見出し画像

上手な「並」の先生はあまり話さない。その2

おはようございます。夏休みはじまって少し生活のペースを変えた
とらさんです。
この夏最初にうれしいことがありました。それは以前書いた記事に
コメントをくださった方がいたことです。
しかも誤字だらけの記事なのに、しっかり要点をつかんでおられて
本当にうれしかったです。今回はそれを受けて
もう少し詳しく書いてみたいと思ったので
書いていこうと思います。
ちなみに前回の記事はこちらです。

話さないことを目標にしない
よく自分が記事を書いて質問されるのが
「教師が話さないとどんないいことがあるんですか?」 という話です。
これはとってもいい質問で、ただ教師が話さないことを
目標にしてしまうとついつい 最終的にどんな姿になりたいのかが
忘れられがちです。 自分の働いてる学校でもその辺が抜けてしまって 最後 うまくいかないなんていう質問もあったりします。

実は話をしないこと自体は結果です。
話をしないことで教師の説明時間を少なくして子どもたちの
活動時間や考える時間を増やすことが大事だと思っています。
また教師が説明してしまうと子どもたちの思考は
教師の伝えたやり方の1本になってしまうのですが
ある程度 自由度を与えて子どもたちに考えさせることで
色々な視点からアイデアを出せるようになります。
その結果、考えの幅が増えると思います。
また それが多人数になれば さらにいろんなアイディアが出てくるわけで
集団としてかなりの数のアイデアが生まれることになります。
よく山登りで例えられるのですが
教える授業は 登山道が1本ある山で、
そこを確実に安全に登りきるように整備しておくことが
大事なことになります。
でも教師が話をしない 授業は、山といくつかの登り口とゴールのみ
伝えたら登り方や行程はある程度任せます。
そうすると上る前に調べたり、過去の経験を使ったりして
準備から楽しいですよね。そんなイメージでやるとみんな幸せにできます。

話すのがいるケースもある。

しかし実は全部話をしないという風にすると問題が起こります。
例えば 子供たちの中には メンタルが強い子もいれば弱い子もいます。
メンタルが弱い子がいきなり 任されると不安にかられて
動けなくなったりすることがあります。
そこのケアをするためにもある程度 子供たちが納得するぐらいの
話は要ります。
また全部の分野ではないですが 人間がやることなので
どこかの部分では経験や能力が足りず アイデアが出てこない ケースも
あります。
その場合は 教師が何らかの話をするか、どこかから過去の事例など
資料を提示する必要があると思います。
そして 資料の提示で理解できればいいのですが子どもによっては
読むのが困難な子どもがいて説明が口頭で必要なケースもあります。
このようなケースは、やはり話がいると思います。
むしろ そこを省いてしまったがために理解が下がってしまうケースは
よくあります。
この辺を子ども同士でやらせたらどうかという意見もあるのですが、
子どもが必ず友達に伝わる言葉を持っているかというと
少々難しいところもあり、そこは実態を把握しながら
研究していきたいところですが
個人的には教師よりも上手に説明する子どもというのは
なかなかいないし、授業の目標に沿っての説明とは限らないので
やりすぎは良くないですが、教師が説明してもいいのではないかな
と個人的には思います。

人間関係は大丈夫?

最後に 上手な先生が気をつけておられる点は人間関係の部分です。
教える 教えられるという関係になるのでどうしても関係性に
上下が出てしまいます。
ある専門家の先生に相談した時は
「ある種の部分では活躍できる子もいれば別の分野では
 その活躍できる子が活躍できなくて 教えることになるから
 上手に能力に合わせてやっていけば大丈夫。」という風に
言われたのですが 小学校時点ではある程度できる子というのは
どの分野もできて 苦手な子と言うのはどの分野も苦手になっているように
感じているので ただただ 鵜呑みにしてやるのは
少々乱暴 かなと思っています。
そのため 考えられる作戦としては頻繁にグループ やペアを変えて
なるべく 苦手な子にも説明ができるようなペアにする。
また得意な子は得意な子同士でやるような学力に合わせた組み合わせをする
時間をあえて取ること。
そして誰でも説明ができるぐらいまで ある程度レベルを落とした発問に
切り替えて子どもたちが 差を感じにくいようにすること。
また 説明の範囲を狭くしてだいたいどの人が行っても答えが
同じになるようなところに設定するなどの配慮がいるかと思います。
これらのことが十分にできてない ケースだと
おそらく1年間の後半の方では やたら説明する人と
なんとなく 説明を聞いて楽しむだけの人が出てきたり
諦めて力を出し切らないケースが見られるようになってくると思います。
そうならないように まずは教師が取り組み方を色々 工夫すること
そしてもう1つは子供たちに全員が賢くなるために
全員の意見が欲しいということを言い続けることだと思います。
これらのことも 上手な「並」の先生はうまくやっておられます。

上手な「並」の先生は 簡単にやっとられるように見えて
実は物事の本質を捉えておられます。
話さないことにはたくさんの魅力があるんですが
話さないことだけをしてしまうと 気をつけなければいけないことが
抜けてしまい なかなかうまく回らないなぁという印象になると思います。
そうならないように 何が良くて何が悪いのか っていうことを考えてから
取り組むとさらに良い活動になると思います。
上手な「並」の先生には学ぶことがいっぱいありそうです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?