かしく鑑賞できた。

<バルタサール・カルロス王太子騎馬像>by フランシスコ・デ・ゴヤ
<スペイン王フェリペ4世(ベラスケスに基づく)>  by エドゥアール・マネ
<マルガリータ王女(ベラスケスに基づく)> by エドゥアール・マネ
<王女マリア・テレサ(ベラスケスに基づく)> by アンリ・ゲラール


2.スペインの「発見」

大きな地図はありがたい。

2-ⅰ 旅行者の見たスペイン

<サラゴザ> by E・ポール・シャンセー


2-ⅱ 人物タイプ

<スペインの舞踏家>byエドゥアール・マネ

マネの作品は、前に見たような。

カラフルなポスターを見るのは楽しい。

<たばこ「ジタン」のポスター(フランス専売公社)>by ジュール・ドランシー
<スペイン>by ジュゼップ・モレイ


<水飲み場>by ホアキン・ソローニャ

今回の一番のお気に入り。
西洋美術館が、2022年に新たに収集したこの作品は、1964年にスペインの記念切手の図柄にもなっているとのこと。

2-ⅲ ゴヤの影響:ドラクロワ、マネ
3.闘牛、生と死の祭典

この辺りは見たことある作品が多かったか。

4.19世紀カタルーニャにおける革新

4-ⅰ フォルトゥーニ

初めて聞く名前だが、当時のスペインでは、かなり重要な画家だったらしい。

4-ⅱ バルセロナからパリへ:世紀末の光と影

<アニス・デル・モノのポスター>by ラモン・カザス

5.ゴヤを超えて:スペイン20世紀美術の水脈を探る

5-ⅰ 「エスパーニャ・ネグラ」

エスパーニャ・ネグラとはなんぞや?という説明。

5-ⅱ 叫びと抵抗:20世紀スペインにおける政治と美術
20世紀のスペインといえば、内戦が影を落とす。

<7月18日 1936年/1937年> by サルバドール・アリーバス
<泣く女>パブロ・ピカソ

6.日本とスペイン:20世紀スペイン版画の受容

この章は、撮影不可。
ピカソやダリなどの作品もあったはずだけど、全然覚えてないな。


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