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コトバの「裏」って読めるの?

日々、カウンセリングをしている中でお客様に共通してお伝えしていること。

相手の言葉の「裏」にある想いが分かるんですか?

私には分かりません。
正確に言うと、昔の私はそれを『分かっているつもり』でいました。

例えば相手の話を聴いている時、その人が話している内容は苦しかったりつらかったりすることなのに、その表情は笑顔で、けど涙が流れていれば、その人が話す言葉の裏には悲しいとかつらいとかって想いがあるのは分かります。

ですがカウンセリングの中でお客様が「その人に○○と言ったら、その人が迷惑と感じると思うから言えない」とか「相手にこの想いを伝えたいんだけど、それで心配をかけてしまうのも嫌だから言わない」とか、「あの人から□□」と言われたんだけど、本当は△△と思われているに違いない」とか、その相手が言葉にしていない想いや、発せられた言葉の裏にある想いが分かっているかのように話されるのは、どうなんでしょう?

それって、そのお客様の頭の中で相手の言葉の裏にある「かも知れない」想いや考えを想像(妄想)しているだけに過ぎないんです。
本当にその相手がそのような想いや考えを言葉の裏に秘めているかどうかなんて、その相手にしか分かりません。

けど、人間関係にいつも問題を抱えてしまう方の多くは、その相手を「思いやっているから」という理由を付けて、このような妄想をしてしまい相手の本当の想いを知ろうとしていないんです。

「心配を掛けてしまいそう」とか「迷惑をかけてしまいそう」とは、一見すると相手を思いやっているように見えますけど実は、そうなってしまうことで相手から嫌われてしまうことを恐れているだけ。

そこで自分の本当に伝えたい想いを隠して、相手に嘘の言葉を伝えてしまうから結果的にその関係を自ら崩してしまうことになる訳です。

その話を聴いて心配するか、迷惑だと思うかはその「相手」が感じることです。
その話をされたとして、心配するのも迷惑だと思うのも相手の「自由」だし、全くそんなことを思わないことだってあるはずです。

百歩譲って、話をした後その相手に「迷惑だった?」とか「心配かけちゃった?」とか訊いたとしても、そこでたとえ迷惑だ、とか心配だ、と思ったとしても「そんなことないよ」と答えが返ってくるのがほとんどでしょう。

むしろその問いに対して「うん、迷惑だよ」って答えてくる人が居たとしたら、それはとても正直な人で誠実な人で、本当の意味で優しい人とも言えます。

ですがそのように正直に答えてくれる人は少ない以上、相手の言葉に何か「裏」があったとしても、それを確認することは不可能だし、余計にそれで悩みは増すばかりとなります。

同じようにコミュニケーションにおいていうなら「行間」も「空気」も読むことは出来ません。

そんなところに気を遣って本当かどうかも分からない相手の言葉の「裏」を妄想するより、相手の言葉をそのまま素直に受け止めて、自分の想いも正直に伝えている方が結果的にコミュニケーションは良いモノとなり、人間関係も良い関係が築けるようになります。

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