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園江のぼやき部屋

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音楽や本についての所感、その他諸々ぼやきます。気分を害しても、謝りません。
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記事一覧

【エッセイ】雨のち晴れ

 夏の夕方。一日の暑さが盛りを過ぎようとする頃。  ポケットの中の携帯が長く震えた。着信…

【エッセイ】男のにおいと警察―男性向け香水に好意的な理由

 先日、大学院の仲間と一緒にとある洋食店に入った。昼時ということもあってか、また店内の瀟…

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【エッセイ】「家に帰りたくない」

 今、大学の図書館にいる。別にここは、居心地がいい訳ではないけど、特別悪い訳でもない。 …

【エッセイ】サボテンレコード

 大学時代の友人が結婚した。  その友人とは、大学時代に同じ軽音楽部に所属していた。彼の…

【読書記録】『みんなが手話で話した島』~その「つまらなさ」が面白い~

 読書の秋も終わりに差しかかっている。  若者の読書離れ、活字離れ、出版業界の苦境などが…

【エッセイ】ニュアンス論~「願い」と「祈り」~

 突然だが、こんな場面を想像してほしい。とある神社にあなたは友達とお参りに来ている。本殿…

【深夜の駄文乱文】夏も終わりに差し掛かりまして

 暦の上ではすっかり秋だが、8月、9月の残暑を考えれば、もはや暦なんて何の意味もない。それでも、暑い一日の中にもふと涼しい風が肌をなでていく季節になった。夏の終わりがどこかもの寂しいのは、一年の盛りを終えるからだろう。ここからは段々気温は下がり、木々も痩せ細っていき、日は短くなっていく。  僕は一年の中でも秋が一番好きだ。全体的に赤茶けていく木々や、それによって黄金色に染まる街や、軽やかに道を転がる乾いた木の葉が。虫も動物も、一足先に「また来年」と言わんばかりに、段々と眠りに

【エッセイ】伏線回収と論破のエクスタシー

 他人より賢くありたい。幸いにも、このような欲求とは縁遠い人生を送ってこられた。中学校で…

【エッセイ】お酒は20歳になってから

——ひょっとして、AVANTIをお探しですか?——  土曜日の夕方5時、当時小学生だった僕は、…

脱「エモい」論~あるいは、エモいものを「エモい」と言うために~

 若者言葉というのは、いつの時代も上の世代を困惑させる。若者の間では、ある言葉の使用が流…