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「『先生は子どもを育てたことがないから 親の気持ちが分からないんです!』って言われたらどうするか?」 っていう質問に答えてみた。

先日、若手の女性の先生と話してたんですが保護者さんから
「先生は子どもを育てたことがないから
 親の辛さがわかんないんです。」
と言われてずいぶんと落ち込んだそうです。
その方は 20代後半の勢いのある先生で、とっても一生懸命な先生です。
多分、懇談で先生が色々お話しされて、保護者さんからしたら
自分の耳が痛い話もいくつかありその発言になったんだと推測します。
先生の方も懇談の仕方については、もう少し気を使うべき
なのかもしれません。
(懇談の記事書いてるんでよかったらこちらもご覧ください。)

自分も若い頃、似たようなことを言われて深く傷ついたことがあり
この先生の話を聞いてその時のつらい気持ちを思い出しました。
その時は同僚の上手な「並」の先生が、いろいろ話してくださって
自分は立ち直れました。
今日はそんな話をその若い先生としたんですが
そのことを書いておきたいと思います。

自分は親は実際にはやってないけど、バーチャルでやっています。
昔私に話してくださった先生は、相談した時に
「確かに君は親として子どもを育てたことはありません。
 けれども、日中は子どものことを一生懸命考えて
 夕方から夜は、子どものことを思い浮かべながら
 次の日に出会う準備を行って
 夜中にも夢でまでなかなかうまくいかない子どものことを考えて
 過ごしているのだから、バーチャルではあるけど親のように
 1日中子どもを育てようとしている。
 だから胸を張って、『実際にはしてないけどバーチャルではしてる』
 って答えたらいい。」
とおっしゃって励ましてくださいました。
後日、同じ保護者さんに懇談で同じことを言われそうになった時
先手を打って、
「バーチャルでは親の気持ちでやってるし、足りないところはありますが
 お家の人と同じかそれ以上に気を使ってやらせてもらってます。」と
保護者さんにお話ししたら、ある程度共感してくださって
救われたことがありました。
むしろそれぐらい言い切ることで、教師は覚悟をもって子どもに
向かってるのだと理解してもらえたようで
その後明らかに、そのお家の反応が変わりました。

私たちは実際に自分の子どもがいても、職場ではそれを忘れ
目の前の子に全力であたります。だから親であろうがなかろうが
バーチャルに子育てをしてるので 自信を持っていけばいいようです。
それから、10年以上子どもができるまで
この感覚は持ち続けて、何度かお家の方にも話しました。
そのたびに思うのがお家の方は決して私たち教師を困らせたいのでなく
自分が大変なのをわかってもらいたい一心で行っておられるのだと
いうことでした。

家族を大事にしよう
もう1つ同じ上手な「並」の先生が言われたのが
「自分でわからないなら親に聞けばいい。」というものでした。
もし保護者さんが言われるように、教師が理解不足で
迷惑をかけているのなら、自分の親とそのことについて話してみたら
親の気持ちも理解できるのではないかということです。
「親は自分を育てた時のこときっと覚えているからを聞けばいい。」と。
これも効果は絶大で、自分の考えだけではなく
相手の思うことがわかるようになると、同じ話をしていても
共感してもらえることが増えたような気がしました。
だからこれもおすすめです。

もう1つおススメする理由が。
実は私の親は働き出してからすぐに亡くなっています。
でも働き始めたころ、嬉しそうに働く時に気をつけることや
同僚との酒の席での付き合い方を教えてくれたのを覚えています。
実はあまり意識していませんでしたが、自分の子どもの頃の話や
大変だった子育ての話もしてたのだと思うのですが
あまりその時は意識しておらず、後日いろいろ保護者さんから言われて
ああ、あの時の親の気持ちはこんなことを伝えたかったのかなと
気づいたりすることが多くありました。
本当は実家に近いところでも働くことはできたのですが
自分がしたいことがあり、離れたところで仕事していた関係で
異変にも気づかず、さっと亡くなってしまった親とは
もう少し話したいことがあったのですが、後の祭りですね。
だからこそ、今の若い先生方にはもっと自分の両親に
話を聞いて子育てをする親の気持ちを聞いてみるように進めています。

以上の2点のようにして考え方を変えれば、保護者さんと共感したり
納得させたりすることはできます。
でもその若い先生にも言ったんですが、
いつか子育てをしてみてほしいです。
学校の先生が子育てするようになると年齢もいい年齢になるせいか
ある程度 言葉からトゲが取れて みんなが理解してくれるようになります。
また子育てをしているといい感じでオーラ的なものが出るみたいで
子どもも保護者も同僚も、みんながある程度
一目を置いてくれるようになります。
そしていつか言われた保護者さんたちの言葉の本当の意味が分かり
モヤモヤしたものがだんだんとなくなっていくと思います。
誰しもいつでもベストな状況であればいいのですが、そんなはずはなく
現場に出ながら力をつけていかなければいけないので
腐らずいつか答えがわかると思って元気出していけたら幸いです。
お読みいただきありがとうございました。

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