未来が見えない

診察の日だった。
慢性的な運動不足、ここのところ続いている暴飲暴食を考え、かかりつけのクリニックまでトコトコ歩くことにした。
距離的には近いけれど、行きに大きな坂をのぼる。
汗だくになり、着ていたウルトラライトダウンを脱いだ。
痩せるかな。
健康になるかな。
歩いていると夢と希望がふくらんだ。
土曜日だけど、診察、その後の薬局は、すぐ終わった。
お財布に1,500円ほどあった。
クリニックの近くのディスカウントストアに寄って帰ろう。
そう思った。
そのディスカウントストアには、肉も魚も野菜も揃っている。
けれど、わたしが真剣に物色したのは、レトルトカレー、カップラーメン、ポテトチップス、冷凍食品などだった。
だめじゃん、不摂生じゃん。
せっかく今日歩いたじゃん。
せめて辛子明太子にしよう。
そう思ったけれど、やはり辛子明太子は高かった。
なにか買わなきゃいけないわけではない。
なにも買わずに帰ろう。
そう心に決めたとき、視界にチョコレートが飛び込んできた。
ロッテが冬限定で発売している、洋酒チョコレートだ。
３種類並んでいた。
迷わず３種類✕２箱ずつ、計６箱を買い物かごに入れ、精算した。
そしてまたトコトコ歩いて帰り、いま１箱目のチョコレートを食べ終えた。
わたしは後悔している。
美容と健康のためを思えば、チョコレート大人買いなどすべきでなかった。
なんで６箱も買っちゃったんだろう。
わたしのことだから、６箱のチョコレートは２日ほどで食べ尽くしてしまうだろう。

こんなわたしが痩せる日はほんとうに来るのだろうか。
未来が見えない。