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2023年5月の記事一覧

5/22 『戦物語』を読んだ

また遭う日、もう来たわ。さすがに今までよりやや期間は空いたものの。もう語る物語も無いかー寂しくなっちゃうななんて言ってたら、まだまだ全然語るじゃん阿良々木くん……まあ、語られた以上は、耳を傾けますが。 ただ今回は新たな怪異に出遭うこともなく、そして蛇足や語り残しのような何かを終わらせる物語でもなく、むしろ新たな始まり方を模索する物語ではあった。いくらでも終われるけど、同じくらいいくらでも始められるんだぞというつよい意志を感じる(今作だけに、石だけに、と言ってもよかったが、あい

5/18 『マイ・リトル・ヒーロー』を読んだ

オンラインゲームの世界に閉じ込められて意識不明になった子どもの話と聞いて、SAOよりも.hack//な世代としては注目せざるを得ない、ましてやそれが冲方丁の手によるものならば。ただ、読み進めていけば、どうやら意識不明の謎は本筋ではなく、あくまで本筋の物語へのすこしふしぎなきっかけにすぎないものとわかる。まあそれはそれでありだろう。考えてみれば.hack//も、意識不明になる仕組みとか理由ははっきり描かれてたりしてなかったしな……SAOではその辺どうなんだろうか。 それでは本筋

5/12 『ぼくらの特命教師』を読んだ

前作での描写から、英治の年齢は30代半ばから後半くらいか、とあたりをつけていたが、今回、終盤でぼくらメンバーが一部集結したときに柿沼が三浪の末に医大合格し、まだ在学中という情報が出たことで、最大でも27くらいということが明らかになった。思ったより若かった……英治も、ある程度普通の教師経験を積んでから悪魔教師にクラスチェンジしたと思ってたが、わりとすぐ悪魔道に邁進してたんだな。まっとうな教師としての道はひとみに譲り、自身は邪道を突き詰めてゆくと考えれば、ある意味いいチームワーク

5/9 『怪人デスマーチの退転』を読んだ

なんだかこのシリーズは既存シリーズとはやや毛色が違うな、と思うのだった。なんというか、否定力が強い……自己評価の低い主人公というのは、そらもう戯言遣いやら阿良々木くんやら、沢山いるんだけれども、それらともちょっと違って、自己肯定力はあるけど生き方として否定的っていうか。前巻でも若干感じていたことではあったけど、それは令和の時代に怪盗モノをやるという設定からくる、自虐的な諧謔のようなものだと思っていたが、今巻での描写をみるに、ちょっと諧謔の域を越えているように思える。何故なら父