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【2024年版】宝塚歌劇ベルサイユのばら観劇がより楽しめる! ベルばらの基礎知識

宝塚歌劇といえば、観たことがない人でも名前は知っているベルばら。

今年初めてベルばらを観るという方も結構いらっしゃるのではないでしょうか?
ベルばらは10年ぶりの上演。
そのため、普段から宝塚歌劇を応援しているという方でも、ベルばらは初めて! という方はそれなりにいらっしゃるのではないでしょうか。

ベルばら原作読破、2024年雪組バージョンのベルばらを生観劇してきた筆者が、宝塚自体を観るのが初めてで、ベルサイユのばらはアニメも漫画も観たことがない友人のために、「この人だれ?」「なんでそうなった?」とならずに、「ああこの人ね!」とストーリーについていけるようにまとめたものを公開します。


ベルサイユのばら「フェルゼン編」って何?

宝塚には大きく分けて、フェルゼンが主人公のフェルゼン編とオスカルが主人公のオスカル編があります。今回はトップスターがフェルゼンを演じるパターンです。
今回の2024年雪組公演では、フェルゼンがマリーアントワネットに出会うところから、マリーアントワネットが処刑されるまでを描きます。
ちなみに出会いの場面ではフェルゼン、アントワネットともに18歳。
アントワネットが処刑される場面はフェルゼン、アントワネット37歳です。

誰がどの階級の人?


ベルサイユのばらでは、おもに王族・貴族・平民という階級があります。誰がどの立場から発言しているのかがわかると登場人物の苦悩や立ち位置、関係性がよくわかります。以下では階級別に簡単に登場人物紹介をします。

☆王族

マリー・アントワネット

(ヒロイン、トップ娘役)
フランス王妃。元々はオーストリア王室の姫。政略結婚でルイ16世と結婚。異国であるフランスや伝統的なしきたり等環境になじめず、大金を使うことでストレスを解消している。フェルゼンとは初恋かつ恋仲。

ルイ16世

フランス国王。マリーアントワネットと結婚した当初はフランス国王の孫。容姿等、自身がパッとしない、冴えないことをコンプレックスに思っている。そのため、妻アントワネットが眩しすぎて仲良くできていない。フェルゼンとアントワネットの恋には気づいているものの、四六時中しきたりにがんじがらめで心許せる相手が自分も妻もいないので、妻のことを慮って黙認している。

プロヴァンス伯爵

ルイ16世の弟。アントワネットの事が大嫌いで、フェルゼンのことも目の敵にしている。実は、フランス国王の座を狙っている。

☆貴族

フェルゼン

(主人公、トップスター)
スウェーデンの名門貴族。フランス留学中。マリー・アントワネットとは恋仲。オスカルとは良い友情を築いている。

オスカル

(2番手)
アントワネットの護衛。フランス名門貴族の生まれ。ストーリー前半では近衛隊隊長。後半では衛兵隊隊長となる。男装の麗人(オスカルが女性であることは周知の事実)。父親が、どうしても男の子がほしくて男の子として育てた。本人はその運命に悩み中。上司であるアントワネットの恋人、フェルゼンに恋をしてしまう。 
ロザリーやベルナールをはじめとした平民や、アランの家族など末端貧乏貴族の窮状を目にしたり、国民の現状をわかっていない王族、貴族の発言を目の当たりにして、フランスはこのままで良いのか、市民を守ってやるものがいたほうがいいのではと考えている。

ブイエ将軍

オスカルの上司。オスカルの父と権力争いしているのでオスカルにかなり当たりがきつい。

メルシー伯爵

アントワネットの教育係。オーストリアからアントワネットについてフランスにやってきた。アントワネットの周りで唯一同じ国出身の人。

ジェローデル

近衛隊時代のオスカルの部下で近衛隊ではオスカルに次ぐ地位。
オスカルのことは大好き。事情通。

アラン

末端貧乏貴族。衛兵隊のリーダー的存在。最初はオスカルが女にもかかわらず、自分達の上司になることが不服で反抗していたが、オスカルの剣の腕前や貧しいものを思いやる心に胸を打たれて、全力でついていこうと思っている。

☆平民

アンドレ

(3番手)
オスカルの幼なじみ。オスカルは貴族、アンドレは平民と当時の身分制度では結婚が厳しいので叶わぬ片思い中。過去、オスカルを助けたときに目を負傷し、徐々に失明してきているがオスカルはそれに気づいていない。フランス革命勃発時には完全に失明。それでも、オスカルを守るため出陣。劇中では描かれないが、オスカルに対する激重感情のあまり、平民と貴族は死後の世界でしか結ばれないと思い詰め、オスカル無理心中未遂を起こすくらいオスカルが好き。オスカルのピンチを過去何度となく救っている。

ベルナール

新聞記者。王政を憎んでいて革命推進派。
妻ロザリーつながりでオスカルとは友人。

ロザリー

生まれは貴族だが、事情があり平民として育てられた。
一時期オスカルの世話になり、オスカルの家で暮らしていたこともある。そのため、貴族的なふるまいもでき、平民の気持ちもわかる稀有な存在。アントワネットとも顔見知り。ベルナールの妻。

ジャンヌ

ロザリーと一緒に育った平民。貴族になりすまして、詐欺をはたらく。


☆用語解説

近衛隊:貴族で形成される部隊で国王やアントワネットの護衛がメイン。オスカルが元々所属していた部署。お飾りの部隊なので容姿端麗であれば、武力はそれほど必要ない。

衛兵隊:オスカルの現所属先。貧しい貴族や平民が中心でガチの武力部隊。ガラが悪い。

シトワイヤン:フランス語で「市民」のこと。
オスカルが「シトワイヤン、行こう〜〜!!!!!」と声掛けをする場面は圧巻。名物。

☆歴史的背景

政略結婚
 オーストリアのお姫様マリーアントワネットとフランス国王の息子ルイ16世政略結婚

超貧乏フランス
アメリカ独立戦争への軍事支援や凶作、アントワネットの散財など様々な原因により、フランスは超貧乏。市民はパンも満足に食べれない

王族への批判激化

三部会開催決定
これまで王族と貴族、僧侶など特権階級だけで政治を行っていたが、王が議会を招集し、僧侶、貴族、平民による三部会開催決定

平民の締め出し
国王が議会の90%を占める平民の意見を聞かないどころか会場から締め出したり軍隊派遣する

市民ブチギレる

危険を察知した取り巻き貴族が次々と寝返る

革命発生、バスティーユ襲撃
国王に反発した罪で多くの人が捕えられていたバスティーユ監獄を襲撃

国王一家捕らえられる

国王一家、逃げ出そうとするも失敗

国を捨てる国王などいらないと民衆、処刑を決行

……とまあ、ざっと書いてみました。
正直、私がはじめてスカパーでベルばらを観たとき、そのゆめゆめしい、これぞベルばらという世界観やバスティーユ襲撃の群舞に圧倒されながらも、まだ原作もほぼ読んでいない状態だったので、「近衛隊と衛兵隊ってなに? なんでオスカル様アントワネットのお付きやったのに民衆側にいるん? この登場人物誰? なんでアンドレ目が見えてないの?」と頭の上にはてなが浮かぶことが多数でした。
今回2024年版は、「ある程度みんな知っているよね!」という感じで、今までの名シーンダイジェスト総まとめのような感じの話の進み方をするので、「ロザリー久しぶり、ていうけどロザリーって誰?」みたいになりかねんな……と思ったり。そんなわけで、初めて観る友人もいたのでざっと私が必要だと思う事項を書き連ねてみました。

これをお読みになった方が少しでもベルばらを楽しんでくだされば幸いです。

※今回は2024版ベルばらに特化したため、原作で描かれているキャラやキャラ描写をだいぶん省略して書いています。本当はジェローデルってこうなんだよ! とか劇中でそんなに描かれないオスカルがなぜフェルゼンが好きなのかということも色々語りたいところではあるのですが……

※歴史的背景もかなり省略して書いています。用語解説もしかり。
フランス革命とは、については研究者の方もたくさんいらして、単に平民が貧乏に耐えかねて反乱を起こしたとするといろいろ語弊はあるのですが、今回の劇を理解するための筋として説明しています。より詳細を知りたい方は、教科書でも読み返してください。

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