不安の正体
不安や悩みを感じたことが無い人って、いないと思います。
誰でも不安や悩みって感じるモノだし、それらは人にとって必要なモノでもあるからです。
とはいえ、誰だって不安とか悩みなんてない方が良い、と考えるのもその通りです。(私も常にそう思っています)
アルフレッド=アドラーさんはこんなことを言っています。
「不安や悩みの90%以上は人間関係が元になっている」
これは私がカウンセリングを行なっている経験からも、その通りです。
「子育てで悩んでいる」というママさんは、自分と子供という「人間関係」の悩みですし、その悩みを自分の家族や他のママ友さんなどに相談出来ない、となればその「人間関係」にも問題がある、と考えられます。
「仕事の成績が上がらなくて」という悩みは、自分と仕事仲間、上司とか同僚、部下や取引先に顧客といった所との関係性に問題があると考えられます。
こう考えると確かに、不安や悩みの90%以上は人間関係の問題と言えますね。
一方でこんな有名な話もあります。
外国の心理学者さんの研究から「不安の96%は実際にそうならない」という結果が示されています。
これまでの自分の人生を振り返った時、様々な不安を抱えてきたはずなんですが、それが現実にそうなったかどうかを考えてみると、確かに実際に不安通りのことが起こったことってほとんどないはずです。
この学者さんはさらに「96%のうち80%は現実のモノにならず、残りの16%は実際に起こるかも知れないけれど、事前に準備しておけば回避出来る。4%は残念ながらどんな準備をしても避けようがない」と言っています。
不安とは「○○になったらいやだなぁ…」というように、今ではなく「これから」起こりそうな、言い換えれば起こるかどうか分からない事を想像して、起こる前から「嫌だなぁ…」と考えてしまっている現象です。
その「嫌だなぁ」という、起こるかどうか分からない将来を「必ずそうなる」と思い込んでしまうことで不安が増して、継続することで「悩み」となってしまいます。
「今夜、この子が熱を出したらどうしよう…」とか、「また明日から仕事。嫌な○○さんと一緒だ…」と妄想してしまうこの不安は、自ら作り出しているモノと言えます。
このような不安ばかり抱え込んでしまうことで、「漠然とした不安」を常に感じるようにもなってしまうことを思えば、上記の説を実践してみることも大切になります。
具体的な不安に対しては「これから起こるかも知れない」わけですから、その準備をしておけば良いんです。
子供が熱を出したら…という不安なら、今夜の夜間診療している病院は、とか、解熱剤を準備しておけばひとまず大丈夫です。
明日の仕事が嫌だなぁ、と不安を感じているなら、その嫌な人のどこが嫌なのか、何が嫌なのかを考えてみることで、それが自分で対処出来るのか、出来ないのかを知ることが出来ます。
対処出来ることがあるのなら、その方法を考えますし、対処出来ないのであればそれが出来そうな人に相談するなど次善の策を考えることも出来ます。
不安は人に与えられた「危機察知能力」と考えれば、その危機を回避するための行動も出来る、と考えて下さい。
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