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組織におけるバッファの重要性

新聞記事を眺めると、好調な企業ある一方で、人員整理を行って固定費を下げる動きの記事が目につく。
私のいる新聞業界も年々売り上げが下がる一方なので、固定費削減は必須である。
しかし、人員整理だけは避けたい。
人を軽視する企業は絶対にうまく行かないと考えている。

強い店に人的バッファあり


新聞販売店、コンビニと様々な店を見てきたが、強い店に共通することは人に投資をするか否かということである。
また、突発的なトラブルに対処できる店の特徴は、比較的ゆるく人的管理をやっているお店であった。
(もちろん金銭など、キッチリする部分は必要だ)
要は、多少はサボるスタッフが居ても100点満点の仕事ではなく、70点以上で管理を行なっている店である。

「常に余力を抱えている状況」とも言えると思う。
経営者的には、100%の力を発揮するスタッフだけ集めたいと思う。
しかし、人間はそんなに器用ではない。
あなた自身も毎日全力100%で仕事に向き合えるだろうか?
人間は機械では無い。

強い店は、人的バッファがあるのだ。

働き蟻だって働かない


2022年10月9日の読売新聞「News門」に「2割の働かないアリ、無駄な存在ではなかった…ある程度いる方がコロニーやや長く存続」という記事が出ていた。

一斉に働くと短期的には仕事の効率はいいが、やがて皆疲れて動けなくなる。卵の世話など中断できない仕事が滞って、コロニー全体の維持に影響する。働かないアリがいれば、疲れて休んでいるアリに代わって働ける。長谷川さんは、働かないアリは緊急事態に出動する「待機要員」と推測、「目先の効率だけを追い求めすぎると、その集団は早く滅ぶ」と指摘する。
        (読売新聞記事内 北海道大 長谷川英祐准教授コメント)

要は、蟻の世界にもバッファが存在するということだ。



100点満点評価をやめませんか?


組織におけるバッファの重要性は多少は理解して頂けたと思う。
では、実際に組織にバッファを持たせるためにはどうしたら良いのか?
それは、経営者や管理者側が100点満点を求めることをやめることだと思う。
もちろん、組織には目標が必要だ。
予算の達成が無ければ、経営は立ち行かないし、雇用も危ない。
しかしだ。
バッファの無いギリギリ綱渡りの職場は楽しいだろうか?
いざという時に対応出来るように、バッファを持つ組織が必要だ。
そのためには100点満点をスタッフに求めることをやめる必要がある。

今いる人を大切にする。
それが組織のバッファを産み、柔軟性を産むと思う。



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