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非常勤ですが、なにか?#2


前回のおさらいと補足

 前任校が閉校になった。中学校に固執しない同僚たちは、もれなく新たに開校した小中一貫校に異動したが、中学校教員(非常勤講師)にこだわったために転勤を余儀なくされた私、50代女性。教員歴は、30代で教諭を退職・出産育児期間を差し引いて24年。常に国語の授業に情熱を傾けてきた。居心地が良くて13年も居座った職場に別れを告げ、チョーク一本さらしに巻いて(いや、デジタル黒板もタブレットも使いますよ)、新たな学校へ旅立つことになった。久しぶりの転勤である。
転勤先でも引き続き非常勤講師にて通常学級2年生全3クラスの国語科授業週4時間を担当することになった。


働き方あれこれ

新学期の行事も一通り終わり、授業も始まった。授業開きはまずまず好調。初っ端から作文など書かせて職員室で読んでいると、じきに昼の時間になった。今日から給食が始まる。私は週4日勤務で、お弁当持参である。ふと周りを見渡すと、私以外の非常勤の先生3人のうちのお二人が近所の席にいらっしゃる。どちらも60代か、もしかしたら70代?とおぼしき男性。お二人とも特別支援学級のそれぞれ教科担。「先生方、お昼はどうなさいますか?」と聞くと、お一人が「これから帰って作って食べるよ。午後はゆっくりするかな。」とニコニコしながら立ち上がった。すると、もう片方も立ち上がって、「ご一緒に出ますかな」と。おじいちゃん二人、並んで仲良く帰って行った。
定年退職後、再任用とか、天下りとか、いろいろ道はあるけれど、こういう働き方もある。

私はこの日午後の授業は入っていなかったものの、作文チェックしていたら職員室に人がワラワラ帰ってきたのでお昼を食べそびれてしまい、1時半頃燃料切れでやる気が失せ、退勤した。

非常勤の特権


授業が終われば、提出物を見たり次の授業の準備をしたり、やろうと思えば仕事はいくらでも湧いて出てくるけれども、家に持ち帰ってもいい。帰りたいときに帰る。気が向いたときは引き受けるけれとも、掃除もしなくてよし。部活もなし。校務分掌はもちろんなし。
職員朝礼も会議も出なくてよし。入学式、卒業式などのイベントも出たいときだけ出る。
国語が好きだから教員になったのに、教材研究や授業の準備、生徒の作文の読書‥本当にやるべきことに時間をかけることができないのは自分の仕事が遅いからか、仕事の量が多いからか。納得いかないままに毎日目の前の火の粉を払っているうちに時間が過ぎていった、あの教諭の時代には戻りたくない。


ボーナスも要らない。給料は少なくていい。
 お金を払っていろんな職務を免除してもらい、本当にやりたい、やるべき仕事、好きな教科の仕事だけに専念させていただきます。
それが非常勤の働き方です。



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