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「今日も我が家は」

皆様「おはこんばんちは」
鈴丸 カエル🐸です。

次の日、いよいよ手術となった日、朝食はありませんでした。

入院すると食事はとても気になるものです10時からは水も飲めなくなるのです。

F田さんがブドウパンを美味しそうに食べているのを羨ましく思うのでした。

それにしても病院はさまざまなスタッフさんで構成されている。

看護師さんを筆頭に雑用全般を担っているクリーム色の制服を着た方は掃除一般をその中でも洗面台、トイレを専門とする方、ゴミを集める方、配膳を中心とする方たち、そしてそれぞれ担当する部屋がある様なのでした。

部屋を担当する方は売店の買い物なんかも頼めるらしくMさんが雑誌を買って来てもらっているのでした。

このスタッフさんも昼と夜に入れ替わりがある事をMさんは教えてくれたのです。

日常的に稼働している検査機関や薬剤師、理学療法士や受け付け事務そして食事を準備してくれる調理師さん達、駐車場の誘導係、外構整備とどれだけのサービスを知らない所で受けいるのか?その頂点に医師がいるのだ。

「病院はその集約的な場所だなあぁ・・・当たり前の事じゃ無いんだなぁ」と思いふけていた。

私は何時ものバイタルチェックして手術着に着替え点滴をされたのでした。

点滴は稼働式のものでそのままトイレに行ったりできるものでした。

F田さんとMさんは食事を済ませるとリハビリに行ってしまった。

外科の入院はリハビリが組み込まれていて結構忙しいのである。

パンツ一丁に施術着を羽織り、今日付き添ってくれる息子に連絡を取って彼が来るのを待ったのでした。

程なく昼食が運ばれてくる。

私の手術予定は1時頃だった。

手術は4.5人予定されているので前の人が遅れればそのままずれ込むと聞かされていたので「遅てるのかな?」と思われた。

お昼前から来てくれた息子は病棟入口のベンチに座って待っていてくれた。

F田さんが「あの髪の長いゴジラのTシャツ着てる人、息子さん?」と聞いて来た。
「そう、そう、分かりやすいよね。」と私。

時間は3時を廻り私は息子の仕事の時間が気になり点滴を連れて入口へ、すると息子も自動ドア越しに「まだなの?」と聞いて来た。

私は「仕事は?時間大丈夫なの?」と聞くと「今日は休みだから大丈夫。」と答えた。

彼の仕事はドラム講師で平日は夕方からが多くて土日は朝からめ一杯な人気講師だと言った。

なので私は彼のことを「ドラ息子氏」と呼んでいるのです。

でも、息子を待たせている事が気になって仕方ない私でした。

これは勘違いして欲しくないのだが、どうしても女親は息子に弱く、男親は娘に甘い傾向があるので我が家だけの問題ではないと思うのだ。

はっきり差別しているわけでなく、どちらも同じ様に可愛いのである。

でも異性の子供にはどうしても、そうなってしまうのです。

4時近くなってやっと手術室に向かう事になり病棟入口のドアが開き息子に会う事ができたのです。

側のエレベーターに一緒に乗って手術室前でバイバイしたのです。

「なんか、素っ気ないし、呆気ない」と思ったのです。

手術室に入ると同じような背格好の若い看護師さんたち3人が資料をチェックしながら声を出してし同じ言葉を繰り返していた。

その奥にガタイの大きな先生らしい人とあの若い医師が一緒にいて「よろしく」と小さい声で言った。

周りが大きな先生だからなのか、若い医師が小さく頼りなげに見えて「おいおい、大丈夫か?」と思った。

「ま、検査だし」と思ってみた。

麻酔医に挨拶されて、このひんやりとした手術室で先程の3人の看護師さんたちにテキパキとお世話されあの手術着は機能的に開いて私はもうまな板の鯉状態でした。

あっという間に意識がなくなり気がつくと手術は終了してベットに乗せられたのでした。

すでに浴衣に着替えさせられて胸には心電図、オムツをしてトイレに行かなくてすむための尿管にカテーテルが入れられている。

手術室を出ると息子が待っていてくれた。

「お疲れ!」と声をかけてくれた。

当たり前だが「大人になったなぁ」と感じたのでした。

「ありがとう」と言うと「じゃ!」と片手を挙げカッコ良く帰っていった。

あたりは暗く時間を見ると19時を回っていたのです。

            つづく

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