見出し画像

流れ星の向こう 8話


 リナはただ人形のように生活していた。生きる光と活力を奪われた瞳は、かつてのリナを彷彿とさせた。もっとも、以前よりつまらない人間と化してしまったかもしれないが…。

「リナ…」
 寝室でうずくまっているリナに、エスティアが声をかけた。
「…」
「リナ!」
 エスティアが少し声を荒げた。
「放っておいて!」
 エスティアの顔から表情が消えた。
 彼女はツカツカとリナのベッドに歩み寄り、布団を無理やりとった。
「何よ!」
「リナはもっと頭がいいと思ってた」
 そう言い捨てて、エスティアは去って行った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?