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8.孤高の男の不思議体験


TEXAS州 35号線
相棒と俺は
SAN ANTONIO方面に向けて走っている
相棒と風を切りながらフリーウェイを走る
とても爽快な気分だ
・・・
そうそう
ここアメリカでは
すれ違うバイカーは
みんな必ず挨拶を送ってくる
中でも印象的だったのが
ある日
俺は白バイとすれ違ったんだ
そしたらすれ違いざまに挨拶くれた(笑)
もちろん俺も返したよ!
やっぱバイク乗りって
色々なものを跨いじゃうんだな
こりゃ最高だ(笑)

・・
過去の車移動の旅では
そんなことなかったもんな・・・
因みに
俺は四つ輪が好きじゃない
というか全く性に合わない・・・

永遠にまっすぐ⁇

・・・とまぁ、
そんな感じで
俺は今日も景色や挨拶を
楽しみながら走ってたんだ
そうしたら急に
感覚がおかしくなってきた

「ん・・なんだこれ・・・」と思っていたら

まず
ハンドルを握る俺の手の感覚が
徐々に無くなってきて・・・
次に視界に
相棒が入らなくなってきて・・・
身体がすげぇ軽い感覚、
というか
身体が無くなっちまった感覚になった
次に全身がふわっ~としてきて・・・
なんだろ、
なんて言えばいいのか・・
そう、俺の意識・・・
おそらく意識なんだろうな、
それがどんどん拡がっていくんだ
果てしなく拡がっていく・・・

(ま、待てよ💦
 こ、これヤバくねぇか💦?
 俺、バイクで走ってんだぞ⁇)

でもそんなこと
お構いなしにどんどんと
拡がっていく意識・・・
そのうちに
周りのもの全てとの一体感を覚えて・・・
俺が周りの自然と一体化した
風、大地、地球の意識、呼吸と鼓動
そんなようなもの達と
一体化したような感覚に陥った
もうバイクが、とか
そんなこと気にならなくなって
しばしこの感覚に身を任せていた・・・
俺という存在が消えて
地球と呼吸を合わせているみたいだ
すげぇ気持ちいい
しばらくすると
徐々に感覚が下界?に降りてきて
再び35号線をひた走る俺がいた・・・
(おぉ・・・今のは一体・・・
 それにしても最高に気持ちがよかった)
・・いやいや・・・
・・・すっげぇな・・・
ありゃ一体何なんだ・・・
でも本当に気持ちが良かったなぁ・・
至福・・
至高体験・・・
史上最上級の癒しっつうか・・・

(※そしてこの体験は
 一度や二度で終わらずに
 この後も何回もそれを味わった)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

とまぁ
そんな不思議体験を終えた俺、
氣が付くと
35号線を相棒と共に走っている
すっかり
元の状態に戻った俺は腹が減っていた・・・
次の街で何か食おう
今日は湖や緑が多い
風も穏やかで最高に気持ちいい
途中で何回も涙ぐんでしまった
バイクって・・・
本当に最高だ・・・(涙)
そんな感動に包まれ
景色、風を堪能しながら走っていると
「TEMPLE」という街を発見
この街はAUSTINから約65Mileの地点にある
ここで何か食べるものを探そう
何が食べたい?
もちろん・・・
あ、あった!ありましたぜ!
黄色に黒字の看板
「DICKEY'S BARBECUE PIT」



最高の店!

俺は迷いなくB-B-Qを注文
飲み物はビール・・・
ではなくアイスティーをオーダー
夜のMOTELでがぶ飲みするだろうから
今はやめておこう・・・
お!
肉が運ばれてきた
う~ん・・・
さすが本場のB-B-Q
旨い、旨すぎる・・・
しかし
毎日毎日B-B-Qばっか食って飽きないの?
いやいやとんでもない
飽きる・・・
そんな気配は全くございませんな♫
アメリカンサイズの肉を
きれいさっぱりと平らげた後
改めて店内を見渡す
と、そこで
かなりヤバいものを発見してしまう
そこに行列ができている・・・
皆さん片手に白いものを持って
各々の席へ帰っていく・・・
「あれは何?」と店員さんに聞くと
「アイスクリームよ、しかもフリーなの」
そう言い残してにこやかに去る店員さん
(え・・フリーって・・無料、だよな・・)
そう
しかも無料の上になんと
「食べ放題
おぃおぃ・・・氣は確かか⁇
大丈夫なのかTEXAS・・・
俺は
どんどんTEXASという沼にハマりつつある
この州は特に危険だ
この州に入ってからというもの、
俺のリミッターが完全に破壊された
た、体重が・・・
スリムだった身体が・・・
このままでは俺は・・・

でも
俺はそんなTEXASが大好きだ・・・


          続く・・・

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