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テレビ局の生き残り戦略       「テレビは成功し、新聞は失敗するのか」

テレビの視聴者が減っている


テレビを見なくなって久しい。
昔は家族でリモコンの奪い合いをしていたものだが、
今は個々人でスマホやタブレット、PC、テレビなどの
様々なデバイス
YouTubeやネットフリックス、アマゾンプライム・・・
様々なコンテンツ
視聴している。

もはやテレビは最強の映像メディアでは無くなってしまった。

視聴者数が減れば、CM出稿数が減るし、単価も下がる・・・。
ましてや、消費意欲の旺盛な若い世代に届かないテレビCMより、
インターネット広告などに出稿した方が良いと考える企業は増える。
テレビ局の大きな収益源である広告料が激減してしまうのだ。

これは新聞業界と全く同じ構図。
新聞業界にいる私は、あーテレビも新聞も同じ末路を辿るのか・・・
と思っていたが何か様子が違う。

テレビのマーケティング


テレビの若者離れについて有名な逸話がある。
若い人にテレビを見ない理由を尋ねたところ
テレビって映像が途中から始まるから
という答えだったわけだ。

いや、私たち昭和世代は好きなテレビ番組が始まるから19時までに
帰るとか、21時までにバイトを終えるとか・・・
テレビに合わせて自分の行動を変えていた。

しかし、今の世代はVOD(ビデオオンデマンド)の流れで、自分の
好きな時間に好きなタイミングで映像を見たいのである。
自分の行動に合わせられるものが良いのである。

ここに、若い世代を取り込む大きなニーズがある。

みんなで協力作戦


民法公式テレビ配信サービス「TVer」を使ったことはあるだろうか?
日本テレビ、テレビ朝日、TBS、フジテレビ、テレビ東京
のキー局5社
毎日放送、朝日放送、関西テレビ、読売テレビ、テレビ大阪
の在阪局5社
電通、博報堂、ADK、東急エージェンシーの広告代理店4社
が共同出資したのが株式会社TVerである。

普段は戦っている各社が、テレビというマーケティング上の
ネックポイント(好きな時間に好きなタイミングで)
をみんなで解決するためにプラットフォームを作ったのが成功の
要因だと思う。
ユーザー側からは、アプリがそれぞれのテレビ局ごとにあったら
面倒でここまで伸びなかったかもしれない。
しかし、1つのプラットフォームで様々なテレビ局のコンテンツ
が無料で見れることは非常に魅力的である。

広告収入と副産物


このTVerであるが、無料で視聴できるのは広告が取れるからで
ある。
TVerがネットで再生するメディアであることは、テレビ局に
とっても大きな副産物を産んでいると容易に想像できる。
それは、詳細な視聴データである。
何人に見られているか、最後まで視聴されているか、
好みの傾向や、視聴時間帯、年齢、性別、エリア・・・・。
様々な視聴データをリアルタイムで取ることが出来る

また、そういう情報は広告主にとって魅力的である。
しかも、広告は飛ばせないので絶対に見てもらえる。
見てもらえるのかわからない広告よりも確実に見てもらえる
広告に出したいという広告主がほとんどだろう。
また、テレビとは違った広告主からも広告を取ることが可能
だし、同じ映像コンテンツから広告収入を増やせる可能性も
ある。



テレビが成功し、新聞は失敗するのか



同じ衰退傾向にあったメディアにおいて、テレビが成功し、
新聞が失敗したかもしれない。
それはユーザー目線に立ったマーケティングの視点であろう。
テレビは、ユーザーの利便性を高めるために呉越同舟の道を
選んだ。
新聞はどうだろう。販売店という縛りはあるし、映像メディア
と文字のメディアの違いはある。
しかし、ユーザーの利便性を考えた場合に、道はあったはずだ。

いや、今からでも道はあると思う。
個人的にはオリジネータープロファイルに期待している。
次回はオリジネータープロファイルについて触れたい。

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